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平成23年度第1回徳島県森林CO2吸収量認定委員会を開催しました

徳島県では平成21年6月から「とくしま協働の森づくり事業」を推進しています。この「徳島県森林CO2吸収量認定委員会」は、とくしま協働の森づくり事業で整備した森林における、森林CO2吸収量を審査・認証するために設置した第三者委員会です。平成23年度第1回委員会を次のとおり開催しましたのでお知らせします。

【日時】平成23年7月5日(火)

【場所】神山町

【認定委員】

河口洋一 委員長(徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部准教授)

佐々木隆雄 副委員長(徳島県木材協同組合連合会理事長)

飯山直樹 委員((株)エコー建設コンサルタント技術管理部技術開発課課長代理)

和泉隆啓 委員(徳島県環境審議会委員、阿波麻植森林組合代表理事組合長)

主な議事と内容については次のとおりです。

(1)森林CO2吸収量認定対象森林の現地視察

雨氷(木の枝に氷が巻き付き,つらら状になっています)
被害状況です。スギが幹折れしています
現地視察
植栽状況
植えられた苗木です。元気に育っています!

今回の審査対象森林の一つである,神山町の植栽地の現地視察を行いました。

ここは,昨年の雨氷被害によりスギ人工林が大きな被害を受けました。

雨氷被害とは過冷却の水滴が樹木に凍り付き,幹折などの被害をもたらすもので,徳島県では非常に珍しい気象現象です。

被害木を整理するとともに,周辺に自生している広葉樹を中心に苗木を植栽しています。また,この地域はシカ食害を受けやすいことから,苗木には食害防止チューブを設置しています。

(2)森林CO2吸収量の認定について

○算定式は全国的に使用されている次の算定式を用います。 

森林による二酸化炭素吸収量=森林面積×幹材積の成長量×拡大係数(地上部)×容積密度×炭素含有率×二酸化炭素換算係数×(1+地下部率)

 

森林面積:現地測量結果(ha) 

幹材積の成長量: haあたりの材積(蓄積)の増加量(m3/ha)「簡易林分収穫表」から算定 

地上部拡大係数:幹材積の成長量に枝葉の成長量を加算する係数(樹種・林齢により固定・スギ21年以上1.23、ヒノキ21年以上1.24など)

容積密度:成長量(材積)を乾燥重量に換算する係数(樹種により固定・スギ0.314、ヒノキ0.407など) 

炭素含有率:乾燥重量に占める炭素比率(0.5で固定)   

二酸化炭素換算係数:炭素量を二酸化炭素量に換算するための係数(44/12で固定)

地下部率:地上部バイオマスに対する地下部の割合(樹種により固定・スギ0.25、ヒノキ0.26など) 

 

例えばケヤキを1ha植栽した場合・・・

森林CO2吸収量=面積1.00×成長量2.0×拡大係数1.58×容積密度0.611×炭素含有率0.5×換算係数44/12×地下部率1+0.26=4.46t-CO2/年

となります。

 

施業が完了した次の森林について、吸収量を審査、認定していただきました。合計面積は6.33ha、吸収量は25.91t-CO2/年となりました。

今回認定された森林CO2吸収量証明書は,次回開催の森林CO2吸収量証明書交付式で交付されます。

 

【協力企業・団体名】場所、整備内容、面積(ha)、CO2吸収量(t-CO2/年)

【(株)徳島銀行】勝浦郡上勝町旭、スギ・ヒノキ、広葉樹植栽、2.37ha、7.07t

【(株)テレコメディア徳島支店】阿南市細野町、広葉樹植栽、0.30ha、0.98t

【電源開発(株)橘湾火力発電所】阿南市津乃峰町、広葉樹植栽0.20ha、0.48t

【徳島県信用農業協同組合連合会】三好市西祖谷山村、スギ植栽1.91ha、11.44t

【アサヒビール(株)徳島支社】名西郡神山町神領、広葉樹植栽1.55ha、5.94t

計:6.33ha、25.91t