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とくしま医師バンク通信 Vol.185(10月号)

目次

  1. 「徳島県で働き始めた医師として今思うこと」 徳島赤十字病院 初期臨床研修医 篠原 諒
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 「第61回 全国自治体病院学会、第63回 全国国保地域医療学会」 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1. 徳島県で働き始めた医師として今思うこと

徳島赤十字病院 初期臨床研修医 篠原 諒

 初めまして。徳島赤十字病院初期臨床研修医 篠原 諒と申します。私は徳島大学地域枠学生として卒業後、現在医師2年目として日々研修させていただいております。

 私は徳島県阿南市の出身で、幼い頃病弱であったためにほぼ毎週のようにかかりつけの先生の下でお世話になっておりました。そういった背景があり、成長し健康になった後もこの徳島県の医療を担いたい、幼い頃に私を治療して下さった先生方のようになりたいと思うようになり、医師を志しました。

 現在は、ご縁あって県下でも有数の症例数を誇る当院で、日々忙しくさせていただいております。憧れの先生方に一歩でも近づけるよう、上級医の先生方から熱いご指導を頂き、また身近な同期と切磋琢磨しながら、毎日精進しています。今後初期臨床研修医としての肩書が外れた際に、1人で立ち回っていけるかという一抹の不安はありますが、来年春を迎えるまでにその不安を払拭できるよう、頑張ろうという気概で溢れています。

 徳島県で医師として働く上で感じることとしては、徳島県内での医師の偏在が挙げられます。徳島県は、人口あたりの医師数が全国的にもトップクラスに多いとされていますが、その多くは徳島市内に偏在化しており、県南や県西には医師が不足しているのが実情です。原因としては、利用できる医療資源に限りがあること、インフラが整備されていないことなどが挙げられると考えており、医師の偏在化を根本的に是正するためにはそれらの整備は必須と考えています。加えて、医師が少ない地域で医師が自発的に働きたくなるような経済的インセンティブを押し出す必要があるのではと考えます。制度として医師を強制的に派遣することも確かに有効ではありますが、医師が県南・県西で働きたいと思えるような環境を整備していくことがこれからの徳島県にとって重要なのではないかと考えています。

 学生時代の実習や研修中に何度か県南・県西の病院に伺ったことがありますが、どちらもとても良い町で、だからこそ是非現状を打破し医療の安寧を確立してほしいと考えます。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等は中止、延期またはWEB開催となっている場合があります。
個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。

4.みどころ・イベント情報

 新型コロナウイルス感染症の影響による、観光施設の休館・短縮営業、イベントの中止・延期等があります。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/kyukan.html

5. 第61回 全国自治体病院学会、第63回 全国国保地域医療学会

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 当院は、美波町国民健康保険が母体で、町立の公立病院になる。公立病院の集まりである全国自治体病院協議会(全自病)や全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)は、年1回の全国学会を各地で行っている。徳島市においても、2019年に自治体病院学会、18年に国保地域医療学会を行い、私は委員や副学会長として運営に参加した。

 2023年は留守番がみつかり、両方の学会に参加できた。学ぶことが多かったので、様子を報告する。
(1) 第61回全国自治体病院学会

 2023年8月31日(木)・9月1日(金)の2日間にわたり、北海道札幌市で開催された。苫小牧市立病院の松岡伸一院長が学会長を務め、「未来に輝け、自治体病院」「~Mission! 持続可能な地域医療を構築せよ~」をテーマに開催された。中央、三好、海部の徳島県立病院や鳴門病院、徳島市民病院からも参加、発表されていた。私も、「ミッションは、地震・津波、COVID-19に対するサステイナブルな地域医療」と題したポスター発表を行い、災害医療への取り組みを紹介した。

(2)第63回 全国国保地域医療学会

 2023年10月6日(金)・7日(土)、福井市にて開催された。学会長は中村伸一先生(おおい町国民健康保険名田庄診療所)で、テーマを「コロナ超え、今こそ羽ばたく地域包括ケア~幸福の地に翔(かけ)る不死鳥の如く~」として開催された。県内の半田病院(つるぎ町)からや、影治信良美波町長など全国から多くの首長が集い学んだ。私は、「『主治医意見書』から始まる地域包括ケアの推進」と題して、講演発表を行い、地域処方箋としての価値を訴えた。

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 コロナ禍が過ぎ、3年ぶりに知人と交流会などで会話を交わすことは、楽しいものであった。また、学会場にて集中して学べた。2024年は、それぞれ新潟・山形で開催予定と聞いた。地域医療を粛々と行い、その成果を両学会で示し続けたいと考えている。

【参考】
☆第61回 全国自治体病院学会(札幌)
https://www.toccs.jp/index.php
☆苫小牧市立病院
https://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/hospital/gaiyo/intyo.html
☆第63回 全国国保地域医療学会(福井)
https://kokuho63.cloudcongress.org/
☆おおい町国民健康保険名田庄診療所
https://www.town.ohi.fukui.jp/object/object08/8003/p10475.html
 

6.編集後記

 暑かった夏も終わり、段々と肌寒い季節になってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今月も皆様の御協力により例月どおり発信することができました。御寄稿いただいた先生方をはじめ、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信」第185号を終わらせていただきます。朝夕は肌寒い毎日ですが、お体にお気をつけてお過ごしください。
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次回の「とくしま医師バンク通信」第186号は、令和5年11月15日(第3水曜日)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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