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令和7年1月8日 教育長年頭記者会見

教育長コメント

記者の皆様、あけましておめでとうございます。
昨年は、本県の教育行政に御協力いただきまして、本当にありがとうございました。
また、本年においても、引き続き、子供たちの活動の様子をはじめ、本県教育行政に関する様々な情報を広く県内外へ発信いただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、年頭記者会見の開催にあたり、昨年、私が教育長に就任して以降の主な県教育委員会の取組について、振り返りをさせていただきます。

まず、県立高校の1人1台端末の復元でございます。
令和5年夏ごろからの故障多発によるタブレット端末不足で、生徒の皆さんや多くの方々に御迷惑、御心配をおかけしたところですが、昨年2学期を迎える前に1人1台端末環境の復元をすることができました。
新学期からは、生徒それぞれが「オンラインコンテンツの利活用」や、「Web会議による遠隔地と交流」など、サービスを活用できる環境になっております。
今後は、多様な子供たちを誰1人取り残すことのない、児童生徒の主体的な学びを支える情報活用能力の向上を目指して参ります。

次に、いじめ対策についてでございます。
いじめ問題が重大な社会問題となっていることから、徳島県では、社会全体で子供たちを見守り、いじめのない社会を作っていこうという機運を高めていくため、昨年、11月20日、知事、議長、警察本部長とともに合同発表会見を開催し、4者による共同宣言「『いじめ』ゆるさんけん!~徳島行動宣言~」を行いました。
また、12月17日には、県内公立学校すべての児童生徒が同じ日に、いじめ問題について考え、県全体でいじめ防止に取組もうとする意識を高めるとともに、児童生徒が主体的にいじめ防止に取組む態度と実践力を養うことを目的に、「徳島県児童生徒6万5千人のいじめ防止一斉学習2024」を実施したところです。
今後とも、いじめを生まない環境づくりを加速させ、児童生徒が安心して学べる学校づくりを推進して参ります。

次に通学区域制の見直しについてです。
昨年6月に立ち上げた有識者会議については、これまで計5回会議を開催し、将来的に学区制を撤廃するということを前提に議論が進められているところであります。
去る12月27日の第5回会議では、学区制の見直しについて、流入率の段階的な引き上げや撤廃時期など具体的な御意見を頂戴するとともに、公立高校の在り方の方向性についても様々な御意見をいただいたところです。

続きまして、県教育委員会の本年の取組について、御説明いたします。
まず、教育DXに関する内容といたしまして、本県では、デジタル技術を活用した学びと指導の充実・進化を図るため、教育の在り方そのものを改革していく「教育DX」を積極的に推進しております。
本年の取組といたしましては、ネットワークアセスメントや機器の更新によるネットワーク環境の改善を進めるとともに、クラウドサービスを活用した、より効果的な教育コンテンツの充実を図るなど、デジタル環境の整備を進めて参ります。
さらに小学校から高校までの12年間の教育に関するデータを連携可能とする県域アカウントを導入することで、個々の学習記録ポートフォリオや試験結果などを蓄積・活用し、一人一人の学習進度や個性に合わせた最適な学習を提供できるようにして参ります。

次に、通学区域制の見直し及び高校の魅力化の本年の取組についてです。
第6回有識者会議を1月下旬に開催し、第5回会議までの議論に基づき、提言案としてまとめていただく方向で進めて参る予定です。
引き続き、今年度中の有識者会議の提言取りまとめに向け、幅広い観点から議論が行われるよう取り組んで参ります。
また、来年度には、そうした議論等を踏まえた上で、高等学校の特色化・魅力化をより一層推進するため、高校の在り方について、本格的な検討に着手し、地域の期待に応え、生徒に選ばれる魅力ある学校づくりに向けた取組を加速したいと考えております。

次に、徳島県「ラーケーションの日」の実施についてです。
昨日の知事の年頭記者会見でも発表がありましたとおり、平日に学校を休んで、親子で学びや体験の活動をする「ラーケーションの日」を本年4月より県立学校において導入いたします。
「ラーケーションの日」は、学校の外ならではの豊かな経験や学びを得る機会になることはもとより、子供たちの主体的な探究の促進、また、その取組によって得られた気づきを自らの学びにして、それらを学校の授業においても活かすことができるなど、学びの相乗効果も期待できるところです。
あわせて、平日での校外学習が可能になることから、特に保護者の方が土日勤務で、平日でないと休みが取れない御家庭などには、家族での時間の確保に繋がり、子供とともに共通の体験活動ができるのではないかと考えております。
児童生徒の皆様、保護者の皆様には、「ラーケーションの日」を有効に活用いただけるよう、制度の円滑な施行に向け、学校現場と連携を図りながらしっかりと取組んで参ります。

