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徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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記者の皆様には、お時間をいただき、ありがとうございます。
私の方から、文部科学省の「産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業」の採択結果について、ご報告させていただきます。
この度、文部科学省から本事業の採択結果が公表され、本県が後藤田知事と教育長の連名で申請していた徳島科学技術高校、徳島商業高校、脇町高校、海部高校の4校全てが高校教育改革をリードする「改革先導拠点」に採択決定されました。これまでの申請分と合わせ、国で採択が決定したのは75の先導校等であり、さらに全国でも申請上限の4校全てが採択されたのは本県を含めて3県であり、本県の高校教育改革に対する意欲と先進的な事業計画が高く評価されたものと考えています。
では、この事業について詳細をお伝えいたします。国においては、少子化や産業構造の変化が進む2040年を見据え、本年2月に「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)」が策定され、高度な産業人材の育成等を目指す「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」が示されました。本事業は、この構想の実現に向け、各都道府県に「高校教育改革促進基金」を設置し、3つの類型に応じて改革を先導する拠点を創設し、取組・成果を域内へ普及させることを目的としております。
3つの類型ですが、
・アドバンスト・エッセンシャルワーカー等の育成(専門高校の機能強化・高度化)
・理数系人材の育成(普通科改革を通じた特色化・魅力化)
・多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保
と、3つの類型となっております。事業実施期間は今年度から令和10年度までの3年間、申請額は各県とも総額62億円程度を上限に、最大4校まで申請可能となっています。
2040年の徳島県を展望すると、科学技術人材や現場人材の深刻な不足、若年女性の県外流出、さらには西部や南部圏域における高校生の減少といった、まさに構造的危機に直面することが予測されております。こうした待ったなしの課題を克服するためには、産官学、そして地域が緊密に連携し、未来を見据えた教育システムへ転換を図らなければなりません。県教育委員会と致しましては、今回の「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」を大きな契機として捉え、高校教育改革に全力で取り組んで参ります。
それでは、改革先導拠点として選ばれた4校の、具体的な計画内容について、少し詳しくご紹介させていただきます。まず、専門高校の機能強化や高度化を目指す第1類型として、2校が採択されております。
1校目は「徳島科学技術高校」です。徳島科学技術高校では、「デジタル×現場力融合型」人材、いわゆる「テック・エキスパート」の育成を目指します。本県は県内GDPに占める製造業の割合が全国平均を大きく上回る「ものづくり県」ですが、2040年にはAI・ロボット人材や現場人材の大幅な不足が予測されています。この課題に対し、ロボット・AI・バッテリーをハブとして、技術水準と課題解決能力の向上に取り組み、県内産業のイノベーションを牽引する人材を育てます。具体的には、外部専門家と協働して国際ロボットコンテストに挑戦するほか、AI・データサイエンス、蓄電池技術に関する教育カリキュラムを展開します。また、実践的な学習を通じて、生徒の現場力を高めるため、産学連携コンソーシアムを構築し、企業・大学との連携体制を整えるとともに、先端設備を備えた実習施設として、「イノベーションラボ」を整備します。さらに、そこで、ものづくりマイスター講座や小中学生向けのジュニア・アカデミーなどを開催し、工業高校への志願層拡大にも取り組むこととしております。
2校目は「徳島商業高校」です。徳島商業高校では、ビジネスの視点から新たな価値創造と生産性向上に資する「アドバンスト・ビジネス・エッセンシャルワーカー』の育成を目指します。定型的な事務処理にとどまらず、データを読み解き、顧客や市場を理解し、地域資源の価値化、企業の経営改善や新たな事業創出に関わる人材の育成に向け、商業教育をアップデートします。具体的には、新たに「ビジネス探究プログラム」を開設し、地域やスポーツ、グローバル、アートなど7つの分野を実践フィールドに、それぞれの分野を掛け合わせ、地域資源の高付加価値化、観光やスポーツを通じた交流人口の拡大、県産品の海外展開など新たなビジネス創出に加え、金融・会計を活用した経営改善といった視点から、実社会で活用できる能力を身に付けます。また、企業・大学等の外部人材を活用した、持続可能な教育体制を支えるコンソーシアムの構築や、社会に開かれた学びを展開する商業教育の拠点整備に取り組むこととしております。
続きまして、普通科改革および理数系人材の育成を目指す第2類型として、「脇町高校」が採択されました。脇町高校では大卒理系人材の不足や、特に女子の理工系選択率の低さ、若年女性の県外流出といった課題に立ち向かい、地域課題をテクノロジーで解決する科学技術人材、「INTEGRATOR(インテグレーター)」の育成に取り組みます。具体的には、新たに地域資源を教材とした理数探究の学校設定科目を開設し、自ら問いを立ててデータを分析し、その結果を実際の社会での課題解決へとつなげていく、実践的な学びを展開します。また、学校全体をまるで最先端の実験施設のように変える「Active-Lab Campus(アクティブラボ・キャンパス)」構想を進め、理数的素養の習得や、理数系への興味・関心を育む拠点として、また、近隣の小中学校や大学・企業をつなぐハブの機能を持たせます。さらに、徳島大学等と連携して女性研究者や理工系女子学生チームと交流する機会を設け、理数系分野への心理的ハードルを和らげるとともに、多様なロールモデルを提示することで、女子を含めた理数系人材の裾野拡大を図って参ります。
