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Q 農業国日本が農地減反、減作までして輸入食品を食しなければならないのですか

Q

農業国日本が農地減反、減作までして輸入食品を食しなければならないのですか。
・国内産の旬のものを食することも限られてくるのではないかと不安に思う。
・輸入食品は信用ができず、安心して食することができない。

A

食料の消費と生産という需要と供給の関係で、現在の日本では、輸入食品は欠くことのできないものとなっています。

わが国は経済発展に伴い、食生活は豊かで多様になりました。現在では消費者が求める安くて美味しいものや、珍しいものが世界中から輸入されています。
こうした中、自給可能な米についても、一人当たりの消費量がこの40年間で約半分にまで落ち込んでいます。日本の米は生産性が高いことから、限られた消費量に見合った生産を行うために、最近まで生産調整(減反)政策が進めてられてきました。
一方、小麦や大豆、野菜や果実などでは、輸入品に負けない生産体制の強化も図られていますが、農地の規模や人件費の違いなどから、生産性の格差はなかなか縮まらず、また農作物によっては、元々日本の風土に馴染まないものもあります。
このように、食料の消費の形態と生産の構造に格差があるため、輸入食品は現在の食生活に欠くことのできないものとなっています。
こうした格差を少しでも縮めるためには、生産者が消費者ニーズに応じた生産を行う一方で、消費者も国内で自給可能な米を中心とした「日本型食生活」を実践することも必要ではないでしょうか。
更に、国産の農林水産物やその加工食品を安心して食べることができるよう、地産地消活動など「生産者と消費者の連携促進」や、トレーサビリティーシステムの整備など「食に関する情報提供の充実」に努める必要があると考えています。

トレーサビリティーシステム
トレーサビリティーとは英語のTrace(追跡する)とAbility(可能な)という二つの用語を合わせた言葉で、生産、処理・加工、流通・販売等の各段階で、食品の仕入先、販売先、生産・製造方法などを記録し保存することによって、誰が、いつ、どこで、どのように作ったか、またどのような経路で流通したかなどの食品の履歴をたどることができることをいいます。
トレーサビリティーシステムは食品自体の生産管理や品質管理を直接行うものではなく、食品の安全性などに関する情報を消費者段階まで正確に伝え、その情報をさかのぼることができるようにするための一連の取り組み体制のことですが、次のようなことに役立ちます。
(1) 食品に問題が発生したとき、迅速に対応できます。
(2) 食の安全・安心情報の入手が可能となります。
(3) 食品の表示の信頼性が高まります。

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