皆様、はじめまして。2025年6月21日に開催されました、令和7年度通常総会におきまして、会長に就任いたしました庄野泰乃と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。日頃は、公益社団法人徳島県看護協会の運営におきまして、多大なるご協力を賜り、誠にありがとうございます。
私は約40年間、1法人の公的病院で勤務し、その後3年間は同法人の東京本社にて全国看護部長として管理者経験を積みました。脳外科を中心とした臨床現場で18年、看護管理者としての経験が22年と、気が付けば管理職経験の方が長くなりました。そして、定年退職後、セカンドキャリアとして本協会に勤務しております。
徳島県の医療・看護の状況を改めて見てみますと、超少子高齢化、若年人口の減少等による人口構造の急激な変化を背景に、医師や看護師をはじめとした医療職の人的不足、地域偏在等が全国よりも早いスピードで進んでいるのを実感いたします。地域医療を維持するために、将来に向けてどのような戦略が効果的なのか、事業をすすめながら、現状把握と情報収集に努めているところです。
さて、2024年徳島県が県内看護学生(回答407名)を対象とした調査結果によると、看護職を目指そうとした考え始めた時期は、小学生26.8%、中学生25.8%、高校生が31.2%であり、4人に1人が小学生の頃であったという結果が出ています。私は高校生の時でしたので少々驚きました。ならば、小さい時から医療職や看護職に興味や関心を持ってもらおうと、県と協力して「体験」を中心としたイベント事業に力を入れています。
思えば、コロナ禍を境に入院患者の面会制限等により、実際の医療職や看護職に接する機会が減少するなど、職業をイメージする体験自体が少なくなったと思います。様々なイベント等の機会に看護職をぜひ身近に感じていただき、自分の将来像を考える良いきっかけにしていただければ幸いです。
今後とも徳島県の医療・看護の充実に向けて努力して参りますので、皆様のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携しながら、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
徳島県では、全国から「即戦力となる人材」を本県に呼び込むため、県外の医療機関に従事していた「医師又は看護職員」で、本県へ移住し、県内の公立又は公的医療機関で就業する等の要件を満たす方への新たな「支援金制度」を創設し、募集を開始しました。
支給要件:「移住元要件」、「移住先要件」、「申請要件」があります。詳しくは医療とくしまホームページをご確認ください。
支給額:世帯で移住する場合:150万円、単身で移住する場合:90万円
募集人数(令和7年度):20件程度(申込者多数の場合は先着順とし、募集を締め切る場合あり)
募集期間:令和8年2月28日(土)まで
★詳しくは、医療とくしまホームページをご確認ください。
【URL】https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/categoryMedical/sonota/kikan/7304137/
徳島県では、県内における臨床研修医等の確保に向け、新たに「一時金支援制度」を創設しており、令和7年度より支援対象を拡大する運びとなりました。
令和7年度の一時金支援制度の支援対象拡大等の詳細につきましては、以下の通り事前告知させていただきます。
支給対象者:出身地や出身大学を問わず、県内で研修を行う「すべての医師(徳島大学医学部地域特別枠や自治医科大学卒業医師等を除く)」へ支援対象を拡大。
支給額: 初期臨床研修:100万円※臨床研修プログラムを修了することが条件
(臨床研修医一時金を受けた者がR9年度以降、県内の病院で専門研修プログラムを開始する場合、200万円の支給を予定)
募集人数:60名(R8年度から県内の医療機関で初期臨床研修を行う者)
募集時期:未定
2025年6月28日(土)・29日(日)、東京都で表記学会1)が開催され、オンラインで一部参加した。有益であったので、紹介したい。主催は地域医療振興協会で、知人も多くいるその中国・四国地方支部が主幹であった。大会長は白石裕子先生(島根県)。「地域医療の未来をひらく~みんなが総合診療フロンティアデザイナー~」をテーマに開催された。
1)大会長講演
「総合診療のやさしい未来図〜地域で、暮らしとともにある医療を〜」と題して、白石裕子先生(自治医科大学 地域医療学センター総合診療部門・地域医療人材育成部門)が講演された。第2回やぶ医者大賞)を受賞されており、ユーモアがあり、へき地医療を楽しみながら、その改善をめざしている姿に感銘を受けた。
2)シンポジウム「地域医療と災害医療の親和性〜きたる南海トラフ地震に備えて」
演者は、赤澤英将先生(岡山大学病院/総合診療科・総合内科・感染症内科)、盛實(もりざね)篤史先生(高知医療センター/救命救急センター)、香田将英先生(岡山大学/地域医療共育推進オフィス)の3名。香田先生は、日本プライマリ・ケア連合学会の災害医療システム委員会の委員長を務める。
南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中、災害時に迅速かつ効果的に医療を提供するための方策が議論された。能登地震では、支援側と受援側のコミュニケーションがうまくいかなかった事例があった。その後、両者がWin-Winとなる協力方法が議論されていることを知った。災害に強い地域医療の未来を、私どもも構築したいと思った。
部分的な視聴となったが、地域医療や災害医療、働き方改革とワークライフバランス、未来構想を学び、第18回大会も有益な学会であった。
【参考URL】
1)第18回 へき地・地域医療学会
⇒https://jadecom-hekichi.com/2025/
2)白石裕子:とって隠岐(おき)の宝島より
⇒https://www.jichi.ac.jp/medicine/graduate_voice/article/shiraishi/
御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第206号を終わらせていただきます。酷暑の折柄、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
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