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令和6年3月29日 教育長記者会見(榊教育長退任記者会見)

発表事項

(教育長)
まず年度末のお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
先ほど、退職辞令も頂きました。
退任に当たりまして一言御挨拶をさせていただきたいと思います。
改めて、このたび、教育長の職を辞することにいたしましたので、報道機関の皆様方にも御挨拶を申し上げます。
私が教育長を拝命いたしました、令和2年4月からの4年間を少し振り返らせていただきたいと思います。
まず、新型コロナウイルス感染症の話をさせていただきます。
私が就任いたしました令和2年4月は、全国一斉臨時休業の真っただ中でありまして、学校は業務を停止しており、子供たちがいない状態です。
そういう状態で、学びの継続をどうやってやっていくのかというのが最も大きな課題でございました。
その後も緊急事態宣言等が繰り返しで起こりまして、子供たちの学びをどう継続していくのか、失われた時間の学びをどう取り返していくのか手探りで考えている日々であったと思っています。
細かいところは、あまり記憶にないところがありますが、夜の11時、12時まで議論をしながら、次の一手を考えていく日々が続いていた思い出があります。
そのような中ですが、令和3年4月には、全国初の県立夜間中学校しらさぎ中学校を開校いたしまして、義務教育を終えていなかった方、それから外国籍の方など、様々な教育的なニーズがある方が学べる学校を開校することができました。
本当に、いろいろな学びを必要とされる方にとって、いい学校ができたと感慨深いものがあったと記憶しております。
また、令和4年の夏ですが、全国高校総体が徳島県でありまして、「躍動の青い力四国総体2022」が開かれまして、新型コロナウイルスの影響下ではありましたが、有観客で実施することができました。
51年ぶりの総合開会式が、徳島県で開かれるということで、子供さんたち中心に準備を進めていただいて、いい開会式ができたと思っています。
コロナ禍でも、本当に頑張ってきた子供たちが、表舞台で活躍できることは、本当に嬉しい話題のひとつでございます。
私自身は特別支援教育をずっとやってきましたので、ポジティブ行動支援を徳島県が県を挙げてやっていることは、全国でも多分、うちだけしかやっていませんが、いじめ・不登校の子供たちだけでなく、すべての子供に質の高い学びを保障する基礎的なものを作ることが、進めて来れたのではないかと思っています。
加えて今年度については、知事の強いリーダーシップのもとでスタートした校則の見直しで、生徒の皆さんが、自分たちの周りの環境を自分たちの力で変えていくことができる体験をできたことが、まさに主権者教育としての一歩を体験できたのかなと思っています。
一方、1人1台端末については、昨年夏から故障が多発いたしまして、生徒の皆さん、保護者、それから教員の皆様方に御迷惑をおかけしたところですが、CAI教室を急いで使えるように最優先で整備をして、必修科目の情報1については、できるように努力をしてきました。
できるだけ早く1人1台端末の状態に戻せるように努力をしてきましたが、道半ばということで、あとは、次年度に対応をお任せせざるを得ない状況でございます。
そして、今年度、大きな教育政策の基本である「徳島教育大綱」が策定され、その行動計画であります「徳島県教育振興計画(第4期)」が、無事に策定することができました。
私は4年前に、これを成し遂げて、次の世代に引き継ぐことができるようにっていうのが1つの目標でしたので、それができたということで、少しホッとしているところです。
この教育大綱それから教育振興計画のもと「個性と国際性に富み、夢と志あふれる人財の育成」を目指すことによって、徳島県の教育がさらなる発展を遂げていくことを切に願っているところです。
他にも、思い起こすことはあると思いますが、概要だけを述べさせていただきました。
最後になりましたが、この4年間コロナ禍で、本当に子供たちは厳しい状況だったと思います。
活動も制限されて、難しい状況の中、報道の皆様方には子供たちの頑張り、活躍を多く報道していただきました。
子供たち、学校は、新聞に出たり、テレビに出たりすることは、非日常の世界です。
そのことが報道されることによって、保護者の方も喜んでいただく、子供たちも自信になる。
テレビに出るのが1つの目的ではないですが、そのことによって、子供たちがますます頑張ろうかなと思えるきっかけになったのは間違いないと思っています。
新聞を見てもテレビを見ても、子供たちが出ていない日がないぐらい、報道していただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
令和6年度以降も、是非、子供たちの小さな頑張りを見つけていただいて、報道をしていただいたら、子供たちの励みになる、学校もそれに向かって頑張れる、といういい循環ができると思いますので、今後も配慮いただけたらと思っています。
4年間どうもありがとうございました。
お世話になりました。
 

