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徳島の環境 | 徳島県

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徳島県版プログラム(構成・ねらい) - 生きもの学習プログラムの構成とねらい

生きもの学習プログラムの構成とねらい

●私たち人間と生きものとの深いかかわり

豊かな生物の多様性は、物質循環やエネルギーの流れを担い、生態系のバランスを維持し、人間の生存基盤である環境を形成しています。
私たちの生活は、生態系からの恵みによって成り立つとともに、人間も大きな生態系の一部ですが、このことはあまりにも当たり前のことで、私たちはえてしてこの事実を見落としがちです。
近年、過大に発達した人間の活動が生態系に悪影響を及ぼしており、これを保全・復元・創出する取り組みが必要です。

●身近な自然は健康?

徳島県は、「自然環境に恵まれている」と言われます。でも、私たちは、自らが暮らす地域に、どんな自然があるのか、どんな生きものがいるのか、また、それがどんな状態なのか、以前と変わらない状態であるのか、といったことにどれくらい答えられるでしょうか?
身近な自然の中を歩き、多様な生きものを見つけ、触れ、生きものものがどんな場所で、どんな風に生きているのかを実感してみましょう。その環境は、彼らにとって住みよいものですか?少し前、あるいは、おじいさんやおばあさんが子供の頃には、そこはどんな生きものがいて、どんな自然があったのでしょうか?
今、あなたの身近な自然が損なわれ、身近な生きものをみかけなくなってきていることに、あらためて気づくことでしょう。

●身近な自然を再発見

この学習プログラムでは、まず、私たちの毎日の暮らしの中に出てくる生きもの、すなわち、食材や建物の材料に注目し、次に、身近に残る自然とその変化や、そこに暮らす生きものの再発見に出かけることで、暮らしと生きものの活動とのつながりに気づき、その活動の場となる自然を守っていくことの大切さを知り、どんなことだったら自分たちでできるのかを提案します。

【暮らしの中の生きもの】

私たちが気づかないだけで、日常生活を送る中では、生きものとのかかわりは以外とたくさんあります。
『つながり発見!生きものと私たちの暮らし』プログラムでは、日常の食べ物や生活用品などから、私たち自身の日々の暮らしと生きものとの関係について、興味・関心を高めます。
『生活の中の木材探し~衣食住と木のつながりを考える』プログラムにより、森林から供給され、再生可能な資源である木材が、私たちの住む「家」や、学び場である「学校」にたくさん使われていることに気づき、森林との関係への興味・関心に発展させます。
少し足を伸ばすと、県内には、かつては木材・薪・炭の供給源として使われ、また、カブトムシ・クワガタのすみかでもある林(里山)があります。
『林の移り変わりと私たちの暮らし』プログラムでは、この身近な里山をフィールドに、自ら歩き、観察し、高齢者の方から話を聞くことにより、生きもの、林、人との関係など、里山の移り変わりに気づきます。

【様々な場の生きもの】

生きものそのものについて、観察を中心として学習する場は様々考えられます。
子どもたちにとって、最も身近な場所である校庭や、海辺では最も学習に適した場である干潟、そして、本来の自然を見ることができる場である磯(岩礁海岸)があげられます。
『校庭の生きもの探し』プログラムでは、校庭で野外観察の仕方を学び、観察の楽しさを知ることで、いろいろなところで生きものを発見していくための視点を身につけます。
『干潟の生きものと人の暮らし』プログラムにより、泥の中に潜む生きものを鳥がついばむ様子の観察や、食材でもあるアサリやシジミが水を浄化する実験などを通して、干潟での生きものと生きものとのつながりや、生きものと人とのつながりを発見します。
『磯の生きものたち』プログラムでは、海面からの高さ等により生きものの住む場所が決まったり、生きもの同士が住み場所を巡って競争したりしている様子の観察などを通して、生きものの分布と環境の関係、生きものと生きものの関係に気づきます。

●自然・生態系からの恩恵を将来にわたって得られるように

学習プログラムの活動を通じ、それぞれの生きものがそこに棲みつづけることができる環境を考え、提案し、環境の保全・修復に向けてできることがあれば実践してみる、これが自然を守っていくための一歩となり、将来にわたっても、自然からの恩みを受けつづけられることにつながると期待されます。
何も難しく考えることはありません。身近な生きものに愛着を持ち、地域の自然に誇りを持つこと、それがはじまりであり、最も大切なことなのです。