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とくしま医師バンク通信 Vol.192(5月号)

目次

  1. 「公衆衛生医師(精神科医)」のカテゴリーに惹かれて 徳島県東部保健福祉局(吉野川保健所)(兼)徳島県精神保健福祉センター 坂本 泰啓
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 「阿南市事前復興シンポジウム」に参加して 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.「公衆衛生医師(精神科医)」のカテゴリーに惹かれて

徳島県東部保健福祉局(吉野川保健所)(兼)徳島県精神保健福祉センター 坂本 泰啓

 令和6年4月1日付けで徳島県庁職員に採用されました坂本泰啓と申します。「とくしま医師バンク通信」の誌面にて徳島県の先生へのご挨拶の機会を下さった徳島県保健福祉部医療政策課の清水元気先生に、まずは厚くお礼を申し上げます。

 新人職員なのに若さはなく、むしろ徳島県の医師平均年齢を押し上げたことをお許し下さい。平成6年に母校鹿児島大学で精神科医としてのトレーニングを開始し、平成12年に故郷の北海道に戻って札幌医大神経精神科同門の末席に加えて頂きました。SARS対応での保健所業務逼迫は、私を受動的に保健所医師に転身させました。しかし、北海道の豪雪に耐えかねて、千葉県で7年間、長野県で4年間を保健所医師として働きました。長野県での新型コロナ対応は、保健所医師にとって過酷ではあるも、もっとも充実した時期でした。臨床医と公衆衛生医が、あれほど緊密に連携したことはありません。長野県の病院、診療所の先生には、感謝と敬意の気持ちでいっぱいです。そんな私ですが、徳島県で暮らし、働くことを決意しました。

 徳島県庁職員募集の記事は、社会医学系専門医メール・マガジンで偶然、目にしました。徳島県は「公衆衛生医師(精神科医)」のカテゴリーで医師を募集していたのです。自分はこれまで13年間を精神科医として、17年間を公衆衛生医師として働いてきたと思っています。どちらも中途半端なキャリアです。しかし、公衆衛生医師であり、精神科医でもある働き方ができる徳島県は、私にとって魅力あふれる存在となりました。徳島県に奉職して1ヶ月が経ちましたが、私は自分の決断にとても満足しています。

 しかし、地域を知らずしては、公衆衛生医師としても、精神科医師としても、徳島県にとって役立つ人材になり得ません。徳島県に学び、徳島県を愛し、地域の皆様に信頼して頂ける存在となれるよう努力することをお約束申し上げ、私からのご挨拶とさせて頂きます。

 皆様、どうかよろしくお願いします。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

臨床研修医等の確保に向けた「一時金支援制度」の創設について

 徳島県では、県内における臨床研修医等の確保に向け、新たに「一時金支援制度」を創設しました。

 詳しくは、以下のURLのリンクから、内容のご確認をよろしくお願いいたします。

支給対象者:徳島大学医学部に在籍する「徳島県外出身」の方で、「県内の臨床研修プログラム」で初期臨床研修を行う方

支給額:100万円(研修開始時に支給)※臨床研修プログラムを修了することが条件

募集人数(令和6年度):15名(R7年度から県内の医療機関で初期臨床研修を行う者)

募集案内の時期:令和6年10月以降(令和6年度の医師臨床研修マッチング結果の発表以降)を予定

その他、下記URLからご確認いただけます。

臨床研修医等の確保に向けた「一時金支援制度」の創設について|医療とくしま (tokushima.lg.jp)

民間医局レジナビフェア2024 大阪 ~臨床・専門研修プログラム~

 「レジナビフェア2024 大阪」に徳島県の臨床研修病院が参加します。

 参加には、事前の申込が必要となります。以下のURLのリンクから、内容を確認の上、申込ください。

 多くの学生の皆様の、御参加をお待ちしています!

 日時:令和6年5月26日(日)11:00~17:00(予定)

 場所:インテックス大阪 1・2号館(大阪府大阪市住之江区南港北1丁目5-102)

 イベント詳細・申し込み:https://www.residentnavi.com/rnfair/272

4.みどころ・イベント情報

 新型コロナウイルス感染症の影響による、観光施設の休館・短縮営業、イベントの中止・延期等があります。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/kyukan.html

5.「阿南市事前復興シンポジウム」に参加して

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 災害対策に、「事前復興準備」という用語がある。防災・減災とともに、平時から災害が発生したときを想定し、どのような被害が発生しても対応できるよう、復興に役立つ対策を事前に準備しておくことと定義される。

 1月の能登半島震災後の2024年3月6日(水)の午後に阿波銀行阿南支店にて、「阿南市事前復興シンポジウム」が開催された。主催は阿南高専で、美波町の隣市で関心があり参加した。残念ながら診療のため、第三部のみ参加した。だが、4月末には記録動画が公開され、下記URLから本シンポジウムのYouTubeを視聴できた(約5時間)。

 シンポジウム1は、「富岡・中野島の事前復興デザイン」。日亜化学の工場の近くの阿南市中野島に、桑野道路の阿南インター・チェンジが建設中となっている。まず、羽藤英二先生(東京大学大学院工学研究科)が「復興の未来」と題してご講演。みんなで作る事前復興まちづくりとして、東京大学や阿南高専の学生らの発表があった。

 シンポジウム2は、「阿南市での防災地理部発足に向けて」。宇和島市や、陸前高田市を視察した阿南高専、八幡浜高校の防災地理部の取り組みが紹介され、議論された。

 最後のシンポジウム3は、「緊急災害対策派遣隊らが見た能登半島地震に学ぶ」。「ラジオとくしま防災委員会」の瀬戸恵さんが司会をされた。徳島河川国道事務所の関英智さんが、「能登半島地震から見えてきたもの(インフラ被害を中心に)、緊急災害対策派遣隊員からの現地報告」、阿南市の山本寛大さんが、「避難所の運営支援」のご講演。その後、徳島県災害派遣福祉チーム(DWAT)の青木正繁さんもシンポジストになり議論があった。道路啓開(けいかい、緊急車両等の通行のため、早急に最低限の瓦礫処理を行い、簡易な段差修正などにより救援ルートを開けること)や避難所の実際を学んだ。

 災害医療に加え、美波町での事前復興を考えるのに、有益なシンポジウムであった。準備・運営を担当した多田豊先生(阿南高専)に感謝する。

☆阿南市事前復興シンポジウム

https://sites.google.com/anan-nct.ac.jp/ananjisenfukko/2023%E5%B9%B4%E5%BA%A6

☆ラジオとくしま防災委員会

https://www.facebook.com/radio.tokushimabousai791/

☆全国老施協DWAT(災害派遣福祉チーム、Disaster Welfare Assistance Team)

https://www.roushikyo.or.jp/index.html?p=we-page-entry&spot=405929

6.編集後記

 少し暑さを感じる頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今月も皆様の御協力により例月どおり発信することができました。御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第192号を終わらせていただきます。季節の変わり目ですので、体調をくずされませんようお気を付けください。


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次回の「とくしま医師バンク通信」第193号は、令和6年6月19日(水)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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