質疑応答

(共同通信)
幹事社の共同通信です。
今回、任期満了前に退任されるのは、榊教育長御自身の御意向だとすると、決断された際に、タブレット問題っていうのは、どの程度影響していたのか。

(教育長)
先ほどお話もしましたが、着任したときから4年が大きな1つの区切りだと私は考えていました。
徳島県の教育振興計画が、(就任後)4年で終わる。
徳島県の教育大綱は、毎年4年で切り替わっていくような立て付けになっています。
教育振興計画は、これまで5年ごとに切り変わっていきますが、そのタイミングが合うのがちょうど今年度になります。
教育振興計画は、今まで5年間やってきましたが、徳島教育大綱と合わせて、4年ごとに進めていけるように立て付けを変えましたので、教育振興計画を作って、引き継いでいけるようなものが1つ大きな仕事だと考えておりましたので、タブレット問題があってもなかっても、私の中では、今年度で退任をさせていただく予定にしておりました。
タブレットについては、迷惑をかけたと思いますが、直接は関係ありません。

(共同通信)
今年度からタブレット問題が出てきた中で、1人1台の状態に戻す、ある程度道筋がついてから対応するという考え方もあると思いますが、どのように考えていらっしゃいますか。

(教育長)
本来はそういうことができるように、故障した端末より上回る整備ができるように、計画を作ってきましたが、今年に入りまして、バッテリーが劣化して使えなくなってきたというものが改めて出てきたので、不足の台数がどんどん増えていきまして、最初に考えていた整備に追いつかないというイレギュラーなところが出てきたので、その頃には、退任する決意はしていましたので、難しかったかなと思っています。

(徳島新聞)
徳島新聞です。
タブレットから外れますが、4年間されていて、やり残したことがあったらお伺いしたいのと、御自身の中で一番これを頑張ったなということ、あと、知事が就任以来、教育委員会の体質批判をよくされていましたが、これを受けて、長い間学校の先生をされていて、思うことがあれば。

(教育長)
頑張ったことは、先ほど申し上げた項目の中にいくつか出てきますが、教育委員会は、子供たちや学校の先生方の後押しをする仕事をする組織だと思っています。
教育委員会が前に出て、どうのこうのするというよりは、子供たちが前に出て行けるような施策展開、先生方の後押しをできるような施策を打つのが本来の仕事だと思っていますので、先ほど報道のお話もさせていただきましたが、子供たちがこの4年間、コロナ禍であったにもかかわらず、地域貢献をはじめ、地元をよくしていこう、頑張っていこう、自分たちの学校を変えていこうという活動が、目に見えて増えてきたことが一番うれしかったと思っています。
一番残念だったのは、正直言いますと、この4年間で教員の不祥事が止まらなかったということが、本当に残念だったと思っています。
施策がうまくいかなかったりすることはあると思いますが、教員の不祥事はそれぞれの先生方が、自分事として考えて、自分の心をしっかり持って働いていただくことで、ゼロにすることが可能だと思っています。
それができなかったのは、何なのかっていうことを若手の先生方にも集まっていただいていろいろな検証をしましたが、結局不祥事を止めることができなかったことは、本当に残念なことだったと思います。
それから教育委員会に関して、知事がいろいろな発言をされたということですが、前の飯泉知事も今の後藤田知事も子供に対しては、本当に成長を願って、強い思いを持たれている方だと思っています。
そのアピールの仕方が、少し知事によって違いますが、子供たちを大事にしてくれる思いは同じだと思いますので、教育委員会としては、いつも言われたことについては、真摯に受け止めて、「できることはできる」、「できないことはできない」という姿勢でいたつもりでございます。
校則につきましては、昨年度になりますが、生徒指導提要が変わりまして、そのときから子供たちの見方、今までは問題行動が起こることを防ぐために、生徒指導するという考え方でしたが、そうではなくて、すべての子供の発達を促すような生徒指導に変えると生徒指導提要に出ています。
そこを先生方、学校にしっかり理解してもらう取組をことあるごとにやってきましたが、それを加速してくれたのが後藤田知事だったのではないかと思っています。
私も校則については、いわゆる学校のマイナールールですので、このマイナールールをそれほどぎちぎちと子供たちが委縮するようなルールは、学校で作るものですので、そういうことはあってはならない。
子供たちが考えて、自分たちで作っていくというシステムを提供すれば、子供たちは考える力が十分ありますので、進めていけたらいいのではないかと思って、学校にも話を聞きに行ったりもしましたが、真面目に考えてくれている子供たちが増えてきて、少しずつ前に進んでいると感じています。

