みなさま、こんにちは。
毎日、コロナウイルス感染症の報道がなされ、身近に感染症が迫っている状態にやきもきしている方が多いのではないでしょうか。コロナウイルスに感染しないためには、三密を避けること、マスクをきちんとすること、手洗い・消毒をすることと言われ続けてきました。
そのような中、我々にさらに強力な武器ができました。それがワクチンです。日本では、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3社のワクチン接種ができる予定です。県内でも既に一部の医療関係者ではファイザーのワクチン接種が完了しており、ワクチン入荷に伴って接種が進んでいるところです。5月中にすべての医療従事者への2回目の接種が完了するよう目指しています。当初、副反応を心配される方が多かったのですが、重症化予防・感染防止の効果が素晴らしいので、十分接種する意義があると考えられています。
徳島県では、4月12日の週からは高齢者接種も始まります。市町村ごとに多少は異なりますが、個別接種と集団接種を行うことになっています。徳島市では、基本型接種施設とサテライト型接種施設として手上げされている164医療機関での個別接種と徳島市生涯福祉センター(ふれあい健康館)で日曜日・祝日ごとの集団接種を行ない、約5.3万人の高齢者が、6月末までに接種を終える予定となっています。かかりつけ医がいる高齢者は、かかりつけ医と相談して接種していただき、そうでない方は徳島市が設置するコールセンターに連絡してワクチン接種スケジュールを決めていただくようになります。高齢者に続いて基礎疾患のある方などを優先的に接種することになっており、最終的には希望する国民すべての接種ができるように計画されています。
このコロナワクチン接種事業は、国民の集団免疫を獲得し、1日でも早く、明るい日常生活を取り戻すための大事な接種となります。みなさまのご協力をお願いします。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等は中止,延期またはWEB開催となっている場合があります。
個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。
「もっと!とくしま応援割」については県内の新型コロナウイルス感染拡大を受け、停止となりました。
※詳細はこちら
第118回 日本内科学会総会・講演会が、2021年4月9日(金)~11日(日)、赤司浩一会長(九州大学) の下、東京国際フォーラムと「会場LIVE配信」とのハイブリッドで開催された。
関連する第38回 日本臨床内科医会総会(開催県は千葉県;中村信会頭)も、11日(日)にウェブ配信(東京・新宿から放映)で開催された。午前の総会行事の後、3つの講演があり、それぞれ興味深い内容であったので、ダイジェストする。
1)鈴木亮先生(東京医大):「高齢者糖尿病診療のポイントと治療薬の選択」
現在、糖尿病患者の3/4が65歳以上となっている。ADLや認知機能ともに、フレイル・サルコペニアになっていないかの評価が重要。目標体重は、BMI:25ぐらいまでと幅があり、タンパク質の摂取が大事になる。有酸素運動に加え、レジスタンス運動やストレッチが重要。薬剤は低血糖を回避し、“Time in Range(血糖値が70から180までの時間)”を、高齢者では50%以上を目指す。心不全を伴う患者さんには、SGLT2薬が望まれる。合併症だけでなく、認知症などの併存症があり(multi-morbidity)、サポートする制度(介護保険・地域包括ケアシステム)を理解する必要がある。
2)横手幸太郎先生(千葉大学):「Withコロナ社会に活きる臨床内科医学の可能性」
まず、肥満には食欲抑制薬の効果が少なく、metabolic surgeryが増えている。DNA helicaseの異常による遺伝性早老症を解析、研究している。また、病院長を務め、病院のmanagementについて言及された。ワーク・モチベーションを上げる工夫をしている。実際の院内クラスター発生の経験を示され、有益であった。現在、コロナワクチンセンターを立ち上げ、2,600人の接種に取り組まれている。ヒトは生存を脅かす要因(飢餓、感染、創傷)に対し、食欲・脂肪摂取、免疫・炎症、細胞増殖・細胞外マトリックス産生で対応した。しかし現在の食事・運動などの生活変化で、肥満、生活習慣病や動脈硬化・糖尿病合併症が生じていると説いた。
3)鈴木康裕先生(前 厚生労働省);「新型コロナウイルス感染症と日本の医療」
初代の医務技監を務められ、昨年のCOVID-19への国の対応を振り返った。客船ダイヤモンド・プリンセス号の教訓や、日本の奇妙な成功(Factor X)、いわゆる感染第一波と第二波の違い、検査法の変遷、期待されるワクチンなどを俯瞰した。また、保健所の役割を説明された。人口あたり病床の多い日本では、1)病床当たりの医療従事者が少ない、2)公立・民間の役割分担が不十分、3)医療機関ごとに対応がそれぞれ必要で困難であるなど、難点がある。今後の感染症対策として、サージ・キャパシティー、IoTの普及、プライバシーの保護と公益確保のバランス、リスクコミュニケーション、ECMOなどのトリアージ、倒産・失業が自殺に与える影響を考える必要がある。「ケネディー大統領とキューバ危機」に、現在の状況をたとえられたのが印象に残った。
◇ ◇ ◇
2021年度に入ったが、COVID-19患者の増加・重症化が懸念される。最新の情報を知りながら、粛々と診療を続けたい。
☆日本内科学会
☆日本臨床内科医会
新年度が始まりました。皆様におかれましては、気持ちも新たにご活躍のことと存じます。
徳島県では、新型コロナウイルスがかつてない拡がりを見せています。一日の感染者数は連日30人を超えており、東京の人口で言えば1日あたり600人以上の感染者が出ているという危機的な状況です。このような現状に対し、県では初めてとなる飲食店への時短要請を行うなど県民の皆様にさらなる感染対策をお願いしているところです。新型コロナウイルスとの戦いには終わりが見えず、新年会など様々なことが制限される中でストレスが溜まっていることと思いますが、引き続き不要不急の外出の自粛や、個人でできる感染予防策の実施をよろしくお願いいたします。
今月号の巻頭言は徳島市医師会の岡部先生に御寄稿いただきました。新型コロナワクチンについては医療従事者と高齢者への優先接種が同時に進行中です。全国民が接種を終えるのはまだ先のことになりますが,少しずつでも効果が現れることに期待したいところです。
それでは以上を持ちまして徳島医師バンク通信ドクターカモンメール第155号を終わらせていただきます。最後になりましたが,今年度もドクターカモンメールをどうぞよろしくお願いいたします。
**************************************************************************
次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第156号は、
令和3年5月19日(第3水曜日)の発行予定です。
アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga
**************************************************************************