自治医科大学医学部3年の藤本優と申します。今年度の夏期地域医療研修は8月21日から23日の3日間で行われ、自治医科大学から12名、徳島大学から18名の計30名が参加しました。私は1年生の時に那賀、2年生の時に牟岐で研修させて頂き、今年は三好地区で研修させて頂きました。
1日目はまず西祖谷山村診療所を訪問し、施設および外来の見学を行いました。西祖谷山村診療所は労災指定病院であり、林業従事者に多い振動病の治療に用いられるパラフィン浴の設備が整っていました。祖谷ならではの地域に根差した医療が提供されていることを実感しました。その後、健康教室では自治医科大学の学生による脱水症の講座と、医師による腰痛に関する講座が開かれました。疾患への対策や生活上の疑問について地域の方々が積極的に質問し、互いに意見を交わす姿から、人と人との結びつきの強さを感じるとともに、健康について考え、医師と直接コミュニケーションを取る機会の大切さを学びました。
2日目は東祖谷診療所で外来を見学し、併設されているデイサービスも訪問しました。西祖谷と東祖谷の診療所での診察を通じて、医師が患者さんの状況を丁寧に把握し、治療法を提案しながらも患者さんの要望を尊重して決定している様子を目にし、患者さんに寄り添う医療の在り方を実感しました。デイサービスでは利用者の方々とお話しする中で、観光地として栄える祖谷を誇りに思い、住み続けたいと考えていらっしゃることを知りました。診療所やデイサービスが地域住民の生活を支える欠かせない存在であると強く感じる一方で、薬局の閉鎖という問題に直面し、人材不足という地域医療の課題も痛感しました。
3日間を通じて三好地区の医療の現状だけでなく、文化にも触れることができました。今年で3地域すべての研修を経験し、それぞれの地域に根差した医療の形や住民の雰囲気、地域の特色があり、同じ徳島県内でも多様な魅力と課題があることを学びました。まだ学習の途上で未熟ではありますが、地域で活躍される先輩方の姿に触れるたび、自分が目指す医師像が明確になりつつあることを実感しています。
最後になりましたが、このような貴重な機会を設けてくださった県職員の方々、先生方、そして受け入れてくださった住民の皆様に心より感謝申し上げます。今回の経験を胸に刻み、将来地域医療を担う医師として徳島に戻ってこられるよう、日々勉学に励みます。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携しながら、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/categoryMedical/sonota/houjin/7233491/
徳島県では、県内の医療機関で臨床研修等を行う医師で要件を満たす方に対して「一時支援金」を支給しております。今年度より対象者を拡大しております。ぜひ、県内での臨床研修をご検討ください。
支給対象者:令和8年4月1日以降に、県内の臨床研修病院の臨床研修プログラムを開始する予定の方(徳島大学医学部(地域特別枠)や自治医科大学医学部の卒業生等を除く)
支給額:100万円 ※初期臨床研修プログラムを修了することが条件
募集人数:60名
募集開始時期:令和7年11月頃
★詳しくは、医療とくしまホームページをご確認ください。
【URL】https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/categoryMedical/sonota/kikan/7303613/
徳島県では、県外医療従事者のニーズと県内医療機関の求人をマッチングさせることで、医療現場の「ひっ迫緩和」を図るとともに、本県の魅力を感じていただく「徳島県医療版ワーケーション」を実施しております。徳島の医療機関で働くことの魅力や、徳島の観光地や自然、アクティビティを実際に体感していただくことができる絶好の機会ですので、ぜひご活用ください。
★詳しくは、医療とくしまホームページをご確認ください。
【URL】https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/categoryMedical/sonota/kikan/7306396/
徳島県では、全国から「即戦力となる人材」を本県に呼び込むため、県外の医療機関に従事していた「医師又は看護職員」で、本県へ移住し、県内の公立又は公的医療機関で就業する等の要件を満たす方への新たな「支援金制度」を創設し、募集を開始しました。
支給要件:「移住元要件」、「移住先要件」、「申請要件」があります。詳しくは医療とくしまホームページをご確認ください。
支給額:世帯で移住する場合:150万円、単身で移住する場合:90万円
募集人数(令和7年度):20件程度(申込者多数の場合は先着順とし、募集を締め切る場合あり)
募集期間:令和8年2月28日(土)まで
★詳しくは、医療とくしまホームページをご確認ください。
【URL】https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/categoryMedical/sonota/kikan/7304137/
徳島県南部圏域の魅力発信・人材確保を目的とし、全国の医療従事者が参加できるサーフィン大会を開催します。本大会を通じて、医療従事者の皆様にみなみ阿波の「波」と「観光資源」を堪能していただくとともに、スポットワーク・二拠点生活・移住などのライフスタイル・ワークスタイルを想像する機会を提供します。
開催日時:令和7年11月2日(日)予備日:11月3日(月・祝)
開催場所:高知県東洋町生見海岸又は徳島県海陽町宍喰海岸
参加費:13,000円(レセプション参加料含む)
募集人数:100名(先着)
エントリー期間:令和7年8月25日(月)~9月30日(火)
県内外問わず、たくさんの皆様のご参加をお待ちしております!
(エントリーはこちらから)
https://entryplus.jp/event.html?ID=yiL06n
令和7年3月に地域医療の充実・強化に連携して取り組むことを目的として「徳島県病院局」と「株式会社オトバンク」との間で包括連携協定を締結しました。
この協定に基づき、医療人材の確保に向けて、徳島県立病院で働く医療従事者の声を通じて、徳島の魅力と医療のやりがいを伝える「ポッドキャスト」番組の配信を開始しました。
地域に根ざした現場のリアルから、「ここで働いてみたい」と思えるきっかけをお届けします。
○ポッドキャストとは・・・
スマホで聴くことができる「ラジオのような音声番組」です。
通勤中や休憩中に「ながら聴き」ができます。誰でも簡単に視聴可能です。
病院局HP「『頼む!来てくれ!!徳島の医師爆増予定ラジオ!』徳島県立病院ポッドキャストはじめました!」
https://tph.pref.tokushima.lg.jp/newInfo/7305078/
御寄稿いただいた方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第208号を終わらせていただきます。残暑厳しき折、くれぐれもご自愛下さい。
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