(四国放送)
四国放送です。
榊教育長いろいろな取材をすると、様々な教員の関係者や教育の関係者から評価が高い。
私も重々承知しながら取材していましたが、1つやはり残念なのは、どうしてもタブレット導入のときの責任者であるっていう部分がどうしてもありまして、非常に厳しい質問もさせていただきました。
最後にあえて厳しい質問ですが、タブレット導入の責任者として、今の9,000台を超える故障が出ている部分については、どのように責任を感じてらっしゃるか教えてください。

(教育長)
子供たちの学びについて、これは環境整備の話ですので、大人がしっかりと考えなければいけないと思っています。
教育委員会で整備したものについて、本当にきちんと整備ができたのかっていうことで、副知事トップの検証委員会を開いていただいて、自己反省するところも多々あったと思っています。
それから監査も改めてしていただいて、教育委員会が考えて、自己反省しなければならなかったこと、こういうものに気を付けるようにと言われています。
県議会の方からは、そもそもこのタブレットは大丈夫だったのかというお話も頂いておりますので、このタブレットを導入に至った周りの大人たちが、知恵を絞って、今後もこういうことが起こらないようにするにはどうしたらいいか考えていかなければならない。
教育委員会は教育委員会で、自己反省もして、ネクストGIGAのタブレット端末を導入するときに、今まで話したことをしっかり生かせるようにしなければいけない。
一方、メーカーさんや端末の導入に当たった関係者も、教育用のタブレットであり、子供たちが使うものということをもう一度重く受けとめて欲しいと思っています。
答えにならないかもしれませんが、大人たちがそれぞれ考えて、次のステップをクリアしていくことが必要と考えています。

(四国放送)
当時の最高責任者としての責任は感じられているっていうのは。

(教育長)
手続上の瑕疵等については、検査も監査もありまして、問題ないがここを反省しなさいと言われたところは、真摯に受けとめて、次につなげていかなければならないと思っています。
ただ、私も3月で退任しますので、そういうことをしっかり引き継いでいかなければならないなと思います。

(読売新聞)
読売新聞です。
自己反省しないといけないと言われたところがあったということですが、具体的には次の教育長にどんなふうに引き継いでいったらいいと。

(教育長)
監査で指摘された指摘事項がありますので、その部分を事務局内部でしっかり共有するということになろうかと思います。
次の中川教育長は、ICTの分野にすごく長けていますので、そこら辺、重々わかっておると言っていただけると思いますが、事務局内でしっかり共有をしていくことだと思います。

(読売新聞)
例えば、こんなことを次の教育長にタブレット問題に関して伝えたい。
いろいろな指摘事項があると思いますが、とりわけここは伝えていきたいということはありますか。

(教育長)
教育DX加速化委員会の委員でもありましたので、中身については重々、御理解いただいていると認識をしています。
具体的に「ああしなさい、こうしなさい」っていう話ではなくて、今まで事務局でやってきたことを踏まえて、様々な御意見を頂いておりますので、そこは、大事にしてほしいという伝え方になろうかと思います。

(読売新聞)
監査等の意見で、改善事項を伝えられたいということですが、御自身の考えとしては、どういうところを反省したいとお考えですか。

(教育長)
一番の問題は、保証をつけておけば問題がなかったのではないかということですが、保証期間については、お金の話ですので、お金を十分取りに行けなかったことが難しかったと思います。

(四国放送)
最後に教育長を責めたいと思っていなかったので、控えめに言っていますが、ただ、どうしても教育長は最高責任者で、実際に9000台っていうタブレットが壊れて、それは税金で買われたものであって、それが壊れたという事態に関しては、それで辞任するわけではないことは分かっていますが、教育長自身の言葉としては、不十分ではないかと感じるのですが。

