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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.167(4月号)

目次

  1. 『2年間のコロナ禍を振り返って』 医療政策課 課長補佐 清水 元気
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『日本地域包括ケア学会の第3回大会に出席した』 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『2年間のコロナ禍を振り返って』

医療政策課 課長補佐 清水 元気

私は3年前に臨床医から転職し、徳島県の公衆衛生医師となり新たな一歩を踏み出した。当時は、徳島保健所の疾病対策担当で、結核やエイズ対策を主な業務としていたが、以前勤めていた急性期の医療機関に比べて穏やかな時間を過ごしていた。

2020年1月に新型コロナウイルス感染症が日本にやってきて状況は一変した。保健所は健康危機管理の司令塔の役割を担っており、発熱患者の相談窓口となったことで、電話回線がパンクするほど電話が鳴り響いた。当時、検査体制も脆弱で、14日以内に流行地域への渡航歴があり、発熱が4日以上続き呼吸器症状がある患者を検査対象としていたため、医療機関からお叱りの電話をいただくことも多かった。

検査で陽性となると、疫学調査といって感染源の探究、濃厚接触者の特定と検体採取、立ち寄り先の情報収集、公表についての調整など、神経をすり減らす調整が毎晩遅くまで続いた。その後、2021年4月から医療政策課に異動となり、入院調整本部で陽性者の入院調整に従事することになった。

2年間、ゆっくり考える間もなくコロナ対応を続けたが、振り返ってみると大きな変化が起きていることに気がついた。ワクチンや経口薬が使えるようになったことも大きいが、一番大きな変化は、医師会と信頼関係を築くことで、医療機関での検体採取、宿泊療養、自宅療養、施設内療養が可能となったことだ。毎日、休みなくコロナ患者の対応をしてくださる医療従事者の方たちには本当に感謝しかない。行政と公立・公的医療機関の患者対応が原則だったのが、今は地域医療に変化しつつある。

コロナ禍が長期化しており、正直、先の見えない暗い気持ちになることも多いが、振り返ると、コロナ禍で医師会や看護協会、薬剤師会、公立・公的医療機関との信頼関係、協力関係がより一層強くなったことは、徳島県の大きな財産になったと思う。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

 新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等は中止,延期またはWEB開催となっている場合があります。

 個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。

4.みどころ・イベント情報

 新型コロナウイルス感染症の影響による、観光施設の休館・短縮営業、イベントの中止・延期等があります。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/kyukan.html

「みんなで!とくしま応援割」対象地域の拡大について

「みんなで!とくしま応援割」については、とくしまアラートが「感染観察(レベル1)」に引き下げられたことに伴い、事業が再開されています。

応援割利用期間:令和4年4月1日(金)~令和4年4月28日(木)

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/minna-ouen2.html

 既存予約の扱いなど、最新の実施状況についてはリンク先を御確認ください。

5.『日本地域包括ケア学会の第3回大会に出席した』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

私も委員を務める介護保険委員会(徳島県医師会)は、介護保険の円滑な運用のため、年1回の「主治医研修」を行っている。令和3年度は、2022年3月 14日 (月)19時半から、Web配信で開催された。要介護認定の仕組みや、主治医意見書の具体的な記載方法について学んだ。最後に、鈴木邦彦会長(茨城県医師会)による「茨城県医師会の新型コロナウイルス感染症、および地域包括ケアシステムに対する取り組みについて」という講演を拝聴した。講演の中で6日後の学会(後述)を紹介され、興味深く思い参加した。

◇ ◇◇

 「日本地域包括ケア学会」の第3回大会が、3月20日(日)午後に、ZOOMを用いたオンライン形式で開催された。テーマは、「感染症や大規模災害に備えるために、地域包括ケアシステムを活用する」。

まず、基調講演として、「コロナ禍を踏まえた地域包括ケアシステムと、地域医療構想のあり方について」と題し、松田晋哉先生(産業医大、日本地域包括ケア学会副理事長)が話された。

次に、シンポジウムが2つあった。まず、「コロナ禍における地域包括ケア~医療の観点から~」。松井道宣会長(京都府医師会)、田母神裕美さん(日本看護協会)、新田國夫理事長(日本在宅ケアアライアンス)、草場鉄周理事長(日本プライマリケア連合学会)の4人が登壇された。医師や看護師の立場、そして在宅医療やプライマリケア医のコロナ禍での活躍を学んだ。

二つ目のシンポジウムは、「コロナ禍における地域包括ケア~介護の観点から~」と題して開催された。西澤寛俊会長(日本社会医療法人協議会)、大河内二郎さん(全国老人保健施設協会)、峯田幸悦さん(全国老人福祉施設協議会)、香取幹社長(株式会社やさしい手) の4人が話され、コロナ禍での工夫を紹介された。さらに、指定発言として鈴木邦彦先生(前述)が話された。

最後に、松田晋哉先生(前述)が総評をされた。地域医療では、「地域包括ケア」や、「地域医療構想」、「働き方改革」が重要となっており、遷延するコロナ禍での多職種の「地域包括ケア」の取り組みが参考になった。

☆徳島県医師会

⇒https://www.tokushima.med.or.jp/

☆日本地域包括ケア学会

⇒http://chiikihokatsucare.com/

6.編集後記

 4月から新生活が始まりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 私はこの4月から前任者に代わりドクターカモンメールを担当することとなりました。先日、晴れた日曜日に犬の散歩で、椎ノ宮神社に行きましたが、つつじの花がとても綺麗で癒やされました。

 まだまだわからないことばかりですが、県の医療体制の向上に向けて尽力して参りますので、ドクターカモンメール共々よろしくお願いいたします。

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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第168号は、令和4年5月18日(第3水曜日)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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