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とくしま医師バンク通信 Vol.195(8月号)

目次

  1. 「地域ブランディング海部」による医療従事者確保への新たなる挑戦! 徳島県病院局 局長 福壽由法
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. 高校の同窓会から学ぶ 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田壮一
  5. 編集後記

1.「地域ブランディング海部」による医療従事者確保への新たなる挑戦!

徳島県病院局 局長 福壽由法

 今回は、県立海部病院における医療従事者の確保に関する新たな取組を皆様にご紹介したいと思います。

 地域医療を支える医療従事者の確保は、我々県立病院が取り組むべき最優先事項であると考えております。

 一方、近年では、ワークライフバランスの充実や、幸福度を意味する「Well-Being」の実現が重視される傾向にあり、我々県立病院も、「医療従事者に選ばれる病院」となることが求められています。

 この点、海部病院は「ビーチライフを実現できる病院」として、県内サーフィン発祥の地である、内妻海岸に車で3分の距離である地の利を最大限に活かし、地域が一体となって、新たなブランド価値を創造することができる可能性を大いに秘めていると考えております。(※1、2)
こうしたことから、去る8月3日(土)、県サーフィン連盟と協定を締結し、サーフィンと仕事をともに楽しめる病院「サーフ・ホスピタル・海部」として、新たなライフスタイルを海部病院から発信し、地域ブランディングによる医療従事者の確保という新たな波に乗るための第一歩を踏み出しました。(※3)

 また、新たに「県立病院・魅力発信アドバイザー」に就任いただきました武知 実波(たけち・みなみ)様からも県立病院の魅力発信に向けた御助言をいただきながら、医療従事者に選ばれる病院となるため、まさに「ビッグウェーブ」に乗れるよう、前例にとらわれない様々な取組を推進して参ります。

 まずは、サーフィン連盟様と連携し、医療従事者対象のサーフィン大会と海部病院見学を合わせたツアーの開催を目指しているところです。

 また、美波病院や海南病院をはじめとする近隣の公的病院とも連携し、医療従事者の移住、確保にも積極的に取り組んでいきたいと考えておりますので、是非ご期待いただければと思っております。

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2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 /med/categoryMedical/sonota/houjin/7233491
 

3.医師情報箱

臨床研修医等の確保に向けた「一時金支援制度」の創設について

 徳島県では、県内における臨床研修医等の確保に向け、新たに「一時金支援制度」を創設しました。

 詳しくは、以下のURLのリンクから、内容のご確認をよろしくお願いいたします。

支給対象者:徳島大学医学部に在籍する「徳島県外出身」の方で、「県内の臨床研修プログラム」で初期臨床研修を行う方

支給額:100万円(研修開始時に支給)※臨床研修プログラムを修了することが条件

募集人数(令和6年度):15名(R7年度から県内の医療機関で初期臨床研修を行う者)

募集案内の時期:令和6年10月以降(令和6年度の医師臨床研修マッチング結果の発表以降)を予定

その他、下記URLからご確認いただけます。

臨床研修医等の確保に向けた「一時金支援制度」の創設について|医療とくしま (tokushima.lg.jp)

4.高校の同窓会から学ぶ

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田壮一

 2024年8月4日(日)、出身の富岡西高校(阿南市)の同窓会総会(牛岐(うしき)会と称す)が同校で開催された。私事にはなるが、その講演会が興味深かったので紹介する。

 演者は、文部科学省の相原恵子さん。徳島新聞に紹介された(遠くでトーク、7月13日)。現職は初等中等教育局教科書課の教科書企画官。海陽町のお生まれで、富岡西・東京大学経済学部を卒業後、2005年に文部科学省へ。入省後、教育政策や科学技術・イノベーション政策、大臣官房など幅広く経験されている。関東への修学旅行生と在京の卒業生との交流会や、500人に及ぶ徳島新聞奨学生の交流会組織(TUNAGU会)の発足に関わられている。

 九州大学同窓生・基金課長の経験から、大学の寄附募集活動(fund-raising)について述べられた。残念に思うが、国立大学法人は毎年1%運営交付金が削減されており、外部資金獲得が重要となっている。卒業生にアンケートを行い、返礼品(リターン)よりも、大学との関係性やプロジェクトに対する共感が支援に結び付くとのこと。

 医学教育課の課長補佐として、地域の医師養成にも関わられた。平成20年度以降、医学部入学定員を過去最大規模に増員。地域枠などの学生数、割合が増加している(173人から1,736人、18.8%に)。20大学から71大学に拡大しているという。

 現在は、教科書企画官として、個別最適・協働的な学びの実現に向けて尽力されている。新学習指導要領では、「生きる力」の理念の具体化を目指し、主体的・対話的で深い学び、そして、資質・能力の育成を目的としている。教科書が使用されるまで、4年かかる。デジタル教科書の可能性についても言及された。

 国家公務員の幹部候補として、2年毎の異動となっている。最もやりたいことは何かとお聞きすると、「大学教育」とのこと。資金不足があるが、よりよい高等教育への改革をお願いしたい。

 同日、脇町高校(美馬市)の芳越(ほうえつ)同窓会総会も開催された。記念講演は、前川裕子医師(県立三好病院、千葉大学の卒業)、「後悔しない人生を~歩んできた道のりと被災地に寄り添った12年~」。前夜に開催された徳島県プライマリ・ケア研究会で懇談し、将来は在宅医療に従事したいとのこと。

 相原さんや、岩手県立宮古病院を支援された前川先生ら女性の活躍に目を見張る。高校同窓会で久闊を叙し、さらに地域医療を粛々と行いたいと思う。

☆文部科学省

https://www.mext.go.jp/

☆牛岐同窓会(富岡西高校)

https://tomiokanishi-hs.tokushima-ec.ed.jp/cbbda85f1147f3d33fd6dd1d425c0ee0

☆芳越同窓会(脇町高校)

https://wakimachi-hs.tokushima-ec.ed.jp/dousoukai

☆被災地医療の経験をふるさとで生かす…岩手で12年勤めた循環器内科医(読売新聞)

https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20240128-OYO1T50011/

5.編集後記

 御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第195号を終わらせていただきます。残暑厳しき折、体調をくずされませんようお気を付けください。

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次回の「とくしま医師バンク通信」第196号は、令和6年9月18日(水)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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