みなさま初めまして、こんにちは。私は現在徳島大学病院で小児科医として勤務しています。私は小児神経専門医のため、小児神経疾患の患者さんを診察する機会が多くあります。その患者さんの中には、在宅で人工呼吸器管理や経管栄養などをされている患者さんも多く、今回は小児在宅医療の実際がどうなっているのか勉強させていただくために「小児在宅医療に関する人材養成講習会」に参加させていただきました。
今回はコロナ渦ということもあり、全国の在宅医療と関わりを持つ方々(医師、行政職員など)とオンラインにて講習会を受けました。そして、徳島県の医師会館にて徳島県職員の方々、在宅医療に関わる先生方と一緒に、「コロナ禍における災害時の在宅児に対するBCP(事業継続計画)を作成する」ことを目標に、皆さんで話し合いを行いました。しかし、通常の災害時での在宅児の対応を考えるだけでも、個別の症例それぞれに事情があり難しく、その上にコロナ禍ということを考えるのは非常に困難でした。それでも、皆さんと一緒に「在宅児の把握を平時からしておき、災害時に備える必要がある」という認識を共有できたことはよかったと思います。
会の最後に各県の考え方を発表する場面がありましたが、北海道などは範囲が広域であることから特別な事情があることがわかりましたし、千葉県など既に災害を経験している県などでは具体的な案も聞くことができ、とても参考になりました。徳島県は東部地区に医療圏が集約しているため、西部や南部などでどのようにしていくか、など考えることは多いと感じました。やはり徳島県は徳島県として、特徴を生かして県全体で協力する必要があると思います。まずは、在宅で療養されている患者さんの情報をできるだけ把握し、それぞれのニーズに合った医療を災害時にもできるだけ提供できるように、普段からシミュレーションができればと思いました。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等は中止,延期またはWEB開催となっている場合があります。
個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。
とくしまアラートが引き下げられたことにより、徳島県民対象の「みんなで!とくしま応援割」を、令和3年10月1日(金)から再開しています。
※詳細はこちら
徳島県では、就職、進学、単身赴任等により県外に居住されている方が、12月31日(金)までに本県に帰省される場合に、事前に無料でPCR検査を受検いただける制度をご用意しており、既に多くの方々にご利用いただいております。
※検査結果確定までに日数を要しますので,帰省予定日から逆算して,「9日前」までにお申し込みいただくことを条件としております。
※詳細はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kenko/kansensho/5048105/
2021年11月13日(土曜)は、世界糖尿病デーの前日。阿波おどり会館(徳島市)が、糖尿病啓発のため青色に照明された。残念ながら、徳島県では糖尿病緊急事態宣言が続いており、食事(野菜摂取の促進など)や運動習慣(歩数の増加)の改善が勧められている。
1)糖尿病とインスリン
1921年にカナダでインスリンが発見され、100年目となる世界糖尿病デーに、日本糖尿病学会は、「インスリン発見100周年記念シンポジウム」をウェブで開催した(11月14日)。
まず、葛谷健名誉教授(自治医科大学)による「インスリン治療の100年」の講演。20世紀最大の発見といわれる「インスリンの発見」のエピソードからその応用、製剤の進歩などを興味深く拝聴した。次に、糖尿病学会の理事長、植木浩二郎先生(国立国際医療研究センター)が、現在の糖尿病診療の概説をされた。
その後、今後100年を見据えて4つの分科会が開催された。(1) インスリン分泌・製剤・デバイス・細胞、(2) インスリン作用、(3) 「糖尿病とは?100年後の糖尿病治療は?」、(4) 「糖尿病合併症とは?」について、議論された。
インスリン治療や糖尿病学の進歩により、徳島県の緊急事態宣言を早く終了としたいものと思う。
2)動脈硬化
10月23日(土)・24日(日)、荒井秀典先生(国立長寿医療研究センター)が会長で、「第53回 日本動脈硬化学会総会・学術集会」が京都市で開催された。テーマは、「ライフステージを考慮した動脈硬化リスクのマネジメント」。糖尿病は動脈硬化を促進することが知られ、両者の予防が重要である。
この学会の市民公開講座:「ポストコロナの生活習慣病対策」が、ウェブで公開されており、視聴した。まず、野口緑さん(大阪大学)による、「ポストコロナ、改めて見直したいメタボ予防」。特定健診(メタボ健診)の歴史・意義や具体的な食事指導が有益であった。
次に、飯島勝矢先生(東京大学)による、「高齢者診療・フレイル予防の視点から~コロナフレイルの怖さ~」。さらに、野出孝一先生(佐賀大学):「COVID-19と心臓病」のわかりやすい講演が続いた。
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紹介した二つのシンポジウムや市民公開講座は、期間が限られるが、学会員以外も視聴できる。この学びを、患者さんや住民に還元したい。
☆インスリン発見100周年記念シンポジウム
⇒https://kwcs.jp/insulin100/index.html
(12月1日(水)正午から14日(火)まで、オンディマンドで視聴できる)
☆第53回日本動脈硬化学会総会・学術集会、市民公開講座「ポストコロナの生活習慣病対策」
⇒https://www.c-linkage.co.jp/jas53/open_seminar
(11月30日(火)まで視聴できる)
立冬を過ぎ、日増しに寒くなってまいりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルスの感染状況は今年に入って一番の落ち着きを見せており、徳島県では新規感染者が0人という日も増えてきました。しかしながら、感染の再拡大が予測されております。県でも臨時医療施設の設置など、第6波に備えた取組を進めておりますが、皆様におかれましても感染再拡大の防止のため、引き続き日常生活の中での対策をお願いいたします。
さて、先月より、マイナンバーカードの健康保険証利用が本格開始されました。まだ医療機関への導入は低調ですが、国は「令和5年3月末までに概ね全ての医療機関での導入」を目指しております。まだ導入がお済みでない医療機関の関係者様におかれましては、この機会に導入の御検討をお願いいたします。また,個人でもマイナンバーカードの取得、保険証利用の申込を御検討ください。
(参考)医療機関での導入についてはこちら
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html
マイナンバーカードの保険証利用の申込についてはこちら
https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html
それでは以上を持ちまして、とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール第162号を終わらせていただきます。師走が近づき、お忙しい毎日かと思いますが、体調に気を付けて、お過ごしください。
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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第163号は、令和3年12月15日(第3水曜日)の発行予定です。
アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga
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