(教育長)
どういうところですか。

(四国放送)
責任はあると思います。
誰かが責任を取らないと。
教育委員会全体で責任を取るということですか。
9,000台も壊れて、公金を使ったことに対して、責任は誰が一体取るのですか。
責任があると感じる人は、一体誰なのでしょうか。
それは、どうしても立場的に言ったら、やはり組織のトップは常に責任を負うので、「責任を感じている」というのが適切な言葉と思います。
今のお話では、「監査ではこうだから、そういうところもあるのかな」ということで、一般の方が聞いて、「ん?」っていう部分があるのはすごくもったいないなと。

(教育長)
子供たちの学びについて、十分なことができなかった責任はあるのではないかというと、まさしくそれはそうだと思います。
子供たちに必要な、タブレットを使ってできることは、いっぱいあったと思います。
そこが十分できなかった責任はあるのではないかというと、そうだと思いますが、タブレットを導入するに当たって、「教育委員会として反省すべき点はここです」と指摘をされておるので、そこについては、しっかりやっていくというお話をしたつもりですが、何の責任のこと言われているか、私には分からないです。

(四国放送)
分からなければ仕方ないですけれど。

(朝日新聞)
保証をつけておけば問題がなかったってことですか。

(教育長)
保証をつけておけば、1年間の保証しかなかったので、それが2,3年間やって、タブレットが壊れても、新しいものが入ってくるのであれば、子供たちの学びは、ある程度継続ができた。

(朝日新聞)
保証をつけておけば、壊れてもすぐに代替が来る。
そういう認識ですね。
お金の問題というのは、つけるにはお金がかかるからそこまでやらなかったということですか。

(教育長)
予算がつかなかったっていうのは、最終的に難しかったと思いますが、私どもが予算を決定するわけではないので。

(朝日新聞)
先ほどから出ている話に付け加えさせていただいて、恐縮ですが、全国的に起こっている問題ではないので、徳島だけ起こっていて、外から見て、何でこんな馬鹿なことが起こったのだろうって徳島県は見られている。
それに対してどう思うかではなくて、何で起こったのですか。
そこが分からないのです。
あそこを選んだからいけなかったのか、それとも、十分な吟味をしなかったのがいけなかったのか、それともたまたま運が悪かったのか。
何でだと思いますか。
何でこんなことが起こったのですか。
改善点はいろいろあって、それはあくまで検証なので。
どこがいけなかったんですか。
感想として。

(教育長)
タブレット自体に問題があったのかは、検証してみないと分からないので、タブレット本体については何とも申し上げることはできませんが、機械ですので、導入をして、バックアップができる体制が不十分だったということは、監査からも指摘されておりますので、そういうことなのだろうなと思いますが、何が原因だったのかと言われても、ひとつこれが最大の原因というのは、分からないです。
申し上げることは難しい。
タブレットなのか、バックアップの予算がついていなかったのか、四国放送さんからも御指摘がありました、城ノ内中等教育学校のときにもう少し気をつけておけばよかったのか、そういう複合的な理由と思います。

(朝日新聞)
導入を急ぎ過ぎたとか、「振り返ってみてあのときだったな」っていうのはどのときですか。
教育長から見てですよ。

(教育長)
導入を急ぎすぎたというか、先ほど説明しましたが、コロナの時代に学びの継続をどうするべきかというときに、Webでの授業やWebでの通信、1人1台端末を使った学習は、あそこでやるべきだったと今でも思っています。
そのためには必要な端末を最低限整備しなければいけない。
保護者の方に、急に「こういう状況なので、端末を用意してください」というのは、もう無理だろうと。
公費で学びを継続するための最低保障するしかないという考え方自体は、私は、判断を間違っていなかったと今でも思っています。
その端末が、こういった状況になったのは、自分でも「なぜこういうことになったんだろうな」と未だに思うこともありますが、当時、端末を入れて、子供たちに何かあったときでも学びを継続できる保障をつけてあげることが、徳島県の高校生に、小中はありましたが、高校生はなかったので、いち早く準備をすることで、子供たちに学びを届けたいという思いは、間違いではなかったと思っています。