次に、県内高等学校等の探究活動のさらなる推進についてです。
県教育委員会では、自ら課題を設定して、解決策を探る探究活動を推進しており、この度、探究活動の成果発表の場として、「とくしま生徒まんなか探究活動推進事業」成果発表会と、「2024 高校生×Chance・Challenge・Changeプログラム」の「C3(キューブドシー)プロポーザル」を同日同会場にて開催し、「探究DAY」として公開いたします。
開催日は、令和7年2月9日の日曜日で、会場は徳島グランヴィリオホテルでございます。
「とくしま生徒まんなか探究活動推進事業」成果発表会では、第12回高校生ビジネスプラングランプリで、全国5,151組の応募の中から、ファイナリスト10組に選出された小松島西高校の取組をはじめ、19の取組発表をポスターセッション方式で行います。
どの取組も、地域や学校の課題に対して、高校生の目線で解決策を探る、非常に興味深い内容となっております。
また、「C3プロポーザル」では、学校の枠を超えて、1年をかけて実施する学習活動の集大成として、知事や教育長へのプレゼンテーションによる提言を行ってもらいます。
この「探究DAY」の開催をはじめ、今後、探究活動のさらなる充実を図り、生徒自身が自ら考え、行動する力を育んでいけるよう支援して参ります。
記者の皆様におかれましても、ぜひ「探究DAY」にお越しいただき、徳島県の未来を担う高校生の若い感性溢れる取組を取材いただければと思います。

最後に、「ミライケ」の落成式についてでございます。
徳島県と三好市が連携して整備して参りました、徳島県立三好池田寮及び三好市地域みらい創発センター、通称「ミライケ」が完成し、1月17日の金曜日の午後1時30分より、1階三好市地域みらい創発センターにて記念式典を執り行います。
式典後は1階施設と、2・3階の総合寄宿舎内の施設案内がございますので、記者の皆様も取材にお越しいただき、多様な交流活動や共同活動を創出する施設を御覧いただければと思っております。
私からの発表は以上です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 

質疑応答

(徳島新聞)
それでは、幹事社の徳島新聞から質問をさせていただきます。
まずは、教育長のお話の内容から、学区制に関連して、来年度、県内高校の在り方について、本格的な議論をされるとおっしゃったんですけど、これは学区制の在り方のように、有識者会議か何かを作られるおつもりでしょうか。

(教育長)
はい。
別の有識者会議になりますね。
魅力化についてのあり方検討会を新たに計画することになっております。

(徳島新聞)
いつぐらいに。

(教育長)
それは、まだはっきり何とも言えないです。
まだ構想の段階ですので。

(徳島新聞)
新年度に。

(教育長)
新年度に新たに何か。

(徳島新聞)
別の有識者会議を立ち上げる予定である。

(教育長)
はい。

(徳島新聞)
ラーケーションについて、昨日、知事の年頭会見で、話が最初に出されたわけですが、教育委員会としては、いつ頃、どんなきっかけで、導入を検討して話合いがはじまったんでしょうか。

(教育長)
先行事例としては、令和5年9月に愛知県が多分最初だったと思いますが、そこから少しずつ、市町村レベルでは導入するところが多かったんですけど、その話を聞いておりましたので、徳島県でも、非常にこの取組は効果があると判断いたしましたので、今年度中に計画を立てて、来年度から、実施できたらいいかなということで検討して参りました。

(徳島新聞)
今年度4月から。

(教育長)
もうちょっと後です。
夏前だったと思います。

(徳島新聞)
令和5年度に愛知県で導入された時から、「この制度はいいな」ということで、徳島県でも導入しようと考えて来られて。

(教育長)
令和7年度頭から実施したいので、それに向けて準備を重ねてきたということです。

(徳島新聞)
昨日、知事さんがおっしゃったと。
順番としては、教育長さんがおっしゃるのが先なのかなと思ったんですけど。

(教育長)
会見の日が違うだけで、知事さんにお願いして言っていただいたということもあります。

(四国放送)
四国放送です。
先ほどの学区制の話で、高校の在り方・魅力化検討会とあったと思うんですけど、学校の再編とかもあわせて、そういう議論を進められて行くんですか。