続きまして、地理的アクセスや多様な学びの確保を目指す第3類型として、「海部高校」が採択されました。海部高校は急激な社会変化と急速な人口減少が進む2040年の未来を見据え、「自ら越境し、自ら選択・決定できる」人材を育てる、「未来探究ハイスクール』への進化を目指します。同校では、「ハイブリッド探究モデル」として、海部の豊かな資源を活かした課題解決型学習(探究PBL)による「地域に根差した学び」と、ハイレベルな遠隔授業などにより生徒の選択肢を最大化する「場所にとらわれない学び」を展開します。また、地域住民と交わる探究スペースや配信センターを備えた施設や、時間や空間に制約されない宿泊施設「探究ドミトリー」など、協働的に学び合う拠点の整備に取り組みます。さらに、県内の他校や国内外の大学、地元企業と協働する探究活動などを通じて多様な他者や地域と深く関わり、将来的な地元還流にもつながる人材育成を目指して参ります。
なお、これらの改革先導拠点では、改革を実現するために必要不可欠な他の学校を「協力校」として設定しており、大学・企業との連携により作成した教材等の共有や、ハイレベルな遠隔授業や探究学習の指導をオンライン等で配信するなど連携した取組を進めます。また、それ以外の県内公立高校においても、指導ノウハウや生成AI、データ活用に関する教員研修や教育活動の横展開、施設・機器類の共同利用など、取組や成果を普及させるとともに、高校生が小中学生の学びのメンターとなる取組や、専門高校・理数系への興味・関心を高める出前授業などを通じて、小中学校との接続も強化し、本県の教育全体へ波及させて参りたいと考えております。
今回の採択は、将来の徳島を担う子どもたちが自らの手で未来を切り拓くための大きな一歩となります。本事業を力強く推進することで、予測困難な時代にあっても子どもたちが夢を持ち、自らの可能性や能力を最大限伸ばすことができる教育環境の実現に向けて、教育・行政はもとより、大学、企業、地域社会が一体となった「オール徳島」で取り組んで参ります。
私からの報告は、以上でございます
(徳島新聞)
申請段階では、県内で何校上がっていて、どういった方向でこの4校に絞ったか、教えていただけますか?
(教育創生課長)
国の申請手続によるものではないのですけれども、本県としては、県内の各高校にこの事業内容、N-E.X.T(ネクスト)ハイスクール構想の内容を説明させていただいて、この事業に手を挙げる意向、提案内容を受付させていただきました。10校上がってきていたんですけれども、その10校へヒアリング等をさせていただいて、今回の事業趣旨に沿う内容であるかといった点を踏まえて、県教育委員会として検討させていただきました。加えてですね、公立高等学校の在り方検討会議でありますとか、総合教育会議での議論を踏まえながら、また産業界、企業、大学といった方々からもご意見をいただきながら、最終的には県教育委員会としてこれまでの取り組みであったり、各学校のスクールポリシーであったり、この事業の趣旨であったりを考慮して、県内の高校に十分波及できるかどうかといった点を踏まえて選定をさせていただきました。
(徳島新聞)
今後の取り組みの進め方について、各学校はある程度方向性というものは決まってますか。例えば今年度中には何に取り掛かるとか。
(教育創生課長)
もちろん令和8年度から令和10年度までの事業実施期間となっておりますので、今回採択されたことの決定を受けて、今年度から事業に着手していくという計画でございます。
(徳島新聞)
取り組みを波及させるための協力校は県内で何校ありますか。
(教育創生課長)
今回の4校ともですね、協力校というものを設定しております。例えば科学技術高校でありましたら、県内の工業科、工業高校ということで阿南光高校、つるぎ高校と徳島市内の小中学校です。徳島商業高校については、県内に商業科のある高校ということで、小松島西高校、富岡東高校、海部高校、吉野川高校、つるぎ高校の5校。それから第2類型の脇町高校については、池田高校、つるぎ高校、城南高校、富岡東高校、富岡西高校、海部高校、美馬市内の中学校。第3類型の海部高校につきましては、城西高校神山校、那賀高校、穴吹高校、脇町高校、池田高校、海部郡内の小中学校というところで協力校を設定しております。
(徳島新聞)
ありがとうございます。
(徳島新聞)
今議論されている高校の在り方に関連すると思うのですけれども、今回の事業の取り組みと高校の在り方の議論とを、検討会の最中ですけれども、どういう風に結びつけていくのか具体的に考えはありますか。
(教育創生課長)
公立高校の在り方検討会議については、学区撤廃後を見据えた議論をまさに今やっているわけですけれども、1つのこの時間軸としては2040年、15年後の徳島の高校教育のあるべき姿について議論をしているところでありまして、今回のこのN-.E.X.T(ネクスト)ハイスクール構想というのも実は国の方で高校教育改革の基本方針というのを定めて、こちらも2040年を見据えた改革をしていくということで、その辺りの時間軸であるとか、少子化とか産業構造の変化とか社会情勢の変化など、同じような背景のもと、議論をしているというところであります。公立高校の在り方検討会議は今年度も議論を進めていくところですけれども、向いている方向というのは特色化・魅力化であったりそういうところになりますので、今回のN-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想の事業を活用しながら、本県の高校教育改革の良い契機になるのではないかと思います。