私はフィリピンのビコールクリスチャン医科大学を卒業し2023年から徳島大学の初期臨床研修プログラムである『AWAすだちプログラム』で初期研修を始めました。『AWAすだちプログラム』では、大学病院のみならず徳島県内の病院、近畿圏の病院、北は北海道、南は沖縄の病院で研修することができます。また、研修する診療科においても、自身で選択し、その順番まで決める事ができます。私の場合は、海外の医科大学を卒業したので、日本の医療及び日本の臨床現場がかなり異なることはわかっていました。そこで、自分が比較的慣れている分野である診療科から研修を始めましたが、日本の大学病院は最先端の治療が提供される場所であり、フィリピンとは全く異なる治療の数々に驚くばかりでした。結果としては、ご指導いただく先生方に多大なご迷惑をおかけすることになりました。しかし、上級医、指導医の先生方は、私が徳島大学出身ではなくても快く丁寧に指導してくれました。これは、他の大学出身者の研修医達も実感していることころです。そのおかげで、大学病院の研修をのびのびと受けることができ、初期研修そのものが面白くなってきました。2年目の研修では、3年目に入局する診療科を念頭に置いて、自分の興味のある診療科を選択し、徳島県立三好病院、つるぎ町立半田病院、徳島市民病院などの外の病院での研修経験を糧にすることができました。
私は自身の成長に合わせた初期研修を過ごすことで、人より遅いながらも、なんとか後期研修に間に合うレベルになったかな…と思います。
他の研修医の中には、最初の1年間を3次救急病院で過ごし、救急手術や処置、全身管理に慣れてから、2年目に進路と関連のある診療科で更なる知識を身につけている研修医もいれば、外科を中心に選択して必要なスキルを磨きあげている研修医もいました。自分自身に合ったスピードで成長させていくことができる最大の理由は、自分達の未来に向かってカスタマイズ出来る『AWAすだちプログラム』だからこそだと実感しています。このプログラムに対して感謝の気持ちしかありません。徳島大学病院卒後臨床研修センターの『AWAすだちプログラム』は最高の初期研修プログラムです。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
徳島県では、県内における臨床研修医等の確保に向け、新たに「一時金支援制度」を創設しました。
詳しくは、以下のURLのリンクから、内容のご確認をよろしくお願いいたします。
支給対象者:徳島大学医学部に在籍する「徳島県外出身」の方で、「県内の臨床研修プログラム」で初期臨床研修を行う方
支給額: 100万円 ※臨床研修プログラムを修了することが条件
募集人数(令和6年度):15名(R7年度から県内の医療機関で初期臨床研修を行う者)
募集時期:令和6年11月11日(月)から令和7年2月28日(金)まで(募集期間延長!)
詳しくは、下記URLからご確認ください。
https://www.pref.tokushima.lg.jp/med/categoryMedical/sonota/kikan/7245175/
2024 年 11 月30日(土曜)午後、大塚講堂(徳島大学/蔵本キャンパス)にて、表記研究会が「第12回 全国 ID-Link 研究会」として開催された。会場へ参加できたので、その様子を伝える。テーマは「ICTが変える地域医療の今と未来」で、大会長は永廣信治 前理事長(吉野川病院)が務められた。
開会式の後、9題の一般演題。私どもも、「人手不足、災害不安の小病院から EHR(Electric Health Record)に望むこと」と題し、美波病院での「阿波あいネット」の実情を示した。
次に、武藤真祐先生(社団鉄祐会)による「地域情報連携システムを活かす ICT の実用例」と題した基調講演。教育講演は、横山邦彦先生(公立松任石川中央病院)による「令和 6 年能登半島地震におけるいしかわ診療情報提供ネットでの PDQ(Patient Demographics Query)+EMS(Emergency Medical Services) 機能の運用」。災害時の「名寄せ」の実際が参考になった。そして、IDリンク開発者の伊藤龍史さんによる「医療 DX と ID-Link が共存する未来」、長島公之先生(日本医師会)による「全国医療情報プラットフォーム創設と地域医療情報連携ネットワーク(地連 NW)の未来」という特別講演があった。
最後に、「地域医療連携ネットワークの克服すべき課題」という題目で、パネルディスカッションが行われた。松久宗英 理事長(徳島大学)による「阿波あいネット」の紹介と課題。その後、長島公之(栃木県:とちまるネット)、島貫隆夫(山形県:ちょうかいネット)、松本武浩(長崎県:あじさいネット)、横山邦彦(石川県:いしかわネット)、下村剛(大分県:おおいた医療ネットワーク) の諸先生と、「地連NW」の今後について議論した。
その後の意見交歓会にも出席し、すだちや、鳴門鯛の刺身、ボウゼのお寿司、竹ちくわ、フィッシュカツなどを賞味しながら、懇親を深めた。少人数の病院では、「地連NW(阿波あいネット)」への期待は大きく、今後の発展をと思った。
☆阿波あいネット⇒https://awainet.com/
☆ID-Link(アイディリンク)⇒https://www.mykarte.org/
看板
大会長の永廣先生らと
御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第199号を終わらせていただきます。来年もとくしま医師バンク通信をよろしくお願いいたします。
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次回の「とくしま医師バンク通信」第200号は、令和7年1月15日(水)の発行予定です。
アドレスの変更・配信停止はこちら
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