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平成22年度第2回徳島県森林CO2吸収量認定委員会を開催しました

徳島県では平成21年6月から「とくしま協働の森づくり事業」がスタートしました。この「CO2吸収量認定委員会」は、協働の森づくり事業で整備した森林において、CO2吸収量を評価・認証するために設置した第三者委員会です。今年度、第2回目となる委員会を次のとおり開催しましたのでお知らせします。

【日時】平成23年3月25日(金)14時から

【場所】県庁11階会議室

【参加者】委員4名(社)徳島県林業公社1名徳島県2名

【認定委員】

河口洋一 委員長(徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部准教授)

佐々木隆雄 副委員長(徳島県木材協同組合連合会副理事長)

飯山直樹 委員((株)エコー建設コンサルタント技術管理部技術開発課課長代理)

和泉隆啓 委員(徳島県環境審議会委員阿波麻植森林組合代表理事組合長)

主な議事と内容については次のとおりです。

(1)徳島県におけるCO2吸収量算定式について

算定式は全国的に使用されている次の算定式を用います。

森林による二酸化炭素吸収量=森林面積×幹材積の成長量×拡大係数(地上部)×容積密度×炭素含有率×二酸化炭素換算係数×(1+地下部率)

森林面積:現地測量結果(ha)

幹材積の成長量:haあたりの材積(蓄積)の増加量(m3/ha)「簡易林分収穫表」から算定

地上部拡大係数:幹材積の成長量に枝葉の成長量を加算する係数(樹種・林齢により固定スギ21年以上1.23ヒノキ21年以上1.24など)

容積密度:成長量(材積)を乾燥重量に換算する係数(樹種により固定スギ0.314ヒノキ0.407など)

炭素含有率:乾燥重量に占める炭素比率(0.5で固定)

二酸化炭素換算係数:炭素量を二酸化炭素に換算するための係数(44/12で固定)

地下部率:地上部バイオマスに対する地下部の割合(樹種により固定スギ0.25ヒノキ0.26など)

具体例で三好市池田町のヒノキ間伐林地で計算してみると・・・

CO2吸収量=面積1.60×成長量7.4×拡大係数1.24×容積密度0.407×炭素含有率0.5×換算係数44/12×地下部率1+0.26

=13.80t-CO2/年

(2)算定する森林について

今回は、平成22年度に施業が完了した次の森林について、吸収量を審査、認定していただきました。合計面積は27.16ha、吸収量は291.38t-CO2/年となりました。これらの吸収量は次回の森林CO2吸収量証明書交付式において交付されます。

【協力企業】協力企業、場所、整備内容、面積(ha)、CO2吸収量(t-CO2/年)

【(株)松本コンサルタント】東みよし町足代、ヒノキ、間伐、2.65、24.14

【西徳木材(株)】三好市池田町、ヒノキ、間伐、1.60、13.80

【山口製材(株)】三好市池田町、ヒノキ、間伐、1.60、13.80

【山田機械(株)】三好市山城町、スギ、間伐、2.08、7.36

【大倉工業(株)】三好市西祖谷山村、スギ・ヒノキ、間伐・広葉樹除伐、5.04、34.45

【審美インターナショナル(株)】美馬市木屋平、スギ、間伐、2.44、13.08

【喜多機械産業(株)】美馬市美馬町、ヒノキ、間伐、2.51、18.14

【日本ハム(株)徳島工場】美馬市美馬町、ヒノキ、間伐、2.51、18.14

【大久保産業(株)】美馬市木屋平、スギ・ヒノキ、間伐、2,43、13.84

【東亞合成(株)徳島工場】上勝町旭、スギ、間伐、1.93、14.35

【徳島県中小企業家同友会】徳島市多家良町、スギ・ヒノキ、間伐、2.09、13.11

【帝國製薬(株)】阿波市土成町、ヒノキ、間伐、2.26、13.70

【(株)アルボレックス】那賀町横石、スギ、間伐、2.28、18.16

【中千木材(有)】那賀町丈ヶ谷、スギ、間伐、2.39、15.65

【大利木材(株)】那賀町木頭、スギ・ヒノキ、間伐、2.39、17.31

【那賀川工業用水利水者協議会】那賀町丈ヶ谷、スギ・ヒノキ、間伐、4.74、42.35

(3)J-VER(オフセット・クレジット)制度との関連について

J-VER制度は環境省の創設した制度で、森林で吸収したCO2をクレジット化し、売買することによってカーボンオフセットすることが可能です。このため、J-VER制度で認証されるためには、非常に厳しい審査が必要となります。このようなカーボン・オフセットクレジット制度は、他に国連によるCERクレジット制度、経済産業省などによる国内クレジット制度などがあります。

とくしま協働の森づくり事業は、J-VER制度同様に森林で吸収したCO2によってカーボンオフセットすることができますが、証明されたCO2吸収量は他企業と売買することができません。しかし、当事業では、J-VER制度同様に、詳細な調査を実施して、CO2吸収量を算出し、算出された吸収量についてはCO2吸収量認定委員会において審査・認証していただいております。