〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
- 電話番号:
- 088-621-2500(代表)
- 法人番号:
- 4000020360007
令和4年4月15日付県報447号により次の無形民俗文化財が徳島県指定されました。
1.指定名称「阿波の吹筒煙火」
2.所在地 小松島市 那賀郡那賀町 海部郡美波町
3.保存団体 立江八幡宮煙火保存会,特定非営利活動法人那賀町吹筒煙火保存会,特定非営利活動法人赤松煙火保存会
4.概要
吹筒煙火は、我が国の煙火の古い形である「立(たて)火(び)」を伝える数少ない事例の一つである。県内では、少なくとも19世紀初めに製造していたことが、現存する「意匠(いしよう)」(火薬の配合比率を記した帳面)からわかる。各地区の「煙火(えんか)組(ぐみ)」により製造や打ち上げがなされ、花火の専門職人が関与していないことに特色がある。火薬の成分(硝石・硫黄・木炭灰)は近世以来変わらず、各煙火組に伝わる「意匠」に基づいて配合し、伝統的な製造工程・技術により煙火を製作している。3地域とも神社境内での奉納煙火の形を取り信仰習俗としての性格を残し、現在も地域の年中行事として定着している。阿波の吹筒煙火は、我が国、そして本県における伝統的な煙火の形態と製造技術を伝える貴重な事例である。 吹筒煙火は、各煙火組に伝わる「意匠」と呼ばれる秘伝書をもとに配合の異なった火薬(硝石・硫黄・木炭灰)を調合し、鉄粉を混ぜ合わせる。太い竹筒に複数の段に分けて筒込みを行い、口蓋に栓をする。最後に、筒先の火口(ほくち)に導火線を取り付けて完成となる。火薬の配合や込め方、筒底の処理などには煙火組ごとの微妙な伝承の違いが見られるが、製造工程・技術は3地域ともほぼ同様のものが伝えられており、昔からほとんど変化していない。
令和4年6月29日(水)文部科学省告示第100号により次の建造物5件が新たに国登録有形文化財(建造物)に登録されました。
○海部郡海陽町「平岡家住宅主屋」「平岡家住宅台所」「平岡家住宅納屋」「平岡家住宅西塀」「平岡家住宅南塀」
(評価)当地方の近世民家の典型となる主屋を中心に屋敷構えが良好に残る。
登録基準:(2)造形の規範となっているもの「主屋」 (1)国土の歴史的景観に寄与するもの「台所」「納屋」「西塀」「南塀」
建築年代:明治9年~昭和初期
令和4年2月17日(木)文部科学省告示第15号により次の建造物1件が新たに国登録有形文化財(建造物)に登録されました。
○阿波市土成町「千光院本堂」(特徴)昭和初期に建てられた真言宗寺院の本堂で、切妻造本瓦葺等の佇まいが当地の歴史的景観を形成する。
登録基準:(1)国土の歴史的景観に寄与するもの
建築年代:昭和初期
令和3年10月14日(木)文部科学省告示第175号により次の建造物3件が新たに国登録有形文化財(建造物)に登録されました。
1 蔵珠院茶室
所在:徳島市国府町芝原
建築年代:江戸末期/平成26年移築
登録基準:(2)二造形の規範となっているもの
内容:多様な銘木を用い、細部まで意匠を凝らした上質な数寄屋の茶室
2 蔵珠院まい込み泉
所在:徳島市国府町芝原
建築年代:江戸末期/昭和50年頃・令和2年改修
登録基準:(3)再現することが容易でないもの
内容:らせん状の通路が井筒まで設けられた類い希な井戸
3 有宮神社本殿
所在:三好市西祖谷山村徳善
建築年代:明治41年/昭和41年・平成2年・同15年改修
登録基準:(2)造形の規範となっているもの
内容:一間社流造で随所を彫刻で飾った華やかな神社本殿
令和3年10月11日「平等寺境内」(びょうどうじけいだい),が史跡「阿波遍路道」に追加指定されました。
1.指定名称
阿波遍路道(あわへんろみち)
(平等寺境内・常楽寺境内・大日寺境内・地蔵寺境内・焼山寺道・一宮道・恩山寺道・立江寺道・鶴林寺道・鶴林寺境内・太龍寺道・かも道・太龍寺境内・いわや道・平等寺道・雲辺寺道)※太字部分が今回追加指定
2.所在地
徳島県徳島市国府町延命606外
3.概要
四国八十八箇所霊場をめぐる遍路道は,四国4県にまたがる空海ゆかりの寺社を巡る全長1,400kmにも及ぶ霊場巡礼道である。阿波遍路道は,阿波国(徳島県域)に所在する遍路道で,これまでに延長約16kmの遍路道,及び札所寺院2箇寺が史跡に指定されている。
今回,新たに追加指定の答申を受けた「平等寺境内」は、阿南市新野町に所在する第二十二番札所の寺院である。
令和3年3月11日(木)文部科学省告示第29号により次の重要無形民俗文化財が新たに指定されました。
1.指定名称
阿波晩茶の製造技術
2.所在 地
勝浦郡上勝町,那賀郡那賀町,海部郡美波町
3.保護団体
阿波晩茶の製造技術保存会
上勝町阿波晩茶の製造技術保存会
那賀町阿波晩茶の製造技術保存会
美波町阿波晩茶の製造技術保存会
4.概要
阿波晩茶の製造技術は,本県の山間地域で古くから伝承されており,他の地域にほぼ類例がない地域的特色が顕著な茶の製造技術である。緑茶のように新芽を採取するのではなく,盛夏の時期に成長した固い葉から製茶することに特色がある。製造は,7・8月の期間において,茶摘み,茶茹で,茶摺り,漬け込み,茶干し,選別の各工程からなり,一連の作業の大半が手作業で行われ,昔ながらの道具が用いられる。手間をかけた伝統的な製法が維持されており,我が国における発酵茶の伝承や製茶技術の地域的な展開を理解する上で重要である。