吉野川医療センターの初期臨床研修医2年目の佐藤薫と申します。昨年に引き続きこのような執筆の機会を頂戴し、光栄に存じます。
医師2年目を迎え、1年前に比べて基本的な診療手技や救急対応にも少しずつ慣れ、主体的に診療を進める場面が増えてきました。その一方で、判断に迷うことや自分の未熟さを感じる場面も多くあります。自分の判断が患者さんの状態や治療方針に大きく影響する責任を実感し、1つ1つの診療を丁寧かつ誠実に行うことを常に心がけています。
徳島県は人口当たりの医師数こそ全国トップですが、人口減少や高齢化が進む中で、都市部と山間部・西部地域との医師偏在や医療資源の不足が課題となっています。さらに病院経営の悪化に伴う閉院も相次ぎ、地域による医療アクセスや受けられる医療サービスの格差は今後さらに広がることが懸念されています。
初期研修では地域医療や総合診療を経験し、患者さんごとに異なる生活背景や価値観を持っていることを学びました。高齢や独居、交通手段の制限などにより通院が困難な方や、住み慣れた地域で最期まで暮らしたいと願う方は少なくありません。また、治療可能な病気であっても、治療することが必ずしも患者さんにとって最善とは限らないことも学びました。患者さんが何を望み、その実現のために私たちができる最善は何かを考え続けることが総合診療の本質であり、その姿勢を今後も大切にしていきたいと考えています。これからの地域医療では、身体的な治療だけでなく、精神的・社会的な支援を含めた包括的なケアがますます重要になると感じています。現実には理想どおりにいかないことも多々ありますが、患者さんが望む生活に少しでも近づけるよう支えることができたとき、この仕事の大きなやりがいを実感します。そして、患者さんからいただく「ありがとう」という言葉は、私にとって何よりの原動力であり、医師としての財産です。
現在は将来の専門診療科を選択する時期にありますが、どの分野に進んだとしても、初期研修で培った総合的な視点を忘れず、変化する医療環境に柔軟に対応しながら、地域住民に信頼される医師を目指して、どんな経験も大切に積み重ねていきたいと思います。
表記大会が、国立京都国際会館で開催された(2026年5月29日~31日)。大会長は鈴木富雄先生(大阪医科薬科大学)で、テーマは、「つながる、つなげる。つなげる、つながる」。昨年の札幌での第16回 学術大会(テーマは、「そこ・そこ」のプライマリ・ケア ~それぞれの場で、ふさわしくあるには~。2025年6月20日~6月22日、倶知安厚生病院の木佐健悟先生が大会長)には欠席したが、この度は、留守を依頼でき全日程に出席した。その見聞を紹介する。
第1日(5月29日)は、サイトビジット企画に参加した。暑い午後に、岩倉駅前たはらクリニック(京都市左京区)を見学し、当地での精神科医療の歴史を学んだ。夜には有志による懇親会があり、出席し久闊を叙した。
第2日(5月30日)、午前8時半からの一般演題ポスター3「患者中心の医療1」の座長を、荒木沙月先生(公立黒川病院)と担当した。「総合診療の現地教育2025を振り返って」と題し、医学科3年、5・6年の実習を積極的に受け入れていることを紹介した。薬剤師の役割や、拘束ゼロ、管理栄養士、看護師、意思決定、保存的腎臓療法などの演題の発表・質疑から、多職種連携が重要となっていることを再確認した。
講演やシンポジウムも多く、学会運営や大会長講演、感染症を学んだ。懇親会は、「PCナイト」と題し学会場の宝が池に集い、鈴木大会長のサックスとともに、出会いがあり、意義深いものとなった。
最終日(5月31日)、「特別対談 日曜劇場『19番目のカルテ』が問いかけるものーTBSドラマプロデューサーと脚本家を招いてー」を拝聴した。部分的にドラマを視聴していたが、総合診療医が分かりやすく描かれていた。その後、興味あるワクチンのシンポジウムを視聴した。
並列で多くの企画があり、聞き逃したプログラムがオンデマンド配信されている(8月31日まで)。さらに、復習したいと思う。
結びに、第18回 学術大会は、2027年5月に福岡で開催予定となっている。出席し、プライマリ・ケア医学のアップデートをはかりたいと思う。
【参考URL】
☆第17回 日本プライマリ・ケア連合学会学術集会⇒https://jpca2026.jp/
☆大阪医科薬科大学病院 総合診療科(鈴木富雄教授)⇒https://hospital.ompu.ac.jp/departments/general_medicine/index.html
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携しながら、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/categoryMedical/sonota/houjin/7233491/
徳島県では、将来にわたって地域の医療を守り、県民が住み慣れた地域で安心して生活することができる「持続可能な医療提供体制」を維持するため、安定的な医師の確保・養成に向け様々な支援や取組を実施しております。
(支援内容や金額は概要を記載しておりますので、詳細は各制度等のページをご確認ください。)
1.臨床研修医・専攻医の確保に向けた取組
(1) 臨床研修医一時金支援制度
県内の医療機関で臨床研修を行う医師で要件を満たす方に「一時支援金」を支給します。
