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台風に対する農作物等の管理対策について

現在、日本の南にある熱帯低気圧は今後台風に発達し本県に接近する恐れがあり、今後の進路によっては強風や大雨による農作物等への影響が懸念されることから農作物等の管理にあたっては、次の対策を参考にしてください。

 ※大雨中は、非常に危険なので、用排水路には近づかないでください。

〈共通事項〉

1)事故防止の観点から、ほ場の見回り等については、気象情報を十分に確認し、台風通過後の増水にも十分注意して行ってください。

2)台風通過前後に薬剤を使用する際には、農薬の使用基準を遵守し、周辺への飛散低減対策を講ずるとともに、適時適切な散布を行ってください。

1水稲

〈事前対策〉

1)排水路、排水口の整備を行い、長時間冠水しないように努めましょう。

2)出穂期から出穂直後のほ場では深水管理とし、暴風による傷みを防ぎましょう。

3)成熟期に達しているものは、速やかに刈り取りましょう。

4)刈り取りが終了している場合は、稲わらが流出しないよう、すき込みましょう。

〈事後対策〉

1)倒伏、浸水、冠水した田では、できるだけ早く排水溝を切るとともに、もし、ゴミ等が流れ込んだ場合は刈り取り作業に支障のないように除去しておきましょう。

2)倒伏すると穂発芽しやすい状態になるため、できるだけ早く刈り取りましょう。

水分の多い籾を急激に乾燥すると胴割米が発生しやすく、食味も悪くなるので、籾の水分が高いほど乾燥速度を遅くし、ゆっくり乾燥させましょう。

3)いもち病、白葉枯病などが発生する場合があるので、発生状況を把握し、適切に防除に努めましょう。

2野菜

〈事前対策〉

1)施設栽培では、取り付け金具の締め直しやハウスバンドの固定、側杭の補強を行うとともに、防風ネットなどをよく点検しておきましょう。

強風時にはハウスを密閉し、換気扇を作動させましょう。

2)冠水や浸水のおそれのあるほ場は、溝切りや排水溝の清掃をしておきましょう。

3)ハウス周辺に排水溝を設けておきましょう。

4)夏秋なす等の果菜類は、支柱および防風ネットを補強するとともに、Mサイズ以上の果実は収穫しておきましょう。

また、夏秋なすは褐色腐敗病の予防散布を行いましょう。

5)いちご苗は、強風による葉の傷みを防ぐため、寒冷紗等でべたがけ被覆しましょう。

6)ブロッコリー、レタス等の育苗中のものは、べたがけ又は防虫ネットでのトンネル被覆を行いましょう。

7)ブロッコリー、レタス等、すでに定植しているものは、寒冷紗等でべたがけ被覆またはトンネル被覆を行いましょう。

〈事後対策〉

1)冠水、浸水したほ場は、早急に排水に努めましょう。

2)べたがけ資材で被覆していたほ場は、速やかに資材を除去しましょう。

3)風雨による土の跳ね上げや冠水による汚れが見られる場合は、薬剤散布を兼ねて水洗し、病害の発生を防ぎましょう。

4)株元の露出や、降雨により土壌が締まっている場合は、天候の回復を待って、株元へ土寄せするとともに、畦全体を軽く中耕して通気性を良くしましょう。

5)草勢の回復を図る場合は、葉面散布を行いましょう。

6)肥料の流亡が考えられる場合は、草勢回復後、速効性の肥料を追肥しましょう。

7)施設栽培では、風が弱まった時点で速やかに換気を行い、天候回復後の高温障害の発生を回避しましょう。

8)夏秋なす等の果菜類は、風雨害による傷ついた葉や果実を取り除きましょう。

9)育苗期の葉菜類では、天候が回復し急な強光線にさらされると葉焼けを起こす場合があるので、換気や温度管理には十分に注意しましょう。また、定期的な薬剤散布を行いましょう。

