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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.156(5月号)

目次

  1. 『COVID-19と初期研修』 徳島県立中央病院 研修医2年目 松田知大
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『新型コロナウイルス感染症患者の自宅健康観察支援説明会』 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『COVID-19と初期研修』

徳島県立中央病院 研修医2年目 松田知大

 COVID-19感染症による世界的なパンデミックはとどまることを知らず、特にインドは深刻な状況です。連日の新規感染者は30万人以上、死者は3,000人以上と報告されており、病床不足のため入院できず、路上で酸素吸入を強いられたり、酸素吸入すら叶わず死亡するケースもあります。インドの感染爆発の原因として、変異株が出現したことと、大規模集会が開催されたことの2点が指摘されています。この事例から、自粛の重要性や、変異株に対するワクチンの予防効果が注目されています。

 徳島県においても4月から5月にかけて感染者数が急増し、一時、新規感染者数(人口10万人対)は全国5位まで至りました。当院ではCOVID-19感染症患者の救急外来受診、入院を受け入れており、通常診療と並行してCOVID-19感染症の診療を行っています。初期研修2年目となりましたが、common disease に対する一般的な診療に加えて、感染症対策についても多くのことを経験しています。例えば、感染症患者の入院病棟において、汚染区域と清潔区域を区分けするゾーニングや、汚染区域や確定患者に接触する際に選択する個人防護具と、その着脱などです。さらに、COVID-19感染症患者の酸素需要や胸部CT所見から重症度判定を行い、療養場所を考えます。また、県内の病院が連携して患者の受け入れ協議を行っているため、医療を俯瞰して、病床数の状況など各病院の機能について考えることも多くなりました。これらは、パンデミック前ではあまり経験できないことだと思います。

 2002年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、2009年の新型インフルエンザなど、世界的なパンデミックの例は多く、今後も新興感染症、再興感染症の流行が起こることが予想されます。今までに学んだ感染症対策は、第5波以降の流行時にはもちろん、ほかの感染症の流行時にも生かされ、感染者数・死亡者数の抑制につながると思います。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

 新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等は中止,延期またはWEB開催となっている場合があります。

 個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。

4.みどころ・イベント情報

 新型コロナウイルス感染症の影響による、観光施設の休館・短縮営業、イベントの中止・延期等があります。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/kyukan.html

大規模集客施設に類する県立施設の利用時間の短縮について

 飲食店への時短要請の期間延長と合わせて、徳島市内の「大規模集客施設に類する県立施設」について、5月31日までの間、20時以降を原則休館としております。

 ※詳細はこちら

 https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kenko/kansensho/5046701/
 

もっと!とくしま応援割

 「もっと!とくしま応援割」については県内の新型コロナウイルス感染拡大を受け、停止となりました。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/motto-ouen.html

5.『新型コロナウイルス感染症患者の自宅健康観察支援説明会』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 我が国は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第4波を迎えた。徳島県内で感染者数の累計は1,585名に達し、入院中(宿泊療養および調整中を含む)が181名。死亡者は56名となった(ステージ3:感染拡大注意、急増。5月17日現在)。

 4月に院長に昇任された葉久貴司先生(徳島県立中央病院)は、COVID-19の対応に追われ、3次救急から一般救急の停止を決断された。他の徳島赤十字病院(小松島市)などの救急病院の奮闘でなんとかしのいでいる。

 COVID-19拡大の難局を、各病院の職種や部署の壁を越えてすべてのスタッフが一丸となり乗り越える必要がある。徳島県医師会も、ホテルや在宅で療養するCOVID-19患者の健康観察を担当することになった。その自宅健康支援の研修会が、4月27日(火曜)にウェブ配信で開催された。まず、三村誠一先生(県立中央病院・救急科)が、「COVID-19感染拡大と医療対応」と題して講演された。「徳島県COVID-19入院調整本部」にも参画されており、県内の状況について説明があった。COVID-19の診療は、ご専門の災害医療に通じており、罹患者はまず県立中央病院で診察を受け、重症度を診断。入院または、在宅療養を決定している。在宅患者が増加しており、かかりつけ医に健康観察の電話対応をしてほしいと結んだ。

 次に、石本寛子先生(県医師会)が、あらかじめ募集した質問に答えられた。最後に、吉岡一夫先生(同)が、薬剤の処方などその実際を話された。

 現在、高齢者へのCOVID-19ワクチンを、7月末までに行うことが求められている。医療現場は、そのワクチンの準備・実施に「てんてこまい」の状態である。余裕をみつけ、協力したいものと考える。

 ◇ ◇ ◇

冒頭の三村先生(当日がお誕生日)の講演より、県内のCOVID-19の現状・危機を理解した。さらに、粛々と地域医療を続けたいと思う。

☆徳島県立中央病院
https://www.tph.gr.jp/
☆徳島県新型コロナウイルス対策ポータルサイト
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kenko/kansensho/5035331/
☆徳島県医師会
https://www.tokushima.med.or.jp/
 

6.編集後記

 じめじめとした日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今年は、四国や近畿で1951年の観測開始以降、最も早い梅雨入りとなったそうです。

 新型コロナウイルスの感染状況について、徳島県については先日「まん防」の適用が見送られたところですが、全国では「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」の対象地域が拡大を続けております。県内の新規感染者数は一時期に比べて落ち着きを見せておりますが、毎日10人前後が確認されており、まだ予断を許さない状況です。最近では特に家庭内での感染が増加傾向にあるとされておりますので、家庭内でも可能な限りの対策をお願いいたします。

 (参考:https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kenko/kansensho/5043324/)

 それでは以上を持ちまして、とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール第156号を終わらせていただきます。気分が落ち込みがちな季節ですが、天候に負けずお元気にお過ごしください。

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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第157号は、
令和3年6月16日(第3水曜日)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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