・支給額:100万円
・詳しくは、こちらをご覧ください。
(2) 専攻医一時金支援制度(R8新規)
臨床研修医一時支援金を受給した方で、令和9年4月1日以降に、県内の専門研修基幹施設のうち、知事が定める専門研修プログラムで専門研修を行う予定の方に、「一時支援金」を支給します。
・支給額:200万円
・詳しくは、こちらをご覧ください。
(3) 病院見学支援事業
徳島県内で臨床研修や専門研修の実施を検討する、県外の医学生や医師の皆様が、徳島県内の基幹型臨床研修病院や専門研修基幹型施設を見学するための経費の一部を助成します。
(徳島県臨床研修連絡協議会からの助成)
・助成金額:上限4万円(助成対象経費のうち実際に要した経費の額)
・詳しくは、こちらをご覧ください。
2.即戦力人材(中堅・シニア世代を含む全ての世代)の確保に向けた取組
(1) 医療版ワーケーション
医療現場の「ひっ迫緩和」や「負担軽減」を図るとともに、将来的な県内への定着や継続的な勤務(リピーター化)に繋げるため、「勤務+観光」の両面で徳島県の魅力を感じていただける医療版ワーケーションを実施しています。
・支援内容:交通費(上限6万円)、宿泊費(上限2万円)、県内移動費(上限1万円)を支援
・詳しくは、こちらをご覧ください。
(2) 医師・看護職員移住支援金
県外の医療機関に従事していた「医師又は看護職員」で、本県へ移住し、県内の公立又は公的医療機関で就業する等の要件を満たす方へ「移住支援金」を支給します。
・支給額:世帯で移住する場合150万円、単身で移住する場合90万円
・詳しくは、こちらをご覧ください。
3.医学生の確保
(1) 医師修学資金貸与制度
将来、県内の公的医療機関等で医師として従事しようとする「徳島大学の医学生(地域特別枠)」、「自治医科大学生」、「県外大学医学部へ進学した県内出身学生」に対し、修学資金の貸与を行います。資金の貸与を受けた医師は、徳島県内の公的医療機関等において、資金の貸与期間の1.5倍に相当する期間を勤務した場合、資金の返還が免除されます。
・貸与額:入学金282,000円、授業料535,800円、生活費100,000円/月
・詳しくは、各案内ページをご覧ください。
徳島県では、その他にも「持続可能な医療提供体制」への支援や取り組みを実施しています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
徳島県立病院で働く医療従事者の生の声を通じて、徳島で働く魅力と、医療現場のリアルなやりがいをお届けしています。
「ここで働いてみたい」と思えるきっかけが詰まった番組です。
○ポッドキャストとは・・・
スマホで聴くことができる「ラジオのような音声番組」です。
通勤中や休憩中に「ながら聴き」ができます。誰でも簡単に視聴可能です。
★ 最新配信話
「第40回 新MC就任インタビュー!徳島医療を支える仕事のやりがいと地域の魅力」
→新MC3名を迎え、それぞれの立場から見た徳島医療の現状や課題、今後の番組での発信テーマについて語ります
★ アーカイブ紹介
「第37回 徳島で描く救急医のキャリア!~徳島ERとドクターヘリの最前線から~」
→川下陽一郎先生を迎え、チーム医療やドクターヘリの取り組みなど、徳島で救急医としてキャリアを築く魅力について伺いました
★ 詳細は病院局公式HPへ
「頼む!来てくれ!!徳島の医師爆増予定ラジオ!」詳細ページ
https://tph.pref.tokushima.lg.jp/newInfo/7305078/
○「とくしまキッズメディカルランド」とは・・・
医療分野の様々な体験をとおして、楽しみながら医療について学んでいただけるイベントです。
日時:令和8年8月9日(日)午前10時から午後4時まで
場所:徳島大学医歯薬学共創プラザ(徳島市蔵本町3丁目18番地の15)
対象:高校生以下の子供及び保護者等
※一部予約制となっております。
詳しくは、こちらをご覧ください。
本県唯一の医師養成機関である徳島大学医学部医学科において、『入学後早期から現場でのフィールドワークを行いたい』という学生たちの声に応える形で、今年度より新たに1年生全員を対象に開始いたしました。 大学の授業の一環として、県内8地域に分かれ地域の医療関係者の皆様や地域住民の方々とのふれ合いを通じて医療の最前線を肌で感じてもらうことで、本県の地域医療に強い情熱を持つ医師を育成していきたいと考えております。
今月号では、6月19日に行われた「早期地域医療体験実習」について紹介させていただきました。将来の医療を担う学生たちが、早い段階から本県の医療現場を肌で感じ、地域の実情や住民の皆様と触れ合うことは、本県の地域医療の将来において重要な意義を持ちます。 日々の診療でご多忙の中、学生の受け入れとご指導に多大なるご尽力を賜りました医療機関・施設の関係者の皆様、そして温かく迎えてくださった地域の皆様に、心より御礼申し上げます。県といたしましても、引き続き地域医療を支える人材の育成と確保に取り組んでまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第218号を終了とさせていただきます。
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