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とくしま医師バンク通信 Vol.190(3月号)

目次

  1. ”今が私のターニングポイント” 徳島大学病院 卒後臨床研修センター 副センター長(特任准教授) 西 京子
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 第268回徳島医学会 ダイジェスト 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.“今が私のターニングポイント”

徳島大学病院 卒後臨床研修センター 副センター長(特任准教授) 西 京子

 徳島大学医学部医学科をH3年に卒業した頃は、33年後にこのような岐路を迎えるとは予想していませんでした。徳島大学脳神経外科に初の女性医師として入局してから今日まで、多くの方々に支えていただきながら医師として働き続けてこられたことに感謝しています。

 本年度で長年勤めて参りました徳島大学病院を退職いたしますが、私のキャリアを振り返ってみると全てが現在に繋がっているように感じます。

 脳外科医としての前半では、脳外科・脳卒中専門医になり当時の脳外科医局では初の大学院生としてPh.D.を取得後、McGill大学のモントリオール神経研究所に留学させていただきました。帰国して再び大学に復職したのは医師臨床研修制度が開始されたH16年でした。その後、救急集中治療部のスタッフとして勤務した際に各診療科から派遣された先生達との人脈が広がり、研修医と初めて接しました。また脳外科の病棟医長や徳島大学病院の社会保険委員長をさせていただいたお陰で診療科の垣根を越え、医師以外の病院職員にも沢山教えてもらい視野が広がったように思います。

 臨床研修制度により徳島大学病院の研修医が激減し、H20年に卒後臨床研修センター初代専任医師(副センター長)を拝命いたしました(1stターニングポイント)。それからの後半は診療から教育へと大きくシフトしました。H20年から今まで歴代の当センタースタッフと試行錯誤を繰り返す日々でしたが、私の後任として現スタッフ(H22年度元研修医)の門田宗之先生に繋ぐことをとても嬉しく思っています。

 大学病院や協力病院・施設、行政機関等では、研修医と伴に多くを学ばせていただいたことは私の財産となりました。徳島県は若手医師だけでなく看護師さんも足りない厳しい現状です。来年度4月からは徳島県鳴門病院の(新)医療人育成センターで、研修医だけでなく他職種のキャリア形成等にも取り組んで参ります。私にとっての2ndターニングポイントが今だと実感しています。これからは生活に近い医療や教育に携わることで徳島県医療に貢献できるよう精進いたしますので、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

 最後に、徳島県医療政策課の清水元気先生(私にとっての初代H20年度元研修医)からこの執筆を頼まれ、ありがたくお受けさせていただいたことをお伝えいたします。
 

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

レジナビFairオンライン 2024 徳島県 ~臨床研修プログラム~

 「レジナビFairオンライン 2024 徳島県」を令和6年4月20日(土)に開催します。

 参加には、事前の申込が必要となります。以下のURLのリンクから、内容を確認の上、申込ください。

 多くの学生の皆様の、御参加をお待ちしています!

 日時:令和6年4月20日(土)12:50~17:50(予定)

 場所:Zoom開催

 その他、詳細は下記URLをご参照ください。

 https://www.residentnavi.com/rnfair/293

4.みどころ・イベント情報

 新型コロナウイルス感染症の影響による、観光施設の休館・短縮営業、イベントの中止・延期等があります。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/kyukan.html

5.第268回徳島医学会 ダイジェスト

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 第268回徳島医学会が、2024年3月10日(日曜)、大塚講堂(徳島大学蔵本キャンパス)で開催された。コロナ禍のためオンラインとハイブリッドの開催が続いていたが、今回は会場のみで、参加者と旧交を温め有意義であった。

 まず、教授就任講演が3題。1)応用栄養学分野(医科栄養学)の 瀬川博子教授:「生体内リン恒常性と疾患-分子同定・生理学的役割解明から治療ターゲットへの可能性の発掘へ-」。2)胸部・内分泌・腫瘍外科学分野の滝沢宏光先生:「肺癌外科治療の課題解決を目指して」、3)精神医学分野の沼田周助先生:「統合失調症のエピジェネティクス研究」。様々な医学分野の最新知見を学んだ。

 次に、ポスターセッション。久しぶりに会場での発表となった。私どもも、「届け出が必要な感染症における保健所との連携」と題して、粟粒結核や日本紅斑熱の症例や啓発活動を紹介した。座長の救急集中治療医学分野の大藤純先生(4月より、卒後臨床研修センター長を併任)より、若手医師の教育も行うことが重要とアドバイスをいただいた。昼食をとりながら、医学だけでなく歯科や栄養学・看護学、研修医の発表も聴き、学ぶ機会となった。

 さらに、第50回学会賞受賞者の表彰・講演があった。1)消化器癌における診断マーカーの臨床的有用性(消化器・移植外科学分野 和田佑馬先生、2)徳島県立海部病院における医療格差是正と医師働き方改革のための遠隔医療~遠隔救急診療と5G遠隔オンライン診療~(同院 脳神経外科 影治照喜先生)。特に後者は、地域医療の人手不足の一助になることを期待している。

 最後のプログラムは、市民公開シンポジウムで、テーマは「感染症の診断と制御」。徳島県内の5人の演者が登壇した。1)COVID-19との戦況報告(田岡病院 吉岡一夫院長)、2)新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの基礎(微生物病原学分野 駒貴明准教授)、3)呼吸器感染症の現状と展望(呼吸器・膠原病内科 阿部あかね先生)、4)ウイルス感染症の画像診断(放射線診断科 新家崇義先生)、5)コロナ禍での放射線治療の工夫(放射線治療科 外礒千智先生)。演者らが未曾有のコロナ禍をどう診療し乗り越えたかを理解した。

 結びに、担当教室の原田雅史先生(放射線医学分野)、野間口雅子先生(微生物病原学分野)、徳島県医師会や学会事務局の久米琴巴さん、ありがとうございました。
☆徳島大学大学院 医歯薬学研究部 微生物病原学分野(野間口研究室) ⇒https://htnvcl1.wixsite.com/microbiology
☆同 放射線医学分野 ⇒https://radiology-tokushima.com/
☆徳島県医師会 ⇒https://www.tokushima.med.or.jp/
☆影治照喜 他:徳島県立海部病院における医療格差是正と医師働き方改革のための遠隔医療~遠隔救急診療と5G 遠隔診療~. 四国医誌,79(5,6),253~262 ,2024
⇒https://www.tokushima-u.ac.jp/fs/4/4/3/0/3/6/_/0311______________.pdf

6.編集後記

 桜もようやくほころびはじめましたころ、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今月も皆様の御協力により例月どおり発信することができました。御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第190号を終わらせていただきます。来年度もよろしくお願いいたします。


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次回の「とくしま医師バンク通信」第191号は、令和6年4月17日(水)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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