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徳島県西部総合県民局ため池通信

農業用ため池の役割

農業用ため池とは

農業用ため池は、農業用水の確保を目的として、作られた人工の池で、古くから先人のたゆまぬ努力により、受け継がれ、本県の農業を支える貴重な水源となっています。

また、多様な生物を育み、さらに地域の方々に親しまれる憩いの場、雨水の洪水調整など多面的な機能を持つ農業用施設です。

農業用ため池は全国に約16万か所存在(R3.1月末時点)し、特に西日本に多く分布しています。

本県では、吉野川北岸地域や丘陵地に多く作られ、現在(R5年3月末時点)は543か所あり、西部総合県民局管内には52カ所あります。

西部総合県民局管内の各市町ごとのため池数(R5年3月末時点)

ため池が有する多面的機能

〇農業用水の供給・・・安定的な用水供給が可能
〇自然環境の保全・・・多くの生物の住処を提供
〇地域住民の憩いの場・・・豊かな景観がため池周辺の住民に安らぎを与える空間を提供
〇洪水の調節・・・降雨時に雨水を一時的にため池に貯留し、河川、水路の氾濫防止効果を担う

農業用ため池の現状

地域農業の貴重な水源として、大きな役割を果たしてきた農業用ため池ですが、江戸時代以前に築造されたものや築造時期が明らかでないものが多く、施設の老朽化が進んでいます。

近年、集中豪雨の頻度が増加傾向にあり、平成30年7月豪雨災害では、西日本を中心に農地やため池等の農業水利施設に甚大な被害が発生しました。

また、農業用ため池の所有者や利用者の世代交代が進み、施設の権利関係が不明確かつ複雑化していることや、離農や高齢化による管理組織の弱体化により、適正管理が行われていないため池も存在しています。

そのため、農業用ため池を適正に管理、保全することにより、農業用水の供給機能を確保しつつ、決壊による人的被害を防止する必要が生じてきています。

ため池ハザードマップについて

ため池ハザードマップは、緊急時の迅速な避難行動に繋げるよう防災訓練等に活用して地域住民の自主防災意識の向上を図ったり、ため池の防災対策や災害時の被害軽減に役立てるものです。

市町は、市町HPへの掲載、印刷物としての配布、ため池に看板を設置する等、様々な方法で、ため池ハザードマップを地域住民に周知しています。

また、作成したため池ハザードマップを用いて、徳島県西部総合県民局では市町と連携し、「土地改良区BCP」の機能検証のための図上訓練や現地訓練も行いました。

土地改良区BCP:土地改良区が管理する施設が万が一被災した場合に備え、関係機関への情報伝達や早期の施設復旧に繋がるよう対策を整理した業務継続計画。

ハザードマップ設置状況(花園池:三好市三野町)
ハザードマップを活用した訓練状況
現地訓練状況:サイホンを用いた緊急排水(天神池:美馬市脇町)
現地訓練状況:サイホンを用いた緊急排水(天神池:美馬市脇町)
西部総合県民局管内市町ため池ハザードマップ及び浸水想定区域図HP公表一覧表
西部総合県民局管内市町ため池ハザードマップ及び浸水想定区域図HP公表一覧は次のとおりです。
市町村 ハザードマップHPの公表 浸水想定区域図HPの公表 備考
美馬市
三好市
つるぎ町 町内にため池なし
東みよし町

ため池改修事例

ため池の堤体や取水施設、洪水吐等を改修し、防災機能の向上を図り、地震や大雨でため池が決壊するのを防ぎます。

【着手前】奥の池(美馬市脇町)
【着手前】奥の池(美馬市脇町)
【完了後】奥の池(美馬市脇町)
【完了後】奥の池(美馬市脇町)上空より撮影

ため池関連リンク集