(教育長)
学校の再編は、非常に重たいお話でございまして、それを今からという話にはならないんですけども、前回、大きく再編した年度があったと思うんですけども、かなり検討の時間をかけて行った関係もありますので、再編云々というよりは、まずは今の高校の魅力化というところをポイントでやっていこうと考えています。

(四国放送)
例えば、教職免許を取りやすいクラスとなると鳴門高校とか、そういうイメージでしょうか。

(教育長)
そういういわゆる学科というか、コースというか柔軟にしていきたいと考えております。

(四国放送)
ラーケーションに関して、もう一度、狙いといいますか、どういうふうに活用してほしいみたいな、期待するところがあれば。

(教育長)
1つは、探究という言葉が先ほども出てきたと思います。
今までの学校の中での学習は、教科書を中心として、学習を進めていくという、ある程度決められたカリキュラムの中でやっている。
そうじゃなくて、子供たちが、「これもうちょっと深めて勉強したいな」とか、「あそこに行って何か調べてみたいな」という自分たちが考える、いわゆる探究の心ですよね。
学びに向かう力といいますか、「こうやっていきたい」、「もっと調べたいな」っていうところに応えるために、こういう日があったらいいだろうなというのが1つですね。
もう1つは、昨日知事もおっしゃいましたけど、やはり土日はずっと仕事で休めないという方もたくさんいらっしゃいまして、「平日に休めるけど、なかなか平日に子供を休ませてまで、どこかに行くのはちょっと後ろめたい」というお話も聞いておりましたので、それだったら、いわゆる公休日というか、欠席にはならないので、休んでいい日を設けようという、大きな2つの目的になります。

(四国放送)
割と気軽に出かけてもいいみたいな話になるんですか。
学習に基づいたことをやって欲しいみたいな。

(教育長)
一応、計画書というか、「こんなことをします。」とか、それは学校によりますが、ただ単に、ふらっと遊びに行こうかというのではなくて、やはり学びにつなげるというのは、本来の目的ではございます。
ただ、学びって、ただ遊んでいるように見えても、それが学びだったりするので、非常に定義が難しいんですけれども、そういう形になろうかと思います。

(朝日新聞)
朝日新聞です。
今のラーケーションの話ですが、昨日の後藤田知事の会見では、後藤田知事が愛知県の大村知事と話をして、これいいなと思って、徳島でもというふうにおっしゃってたんですが、特に知事からの発案で、検討をはじめたということではなく、県教委でもすでに検討していたということ。

(教育長)
大体同時期っていう言い方になると思うんですよ。
大村知事さんと話をしたときに話題も出ましたし、その話を私もテレビとか知事からもお話を聞いていて、ラーケーションについて調べてみると、まだまだ少ないですけども、やっているところがあると。
それで、本格的にやってみようということなので、同時期になりますね。

(朝日新聞)
知事からの働きかけということではなくて。

(教育長)
はい。

(朝日新聞)
昨日、知事は、まず県立学校で始めると。
それで、市町村の小中学校でも、あとに続いてくれればみたいなことをおっしゃっていたんですが、県教育委員会として今の段階で、何か市町村教育委員会に働きかけたり、こういうことやりますよっていう案内とかはされてるんですか。

(教育長)
市町村教育長会というのがありますので、その時にこういうことを県がやりますといことを説明をして、趣旨を理解していただいて、市町村でも導入していただけるように検討してくださいというお話をさせていただきました。

(朝日新聞)
今のところ、かなり前向きに検討しているところの情報は入っていますか。

(教育長)
いくつかのところから、やりたいなっていうお話は聞いております。

(朝日新聞)
もう1点、さっき計画書という言葉が出ていましたけれども、例えばこういうことやりますと届出をした児童・生徒は、終わった後に報告書みたいなものを出したりということはありますか。

(教育長)
昨日の知事の会見でも触れられていましたけど、基本的に学校判断になるんですよね。
普通に考えたら、びっしりレポートを書かなければいけないとなったら、それはなかなかなので、そういうことじゃないと思います。
「どこに行きました」とか「何やりました」とか、そこにちょっと感想があるとか、それは学校によって、違いますので。

(朝日新聞)
その辺は学校にお任せ。

(教育長)
そうですね。
学校に向けての手引きというか、手順書というのは、学校の方に配布をすることになっています。
そうしないと、例えば、「定期テストの時に取ります」と言われると困るわけですので、学校によったら、「この日は取れません」というような日を各学校ごとに設けるという形になると思います。