初期臨床研修医1年目の長尾悠生です。今年の4月から徳島県立中央病院で研修を開始し、半年が経過しました。初めは社会人としてうまくやっていけるか、新しい環境に馴染めるかなど不安でいっぱいでしたが、上司や同期に恵まれ、徐々にできることも増え、充実した研修ができております。
徳島県立中央病院では学生の頃に1ヶ月間実習しており、とても魅力的な病院と感じておりましたが、研修してから新たに気づいた魅力もたくさんありました。1つは救命救急センターで救急科研修、当直をこなすことでより実践的な診察能力を培えることです。当院では3次救急という最も緊急度・重症度の高い患者さんの受け入れを専門的に行っていますが、軽症から重症まで幅広く受け入れ診察をします。その中で研修医は患者さんの初期対応から参加し、救急科専門医の手厚いサポートを受けながら診療を進めていきます。そして日々、様々な症例を経験し、難しい症例は上級医からのフィードバックを受けながら診療能力を養っていくことができます。
また同期が13人と多いことも魅力の1つです。同期が多いと日々の生活で分からないことがあっても気軽に相談することができたり、各科のローテーションや当直時にタスクを分担することができます。また休憩時間も医局にいる同期と楽しく息抜きすることができます。まだ気づけていない魅力もたくさんあると思うので、日々の研修の中で少しずつ発見していきたいと思います。
最後に今年の抱負についてです。1年目が終わるまでに医学生と医師のギャップを埋めることが目標です。医師になって、半年が経過しましたが、まだまだ社会人としての自覚が足りていない部分もあると感じています。ギャップを埋めることで日々の研修の中に余裕が生まれ、より医師として成長ができると考えます。初期研修での経験は医師人生において土台になるので、積極的に診療に取り組みつつ、医師としての自覚と責任を持って日々の研修に取り組みたいと思います。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
徳島県では、県内における臨床研修医等の確保に向け、新たに「一時金支援制度」を創設しました。
詳しくは、以下のURLのリンクから、内容のご確認をよろしくお願いいたします。
支給対象者:徳島大学医学部に在籍する「徳島県外出身」の方で、「県内の臨床研修プログラム」で初期臨床研修を行う方
支給額:100万円(研修開始時に支給)※臨床研修プログラムを修了することが条件
募集人数(令和6年度):15名(R7年度から県内の医療機関で初期臨床研修を行う者)
募集案内の時期:令和6年10月以降(令和6年度の医師臨床研修マッチング結果の発表以降)を予定
その他、下記URLからご確認いただけます。
「第1回阿波あいネット研究会(第12回ID-Link研究会in徳島)」が一般社団法人阿波あいネットにより開催されます。
詳しくは、以下のURLのリンクから、内容のご確認をよろしくお願いいたします。
離島・へき地・中山間地域など医療環境が厳しい地域に設置された国民健康保険診療施設(国保直診)の仲間が集う、表記学会が2024年10月4日(金)・5日(土)の2日間、岩手県盛岡市にて開催された。メインテーマは『地域包括医療・ケアで地域の「絆」をより強く~地域医療学会発祥の地「イーハトーブ」から未来へ発信』。「イーハトーブ」とは、童話作家の宮沢賢治が理想郷を指す言葉として用い、岩手の地を指すとのこと。
全国の開設者(町長など)が一堂に会しての「国保直診開設者サミット」、他分野の専門家から学ぶ「特別講演」、地域包括医療・ケアの実践者による「シンポジウム」、全国各分野からの識者による「教育セミナー」、全国の多職種の仲間による「研究発表」、国診協各委員会・部会が企画する「専門分科会」など多くの興味深いプログラムがあった。
初日の開会式では、73名の医療職が会長表彰された。私も、地域包括ケアシステム推進功労者の一人として受賞した。さらに、地域包括ケアを推進したいと考えている。
2日目の研究発表(口演)では、「リハビリテーション診療導入 9 年目に思うこと」と題し、当院での実践を述べた。地域包括ケアでリハビリテーションは重要でさらに拡充したいと考えている。
よく学んだ後の地域医療交流会(初日)では、徳島県内や全国の国保の仲間と久闊を叙した。わんこそば大会(ブロック別対抗戦)があり、愛媛、高知の2人と一緒に四国ブロックから出場した。1分間に24杯たいらげたが、3位以内の入賞は逸した。盛岡さんさ踊りも見物し、楽しい夜となった。
岩手県中西部の沢内村(現 西和賀町)はかつて、豪雪、貧困、多病・多死という悪条件下の中で全国初の乳児死亡ゼロを達成し、その後も保健と医療の一体化を図るなど、地域包括医療の魁(さきがけ)となっている。また、賢治の「雨ニモマケズ」の一節には、「南ニ死ニサウナ人アレバ、行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ」とある。地域包括ケアで、重要なACP(advance care planning)にも通じる。
かつての第58回学会 (2018年)は、徳島市で開催した。徳島から東北は遠かったが、それ以上に収穫のあった学会であった。なお第65回は、25年10月に和歌山市で開催される。
☆第64回全国国保地域医療学会 ⇒https://gakkai64iwate.com/index.html
☆誰も取り残さない村づくりー命を未来につなぐ地域保健(JICA)
⇒https://www.jica.go.jp/Resource/activities/schemes/tech_pro/case/20230412.html
看板
開会式の様子
自動販売機に一節
御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第197号を終わらせていただきます。秋冷の折、風邪など召されませぬようくれぐれもご自愛ください。
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次回の「とくしま医師バンク通信」第198号は、令和6年11月20日(水)の発行予定です。
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