3果樹

〈事前対策〉

1)風が当たりやすい園地は、防風ネット等を予め設置しておきましょう。

広い園地は、園内を区切って防風ネット等を設置しましょう。

2)幼木等の倒伏しやすい樹は、支柱を立てて固定し、倒伏を防止しましょう。

3)排水溝の設置と清掃を行いましょう。

4)施設栽培で、ビニールや防風ネットを被覆している場合は、取り付け金具の締め直しやハウスバンドの固定、側杭の補強を行いましょう。

ビニールが除去できるハウスや防虫ネット等は、程度に応じて巻き上げて紐で束ねるか、予め除去しましょう。

強風時にはハウスを密閉し、換気扇を作動させましょう。

5)なし、ぶどう等の棚栽培は、支柱等を設置して落果や擦傷を防止しましょう。

6)収穫可能な果実はできる限り収穫しましょう。

7)カンキツ類の黒点病、かいよう病、温州みかん、不知火(デコポン)等の褐色腐敗病は、風雨によって感染するので防除基準に基づいて適宜防除しましょう。

〈事後対策〉

1)園地の溝切りや排水溝の清掃を行い、速やかな排水に努めましょう。

特に、果実が結実している、ぶどう、なし、みかん、すだち等は、早期排水と土壌乾燥に努め、湿害の発生を回避しましょう。

2)落果や生傷果、腐敗果は園外に撤去しましょう。

3)枝が折れた場合は、切り直して癒合促進剤を塗布しましょう。

太い枝の分かれ目が裂けた場合は、縄などで縛り癒合を促進しましょう。

4)倒れた樹は、立て直して支柱等に固定し、土寄せしましょう。

5)冠水した温州みかん等は、清水で洗い流した後、防除基準に基づいて褐色腐敗病の防除を行いましょう。

4花き

〈事前対策〉

1)ほ場の排水対策を行い、冠水、湿害の発生を回避しましょう。

2)露地花きはネット等の支柱を増強し、倒伏を防ぐとともに、必要に応じて周囲に防風ネット等を張り、風による損傷を軽減しましょう。

3)鉢育苗中の苗等は室内への取り入れや、ネットをかけるなどして鉢の飛散や茎葉の損傷を防ぎましょう。

4)施設栽培では、ハウスバンドの締め直し、側杭の補強などハウスの点検・補強を行い、強風時にはハウスを密閉し、換気扇を作動させましょう。

5)洋ランの山上げ場では、鉢が棚から転落しないように固定等に努めましょう。

〈事後対策〉

1)冠水したほ場は速やかに排水し、中耕を行って湿害による根の傷みを抑えましょう。

2)キク等で倒伏したものは、茎曲がりを防ぐために速やかに株元から起こしましょう。また、折れ枝等を整理しましょう。

電照ギクでは、電球切れを点検し、適宜交換しましょう。

3)生育中の花き類で、風雨による土の跳ね上げや冠水による汚れがみられる場合は、薬剤散布を行い、病害の発生を防ぎましょう。

4)防風対策で室内に取り入れた苗等は、台風通過後早めに戻し、防風対策でべたがけしたネット等も除去しましょう。

5)転倒・転落した鉢は速やかに復旧手当を行ったのち、病害防除のため、薬剤散布を行いましょう。

6)施設栽培では、風が弱まった時点で速やかに換気を行い、天候回復後の高温障害の発生を回避しましょう。

7)湿害等の影響で根が弱っている兆候が見られる場合は、適期に液肥の葉面散布を行いましょう。

5畜産

〈事前対策〉

1)畜舎、屋根、カーテンなどを点検し、家畜に被害のないようにしましょう。

トタンなど風で大きな音を出す場合、家畜に不安感を与えるので早めに修理しましょう。

2)飼料庫置き場、堆肥舎などを点検し、濡れや流出などしないようシートで覆いましょう。

3)浸水の恐れのあるほ場内のラップサイレージは早めに移動しておきましょう。

〈事後対策〉

1)畜舎内への浸水が発生し、病気の発症等が疑われる時は直ちに診療を受けましょう。

2)畜舎や堆肥舎、糞乾燥ビニールハウス等が破損した場合、早急に補修を行いましょう。

6.飼料作物

〈事前対策〉

1)ほ場の排水対策に努め、湿害の発生を回避しましょう。

2)天候に応じて迅速に管理・収穫作業が行えるよう、体制を整えておきましょう。

〈事後対策〉

1)ほ場にたまった濁水はできるだけ早く排水しましょう。

2)収穫期にある飼料作物は、天候の回復後に収穫を行うよう努めましょう。

3)稲わら等の収穫を行う場合は、天候の回復後、乾燥させた後、土汚れなどがないことを確認したうえで、用いるよう努めましょう。

徳島県農作物管理対策問い合わせ先一覧

問い合わせ先一覧
所属 管轄区域 住所 電話
徳島農業支援センター 徳島市、小松島市、勝浦郡、名西郡、名東郡 徳島市新蔵町1丁目67 088-626-8771
鳴門藍住農業支援センター 鳴門市、板野郡 板野郡藍住町東中富字朏傍示29 088-692-2515
阿南農業支援センター 阿南市、那賀郡 阿南市富岡町あ王谷46 0884-24-4182
美波農業支援センター 海部郡 海部郡美波町奥河内字弁財天17-1 0884-74-7491
吉野川農業支援センター 吉野川市、阿波市 吉野川市川島町宮島字南中須736-1 0883-26-3971
美馬農業支援センター 美馬市、美馬郡 美馬市脇町猪尻字建神社下南73 0883-53-2312
三好農業支援センター 三好市、三好郡 三好市池田町字マチ2415 0883-76-0691

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