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とくしま医師バンク通信 Vol.203(4月号)

目次

  1. 自治医科大学で学んだことと今後の目標 徳島県立中央病院 研修医1年目 石橋奈々
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. 第3回 へき地遠隔医療推進協議会 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田壮一
  5. 編集後記

1.自治医科大学で学んだことと今後の目標

徳島県立中央病院 研修医1年目 石橋奈々

 はじめまして。徳島県立中央病院の研修医1年目の石橋奈々と申します。

 私は今年の3月に自治医科大学医学部を卒業し、4月から研修医としての生活をスタートさせたばかりです。まだまだ未熟者ではありますが、一生懸命医療に携わっていきたいと思っております。

 さて私の母校である自治医科大学は栃木県に位置し、医療に恵まれないへき地等における医療の確保や向上、地域に住む方々の福祉の増進を図るために全国の都道府県が共同で設立した大学です。「医療の谷間に灯(ひ)をともす」という言葉が建学の精神として掲げられており、実際に多くの先輩方が全国各地の診療所に勤務され、地域のリーダーとして活躍されています。

 6年間学生生活では、医学の専門的な知識を身につけると共に医療現場での経験を多く積むことができました。特に印象に残っているのは、5年時の上那賀病院での臨床実習です。患者さんと接し診療を行う中で、疾患の診断や治療方法を学ぶと同時に患者さんの気持ちや生活背景にも配慮する大切さを学びました。患者さん個人個人や住んでいる地域によって求められる医療のニーズは異なります。その一つひとつに丁寧に寄り添っている先生の姿を私は今でも鮮明に覚えています。栃木での実習がほとんどですが、地元徳島での実習で親近感を感じたこともあり、徳島県の医療のニーズが少し理解できたように思いました。

 医師となった今はこれから始まる研修医生活に不安な気持ちでいっぱいです。しかし、これからの経験を一つひとつ無駄にすることなく日々努力していきたい所存です。
そして将来一人前の医師となって、徳島県の地域医療に明るい“灯”をともしたいと思います。

 最後になりますが、県民の皆さまこれからよろしくお願いいたします。
 

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 /med/categoryMedical/sonota/houjin/7233491
 

3.医師情報箱

【告知】令和7年度徳島県医師修学資金貸与事業修学生(県外大学医学部生向け)の募集について

 令和7年度に県外大学医学部に進学する方を対象とした「徳島県医師修学資金貸与事業(県外大学医学部進学者向け)」の募集を開始します。

1 応募要件
次の2つの条件を満たす必要があります。
(1)令和7年3月31日までに徳島県内の高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、令和7年4月から徳島県外の大学の医学部に進学する予定又は進学した者。
(2)将来、徳島県内の公的医療機関等において、医師として勤務しようとする意志のある者。

2 貸与額
(1)入学金(1年生のみ) 282,000円
(2)授業料 535,800円/年
(3)奨学金(生活費) 100,000円/月

3 募集期間

令和7年3月18日(火)から令和7年4月30日(水)まで

その他詳細につきましては、以下より御確認ください。
https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/dr/7247935/

【事前告知】臨床研修医等の確保に向けた「一時金支援制度」の支援対象拡大について

 徳島県では、県内における臨床研修医等の確保に向け、新たに「一時金支援制度」を創設しており、令和7年度より支援対象を拡大する運びとなりました。

 詳しくは、以下の内容をご確認ください。

※令和6年度の一時金支援制度の募集は締め切りました。

令和7年度の一時金支援制度の支援対象拡大等の詳細につきましては、以下の通り事前告知させていただきます。

支給対象者:出身地や出身大学を問わず、県内で研修を行う「すべての医師(徳島大学医学部特別枠や自治医科大学卒業医師等を除く)」へ支援対象を拡大。

支給額: 初期臨床研修:100万円、専門研修:200万円 ※臨床研修プログラムを修了することが条件

募集人数:60名(R8年度から県内の医療機関で初期臨床研修を行う者)

募集時期:未定

4.第3回 へき地遠隔医療推進協議会

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田壮一

 2025年3月22日(土)午後に、表記の会合が開催された(三重県津市)。ウェブで聴講したので、その様子を紹介する。地域医療振興協会や日本遠隔医療学会などの共催であった。

 まず、オンライン診療をめぐる国の動きについて。1)間中勝則先生(厚生労働省):「オンライン診療と患者の居所~医療提供施設・居宅・施設など~」。2025年2月の社会保障審議会で、法制上の位置付けの明確化へ進んでいる。2)駒田義誌氏(よしふみ、国土交通省):「離島振興とスマートアイランドについて」。2020年度から、離島にICTやデジタル技術の実装を図ることが取り組まれている。3)山本和弘氏(総務省):「実証事業:郵便局におけるオンライン診療」。郵便局などの公的地域基盤の連携が推進されている。

 次に、へき地におけるオンライン診療の活用事例が紹介された。1)池田智哉先生(鳥羽市桃取診療所)は、「答志町オンライン診療室での取り組み」。人口1,700人の離島で、オンライン診療室を運営。2)守川義信先生(青森県健康福祉部):「医療DX戦略@青森県」。医療資源の効果的な活用や通院に伴う負担軽減、そして付加価値の創出を目指している。3)池田恒弥氏・ 阿部香織さん(日本海総合病院):「飛島診療所におけるオンライン診療と、看護師としての島民への関わり」。4)山岸暁美先生(Disaster Community-Care Assistance Team):「能登地域におけるヘルスケア MaaS 事業」。MaaS(Mobility as a Service)を用い、住民の受療機会および健康享受の担保とヘルスケアBCPを強化している。5)古城隆雄(東海大学健康学部):「へき地におけるオンライン診療等の手引きについて」。7章に及ぶ手引きを作成した。

 さらに、遠隔医療・医療DX関連の新技術やへき地に活用可能取り組みが紹介された。1)酒井博崇さん(藤田医科大学):「看護師のスキルアップ」。研修プログラムを作成した。 2)和泉大志さん(JMインテグラル):休日夜間帯におけるオンライン診療活用と「ふるさと診療」 。山口県防府市での取り組みを紹介された。3)澤木正典さん(セコム医療システム)は、電子カルテと遠隔デバイスについて。4)遠藤和洋・伊澤祥光(自治医大)の両先生は、遠隔医療教育。地域を支える医師を支える・育てる活動をしている。5)牧尉太先生(じょうた、岡山大学)は、「革新的事業連携型国家戦略特区でのオンライン診療」。岡山県北部での産婦人科の取り組みを紹介した。

 最後に、クロストーク(へき地でオンライン診療を進めていくために)があった。山口県の「へき地におけるオンライン診療などの手引き」が紹介された。離島だけでなく、当院などの徳島県の郡部で、医療MaaSの活用が進められており、遠隔医療は今後取り組まねばならぬ重要な課題と感じている。

☆日本遠隔医療学会⇒https://telemed-telecare.jp/
☆へき地におけるオンライン診療等の手引き(発行:山口県立総合医療センター へき地医療支援センター)
https://www.ymghp.jp/wp-content/uploads/2025/03/online.pdf
☆医療MaaS導入の実証実験(県立海部病院、美波病院など)
https://tph.pref.tokushima.lg.jp/kaifu/newsList/7244338/

5.編集後記

 御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第203号を終わらせていただきます。今年度もとくしま医師バンク通信をよろしくお願いいたします。

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次回の「とくしま医師バンク通信」第204号は、令和7年5月21日(水)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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