(朝日新聞)
コロナがあって、学校に来られないとかで1人1台端末を頑張って入れなければいけない。
そのとおりですが、全国で全部同じなんですよ。
つまり、なぜここだけがこうなったかは、何となくまだ解けていない感じがしてしまうだけなんですよ。
感想でいいんですけど、

(教育長)
繰り返しになりますが、当時の状況にとっては必要でしたが、あの当時、事務局の各担当がコロナ対応しながら、1万6500台の端末を購入する。
それも、法令にのっとってやるということで、本当に苦労していただいて、事務局の人間としては、最善を尽くしたと私は考えています。

(毎日新聞)
毎日新聞です。
導入についての指摘事項があった。監査事務局の方から。
それは分かりますが、導入の経緯は、監査委員や議会にお任せするとして、これまでタブレットの話について、教育長は後手後手に回ったという御説明をされたと思いますが、最初に去年の7月の終わりぐらいに、複数の学校からバッテリーの膨張、異常があるという報告は、多分、こちらではなくて、GIGAスクール推進課に多分故障や破損が来ると思いますが、それで、そのときに夏休みを挟んだので、全容把握が9月の終わりぐらいになった、2か月ぐらい先になったというお話があったと思いますが、そもそも7月の終わりぐらいに、学校でおかしなトラブルが起きているということが、GIGAスクール推進課に来たときに、リアルタイムで教育長のところに届いていたのでしょうか。
あるいは、GIGAスクール推進課が、夏休み明けに調査をして、何か異常なトラブルが起こっていることをある程度把握した段階で、教育長に報告が来たのでしょうか。

(教育長)
実際、どの段階で、細かいデータが上がってきたか覚えていないのですが、大変なことになっておると届いたのは、もっと後だったと記憶しています。

(毎日新聞)
つまり、発表された9月の終わりか10月ぐらい。

(教育長)
そこまで詳しくは覚えていないですが、各担当の方で、どういうことが起こっているのか、現場でしっかり考えていただいておると思います。
全容を把握して、こういうことになっているというのにタイムラグがあったのかと思います。
何回も言いますが、やはり子供に近いところの部署が、しっかり把握して、分析をするのに時間をかけ過ぎたのかなと思っています。

(毎日新聞)
そうなると教育長は、御自身の判断ミスというよりは、全体の責任を取られたという理解かなと思いますが、今現在は、現場では夏休みを挟んだという言い訳が信じ難いです。
各生徒さんにClassi を入れていますよね。
あれで呼びかけたら、夏休みであろうと土日であろうと、多分2、3日で返事が来たと思います。
学校の先生も在宅で操作するのか、あるいは、誰か1人管理職が出るのか分かりませんが、そうすれば、何で2か月もかかったのか。
7月の終わりにはおかしいという報告が複数来ているのに、すぐに調査せずに、放置したというのは信じ難い。
あそこで2か月無駄になって、今日もまだ解決しない。
もしかしたら、今年の夏ぐらいになるかもしれない。
確認したかったのは、7月の終わりの時点で、榊教育長のもとに来ていたのに、調査を2か月先延ばしにしたのか、あるいは、GIGAスクール推進課が2か月先送りしたのか、夏休みというのは言い訳にはならないので、これはClassi が入っている以上、それを活用すればいい話だし、それが分からないんですよ。
そこは教育長には少なくとも秋以降、夏休み明け以降に報告が来たという理解でいいですか。

(教育長)
私のところで、「こういう状況になっておるので、こういうことをやりなさい」という指示をした記憶はないです。7月には。

(毎日新聞)
教育長は情報が来ているのに先送りした責任ではなくて、むしろ教育委員会組織全体の責任を感じていらっしゃるという理解でいいですよね。

(教育長)
GIGAスクール推進課をかばうわけではないですが、担当は現場の声をしっかり聞いて、何が起こっているのか、どういう状況が起こっているのか、整理したかったと思います。
整理するのに、夏休みは言い訳にはならないとのお話もありましたが、持ち帰りをしているところとしていないところ、使い方がそれぞれ違うので、全容を把握するのに時間がかかったと、私は理解をしているところです。

(毎日新聞)
そうですけれど、まずClassi を生徒に入れさせているし、夏休み中に登校日もあるわけですから、2か月というのは信じ難い。

(教育長)
振り返ってみればそこも反省点になるかなとは思いますが、当時の担当は担当で一生懸命やってくれたので、反省すべき点はそこなのかもしれないですが、そのことをもって、何でやらなかったのかと攻めるつもりは、私はないです。

