新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、輝かしい新年を健やかにお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
はじめに、本県において、インフルエンザ患者の定点医療機関当たりの報告数が2024年第52週(12月23日~12月29日)で55.35人と1999年の調査開始以来、過去最高となり、新型コロナウイルス感染症も増加傾向であるため、去る1月10日、(一社)徳島県医師会様との連名により、「徳島県・感染症拡大危機事態宣言」を発出したところです。このような状況の中、県民の健康と命を守るため、献身的に従事いただいている各医療機関の皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。県民の皆様におかれましても、さらなる流行の拡大も懸念されますので、基本的な感染予防対策の徹底をよろしくお願いいたします。
さて、厚生労働省より公表されている「令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計」において、本県の人口あたりの医療施設従事医師数は、引き続き全国第1位となっております。しかしながら、医師の地域偏在や診療科偏在に加え、若手医師の急速な減少など、厳しい状況となっております。このため、県においては今年度より、徳島大学医学部の約7割を占める県外出身学生の県内従事を促進するための「一時金支援制度」や、他県大学の医学部へ進学した県内出身学生の卒業後の帰県を促す「義務年限付き奨学金制度」を創設するなど、本県の将来の地域医療を支える若手医師の確保・養成に注力しているところです。
さらに、来年度に向けては、県外から「即戦力となる医師」を獲得すべく、本県の魅力を最大限に活かした「ワーケーション」や「移住支援」など、全国から医師を呼び込む新たな取組について検討を行っているところです。
また、改正医療法によって、来年度から、「かかりつけ医機能報告制度」が始まります。この制度では、特定機能病院及び歯科を除く医療機関からの報告を基に、地域で在宅や時間外診療などの機能確保の方策を検討するものです。対象となる医療関係者の皆様におかれましては同制度について、御理解、御協力を頂けますようお願い申し上げます。
今後とも、本県における医療機能の分化・連携を推進し、地域において切れ目のない医療の提供の実現を目指して、課員一同取り組んで参ります。皆様におかれましても、引き続き、御理解、御支援の程、よろしくお願い申し上げます。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
徳島県では、県内における臨床研修医等の確保に向け、新たに「一時金支援制度」を創設しました。
詳しくは、以下のURLのリンクから、内容のご確認をよろしくお願いいたします。
支給対象者:徳島大学医学部に在籍する「徳島県外出身」の方で、「県内の臨床研修プログラム」で初期臨床研修を行う方
支給額: 100万円 ※臨床研修プログラムを修了することが条件
募集人数(令和6年度):15名(R7年度から県内の医療機関で初期臨床研修を行う者)
募集時期:令和6年11月11日(月)から令和7年2月28日(金)まで(募集期間延長!)
詳しくは、下記URLからご確認ください。
https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/categoryMedical/sonota/kikan/7245175/
令和7年度に県外大学医学部に進学する方を対象とした「徳島県医師修学資金貸与事業(県外大学医学部進学者向け)」を実施しますので事前にお知らせします。なお、募集期間、応募方法等の詳細については、3月を目途に「医療とくしま」ホームページで公開する予定です。
1 応募要件
次の2つの条件を満たす必要があります。
(1)令和7年3月31日までに徳島県内の高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、令和7年4月から徳島県外の大学の医学部に進学する予定の者。
(2)将来、徳島県内の公的医療機関等において、医師として勤務しようとする意志のある者。
2 貸与額
(1)入学金(1年生のみ) 282,000円
(2)授業料 535,800円/年
(3)奨学金(生活費) 100,000円/月
200号の通信おめでとうございます。ところが2025年年始より、徳島県内もインフルエンザAが大流行となり、肺炎など重症化患者のため入院病床が逼迫している。コビッド19を含めその重症化リスクに、年齢とともに生活習慣病(高血圧、2型糖尿病、脂質異常など)の合併がある。その予防となる睡眠や減塩などを啓発する講演(市民公開講座)が、1月12日(日曜)午後に吉野川市で、開催された。勤務の美波病院が非番で、2つの講演会に出席できたので、その様子を紹介する。
(1) 徳島みらいネットワーク
鴨島駅の南側(麻植協同病院跡地に建設された日本フネン市民プラザ)で開催された。主催の徳島みらいネットワークは、柏口信二医師(整形外科医)や岡本和夫さん(アナウンサー)らによるNPO法人。勢井宏義先生(徳島大学)による「眠れない、と悩む前に」と題した講演があった。学生時代を含め40年以上の睡眠研究を紹介し、レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠の周期や、日本人(特に女性)の睡眠時間が少ないことを指摘した。
次に、高校生の過労を考える(睡眠負債にどう対処するか)という討論があり、元高校野球の監督やトレーナー、理学療法士などが、学生寮やスマホが普及した現代社会の問題点について議論した。
(2)徳島大学病院 薬剤部
鴨島駅北にある吉野川市文化研修センターで開催された。高血圧は万病のもとで、減塩が重要とされている。多職種連携が必要で、まず徳島大学病院の医師(佐田政隆教授)や、看護師、栄養士、薬剤師から減塩の大切さ、その実際が紹介された。
その後、日下美穂先生(呉市)による、「命のSDGsの優先順位は減塩環境と血圧コントロール」と題した講演があった。長年、地域ぐるみで減塩に取り組んでおられ、とても参考になった。
二つの講演会には、寒い中多くの地域住民が参加されており、2025年もよい睡眠や減塩を地域で普及したいと考えている。
☆徳島みらいネットワーク
⇒https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/036000058
☆徳島大学病院 薬剤部(石澤啓介教授)
⇒http://square.umin.ac.jp/pharm_tks-u_hosp/index.html
(1)
(2)
御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第200号を終わらせていただきます。本年もとくしま医師バンク通信をよろしくお願いいたします。
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次回の「とくしま医師バンク通信」第201号は、令和7年2月19日(水)の発行予定です。
アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga
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