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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.168(5月号)

目次

  1. 『私が徳島に来た経緯』 さくら診療所 松村 武史
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『第2回 徳島医療政策講演会』 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『私が徳島に来た経緯』

さくら診療所 松村 武史

吉野川市のさくら診療所の松村武史です。今回は私が徳島に来た経緯についてです。

私は高校3年時に途上国で働く医師の番組を見て医師を志しました。卒後は出身校の兵庫医科大学胸部外科に入職しました。医師3年目27歳の時に、「20代のうちに海外へ出よう」と青年海外協力隊に挑戦し、他職種での採用でしたが、国際協力に従事することができました。2年間の青年海外協力隊で感じたことは、「途上国でも専門家はいるし、中途半端な知識や技術では役に立たない」と感じました。そのため帰国後は国際協力はせず、まず途上国で役に立つ医師になること目指し、一生懸命臨床に従事しました。また、いつでも国際協力が始められるよう世界に近い東京(今では思っていません)で働いてみようと上京しました。

40歳を越え、国際協力を始めようとする中で、現在所属する特定非営利活動法人TICOを発見し、「国際協力に興味があります」とメールを送りました。こう書くと大抵は「寄付をいただければ、私たちが役立てます。これも国際協力です。」さらに、「心臓血管外科の先生は求めていません。」と返事が来るのが普通ですが、TICOの吉田代表からは「ザンビアで一緒に働きましょう。一度徳島に遊びに来てください。国際協力について語り合いましょう!」と返信が来ました。初めて自分を肯定されたような気になり、すぐに徳島を訪問しました。初めて訪れた徳島で吉田代表が開業されたさくら診療所を見学して、そこが国際協力する拠点になって、地域医療を行いながら国際協力を行い、助け合って働いていることを聞きました。さらに「ザンビアで心臓の手術をしましょう!」と言われ、徳島移住を即決しました。翌日上司に伝え、教授と面談し、数ヶ月後徳島にきました。これが8年前になります。地域医療を全く知らず、興味がなかった私ですが、さくら診療所で働き始め、普通に診療したら良いことに気づきました。訴えがあれば診察し、検査して、必要があれば入院や転送を考えれば良いだけでした。私は今もさくら診療所での診療を続けています。国際協力については、2017年からザンビアで心臓血管外科チームの育成プロジェクトを立ち上げ、年に2回ザンビアへ渡航し活動を続けています。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

 新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等は中止,延期またはWEB開催となっている場合があります。

 個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。

4.みどころ・イベント情報

 新型コロナウイルス感染症の影響による、観光施設の休館・短縮営業、イベントの中止・延期等があります。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/kyukan.html

「みんなで!とくしま応援割」対象地域の拡大について

「みんなで!とくしま応援割」については、下記のとおり期間延長および対象地域が拡大されています。

応援割利用期間:令和4年4月1日(金)~令和4年5月31日(火)

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/minna-ouen2.html

 既存予約の扱いなど、最新の実施状況についてはリンク先を御確認ください。

5.『第2回 徳島医療政策講演会』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

2022年 4月 22日 (金)に、表記講演会が徳島県医師会館で開催された。WEB配信で、興味深く視聴した。座長は、森岡久尚教授(徳島大学)。演者は今村知明先生(奈良県立医大)で、演題は「地域医療構想や働き方改革などの医療をとりまく施策の現状と、コロナ禍を受けての今後の動向」であった。
わが国の大問題は将来の人口構成の変化で、これから日本で起こることを示した。2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、人口は減少するのに、医療・介護サービスの需要が著しく増大する。対策として、地域医療構想や地域包括ケアシステムが練られている。
特に、在宅医療と在宅介護サービスの需要が、大幅に増加する。しかし、この受け皿としての在宅医療は問題が山積している。すなわち、高齢化と病床再編による急激な患者増に、在宅での医療提供が追いつかない。これに加えて看取りへの対応が必要である。予算や人手が足りず、家族も老老介護状態となっている。訪問看護サービスにより「看取り」まで行うには訪問看護師の24時間・夜間対応が必要だが、 施設や在宅訪問看護サービスへの負担増に必要となる看護師数が足りない。それに加えて、地域や家族も自宅で看取る意識がまだ低く、在宅療養への意識づけや相談支援が必要である。
さらに、地域医療構想と新型コロナを受けての医療計画の策定として、地域医療構想を踏まえた「公的医療機関等2025プラン」の策定が始まっている。5疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)や、5事業(救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児救急医療)に加え「新興感染症等の感染拡大時における医療」が6事業目に追加され、第8次医療計画(2024年度~2029年度)が策定される。
また政府は、地域医療構想に加え、医師偏在対策と働き方改革を「三位一体」で推進していく方針があるが、これらを同時に解決することはむずかしい。
医療界が自主的に動き出すことが理想的である。しかし、これにコロナ対策が上乗せされるため、今後の動向を注視する必要があると結んだ。診療とともに、保険診療を含む医療政策を学ぶ必要を感じており、時宜にかなった講演会であった。

☆厚生労働省 在宅医療
⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html
☆奈良県立医科大学 公衆衛生学
⇒https://www.naramed-u.ac.jp/~hpm/intro_greetings.html

6.編集後記

ゴールデンウイークも明け、いよいよ梅雨が近づいて来ましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私の最近の悩み事は、犬のしつけです。生まれて7か月になりますが、トイレの失敗が多く、わざと失敗しているのではと思うこともあり、イライラしてしまうこともありますが、気長に見守っていきたいと思います。ドクターカモンメール共々よろしくお願いいたします。

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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第169号は、令和4年6月15日(第3水曜日)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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