(毎日新聞)
ただ、夏休みを挟んだから、後手後手になったっていう説明は当たらないと思います。

(教育長)
時間がかかったということは、間違いはないので。

(毎日新聞)
他に速やかに把握できる手段があるのに、それをしなかったから結果としてなっただけで、昔のような、10年、20年前の学校だったら、夏休み挟んで、次来るのがというのはわかりますけれど、その言い訳は違うと思います。

(教育長)
言い訳というか、結果的に時間がかかったことは、先ほど言いましたように、今後、こういうことが起こらないように、いわゆる体制の反省点だと思っています。

(NHK)
30年以上お疲れ様でした。
改めて、先ほどもコロナなど、いろいろ大変なことがあったと思います。
教員としての30年以上の生活、教育委員会に入られてからも、一言あればお願いします。

(教育長)
私は特別支援教育にずっと携わってきた人間ですので、子供たち一人一人に最適な教育を提供する仕事をずっとしてきましたので、教育委員会事務局に入っても、個別最適な学び、誰1人取り残さない学び、今、GIGAスクール構想、そういうことを言われていますが、これはずっと教員としてやってきたつもりです。
こういう時代になりまして、先がなかなか見通せない時代ですが、やはり子供たちにしっかり力をつけていくためには、やはり一人一人の子供たちをしっかり見て、必要なものを提供していく、それは大人の仕事だと思っていますので、先生方一人一人が、そういう気持ちで、これからも教育に当たって欲しいと思っています。
私はもう退任するので、次の世代にそういったことをしっかり引き継げたのかどうか疑問ですが、最後に、そういうメッセージを伝えたらいいかなと思っています。

(NHK)
最後に、子供たちに改めて先生から一言お願いします。

(教育長)
徳島の子供たちは、なかなか自信がない子供たちが多いです。
しかし、正しい努力と適切な環境設定で、子供たちは、今持っている力以上のものを出せます。
なかなか「自信を持ってくださいよ」というのも、難しいと思いますが、毎日毎日、できることを着実にこなすことが1つの大きな自信になってくると思いますので、今感じていること、考えていることを行動にしっかり移せるようなことを考えて欲しいと思っています。
皆さん活躍を本当に期待しています。

(朝日新聞)
私の認識が間違っていたら恐縮ですが、退任の会見は、今までやっていらっしゃらないですよね。

(教育長)
やっていないです。

(朝日新聞)
ということは、なぜ退任の会見を要請されたかとなると、御立派な指導をされてきたことというよりも、何でこんなことが起こったのかというところを生の声を聞きたかった。
端末ですよ。
先生のやってこられたことを否定するつもりは全くないですが、やはり生の声で、今まであまり出てこられないということもあって、後藤田知事は1週間に1回ぐらい出てこられるので、聞きたいことも聞けますが、あまり出てこられないってのもあって、最後だからお聞きしたかったというところで、あまりストンと落ちなかった。
要は、「退任をするって決めたのは、タブレット問題ではない」と言ってしまえばもちろんそうかもしれませんが、保護者さん等もそうですが、かなり怒っているんですよ。
何やってるんだって。
必要なものを提供していくのが、教育の大人の立場だと。
そっくりそのまま返るんじゃないですか。
正しい努力と環境設定をやります。
できることを着実にやっていきたい。
子供はできることを着実にやって欲しい。
そのままそっくり返るんじゃないですかその言葉って思っちゃうんです。
間違ってたら間違ってるって言っていただきたい。
けんかするつもりは全くないので。

(教育長)
退任の理由を聞かれたら、「タブレットが原因で退任するんですか」と聞かれたら、「いや、それは違います」って言わざるをえないです。
私は嘘をつかないというか嘘をつきたくないので。
「退任はいつ決めていたのか」とか、「どういう理由で退任するんですか」って言われたら、先ほど申しましたように、4年間務め上げて、教育振興計画をしっかり作って、それを引き継ぐのが私の仕事だと思っていて、そこをお話ししただけですので、「退任の記者会見でなぜ退任理由をきちんと述べないんだ」と言われても、いろいろ報道で、退任について、引責で辞任するのだろうと書かれていて、やめることは事実なので、それに関して、「いや私はそれが理由でありません」っていう記者会見をするつもりは、私は毛頭なかったです。
あまり生産性がないので。
やめることの理由を、今日の記者会見を開くよりは、最後については、いろいろ4年間振り返っての方が、退任の記者会見としてふさわしいと思って御挨拶をしましたが、人の気持ちの中身は分からないので、情報がない中で、いろいろ報道もしていただいたと思いますが、聞かれたら「いや、それは違います」って答えざるを得ないので。

(四国放送)
多分、そういう意味ではないですよ。
僕も別にタブレットが原因で退任するなんてことは、ひとつも思っていないですし、そんなことも書いていないです。
それは4年前から決まっているのも分かっていますが、普通の会社が、例えば、うちの会社でこれだけのことが起これば、社長が前に出てきて、たとえ部下がやった失敗だったとしても、トップが、「私に責任があります」と答えて終わるのが普通だと思います。
退任とは別ですよ。
だから、多分聞きたいのは、タブレットの問題があるけれども、これの責任は、どう感じていらっしゃいますかって言われたら、多分、トップとしては責任があるって感じでいらっしゃると思うので、多分そこだと思います。
今になって、そんな小さな問題、いろいろなこと、榊さんが困ったことは重々分かっているし、榊さんだけの責任ではないのは当たり前ですが、ただ、組織のトップである以上は、責任は負わざるをえないというのは、そもそもどこの組織でもあることなので、多分そのことを皆さん感じていると思います。
ただ、今日の中身だったら、当然、いろいろなことを振り替えられたこと、それもすごくわかる話だし、コロナのときに苦労されたのも僕もずっと取材していますからよくわかりますけれども、榊さんがやってこられた、苦労されたことというのは認識していますが、というところだと思います。
僕もあんまりきつく言いたくないので、これぐらいしか言いませんけど。

(読売新聞)
理由としては教育大綱とかの話、先ほどおっしゃったとおりだと思いますが、理由の中に端末は全くないのか。
それとも、メインは教育大綱という前から決めていたことがあるけれど、理由としてそこの責任も含まれてくるのか。

(教育長)
物事の行動を起こすのに、「これだからこうなんだ」っていう単純な1つの理由でアクション起こすことはあるんですかね、逆に。
いろいろな要素があると思います。

(朝日新聞)
教育長は、嘘をついていらっしゃらないし、ちゃんと話しされてるんですよ。
不安に思ったのは、また起こるんだろうなって。
そうではなくて、もちろん、今言われたように、「この責任だけでやめるんじゃないです」ってそのとおりだと思うんですよ。
でもそれがずっとそう来ると、多分、また、起こるだろうなと。
そうではなくて「私はやめます。その責任の中に1つは、当然、部下の人たちには、徹底的にちゃんと検証しろと指示して私は去っていく」と言われたら安心するんです。
だけど、「事務局がちゃんとやっています。」という言葉が並んでいて。
やっていたと思いますよ。
けれど、これはまた起こるなって思っちゃうんですよ。
だからそこのあたりをきちっと、言っていただきたいと思う。
責めるつもりは全くない。

(教育長)
お話ししたとおりです。
それ以上のことはないです。

(共同通信)
任期満了前の退任を決めたのはいつ頃ですか。

(教育長)
具体的に決めたのは、年が変わる前です。
次の教育長の選任もしていただかなければならないので、何ヶ月か選んでいただく期間もいるだろうということで、12月だったと思います。

(時事通信)
教育大綱等があって、4年を区切りだというところが大きな退任理由ってことはもうお話の中でよくわかりましたが、1年残した上で退任されるということは、何かしら今後の進路とか、今後どのような活動をされるのかある程度決まったからこそ、退任されると思いますが、それについては、何か決まっていることってありますか。

(教育長)
4月からは、無職になりますので、娘のところに行ってゆっくり過ごしたいと思っています。
コロナ禍もあって、何があるかわからないので、プライベートで県外に出ることは、絶対教育長の間はやめておこうと控えていましたので、撮っていただくようなことではないですが、羽をしっかり伸ばしたいと思います。

(時事通信)
あくまで何かしらお仕事として、今までのキャリアを活かしていくよりは、プライベートを充実させていく。

(教育長)
仕事は、今のところ決まっていることはないです。