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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.154(3月号)

目次

  1. 『コロナ禍、Team All Tokushima で徳島の医療を守る』 徳島県医師会副会長・徳島県有床診療所協議会会長 医療法人新浜医院 森 俊明
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『冬の徳島医学会は、ハイブリッド方式』 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『コロナ禍、Team All Tokushima で徳島の医療を守る』

徳島県医師会副会長・徳島県有床診療所協議会会長 医療法人新浜医院 森 俊明

 ドクターカモンメール読者の医学生・研修医&若手医師の皆様方におかれましては、年度末の慌ただしい中を元気で頑張っておられることと思います。こんにちは、初めまして、ということでございますが、この原稿を書いている時は、わが国初の新型コロナウィルス感染症ワクチンの先行接種のニュースで持ちきりです。

 徳島県におきましても、3月より医療従事者等から順次接種が開始される予定ですが、その準備のため徳島県、徳島県医師会、市町村、郡市医師会が合同で毎晩のように協議・確認を重ね、幾多の混乱が予想される中、国からの情報に対応しながら少しでも良い接種体制が構築されるように取り組んでいます。

 大変な時代ではありますが、戦後最大の国家作戦と言われる今回のプロジェクトは、県民・行政機関・各種医療関係団体(医師会・歯科医師会・薬剤師会・看護協会等)が一致団結の元で今後の徳島県における医療体制を考えるうえでも、重要な局面ではないかと考えております。そのためにもTeam All Tokushimaでの医師会の役割をしっかり認識をして取り組んで参りたいと思います。

 ところで医局や研修医の部屋に月刊の「徳島県医師会報」なる一見どうでもよさそうな冊子が目に付かない所へ置いてありませんか。もし目に留まりましたら、少しでも中を覗いていただければ幸いです。冊子の中では新型コロナ感染症対策など医療を取り巻く諸問題に関する記事や、これから病・病連携、病・診連携等々で関わるかも知れない先輩Dr.の投稿など、徳島の医療の動静を知るうえで役立つことがあるかも知れません。

 私は医師として節目(かどうか分かりませんが)の40年目を迎えようとしています。1982年に卒業し県職に任用と同時に徳島大学第2外科(現、胸部・内分泌・腫瘍外科)に入局しました。県立中央病院、三好病院を経て、自治医大卒の医師に特徴的なキャリアコースである中山間部の診療所と大学勤務を交互に行い、義務年限後は再び大学で従前から携わっていた乳腺外科の診療・研究に従事しました。その後、徳島市の「有床診療所」を当時では珍しい第3者承継を行い、開業医として現在に至っています。

 「有床診療所」という名称は聞き慣れないと思いますが、これを機会に名称だけでも覚えていただければ幸いです。「有床診療所」は規模の小さい(19床以下)入院施設をもつクリニックのことで、県内には約70施設あります。外来・入院患者を医師一人が担当してる施設が多いことに特徴があり、専門医療(産婦人科、整形外科、眼科など)を提供する施設、介護との連携や在宅医療の後方入院対応など、役割・機能は多岐にわたっていますが、今後は地域包括ケアシステムの中、複数医師体制で幅広い医療・介護・福祉を展開する「有床診療所」が求められるでしょう。

 医師が100人いれば100人の異なるキャリアがあります。また医師という職業を選択すれば40年あるいは50年以上という長い医師人生が待っています。今はコロナ禍の真っ只中でありますが、自然に恵まれている徳島ですので、密を避けて空気の良い所などを散策しながら将来について思いをはせていただければと思います。皆様方の未来に期待を寄せるとともに、徳島の医療がより良い方向に向かうよう共に頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 /med/categoryMedical/sonota/houjin/7233491
 

3.医師情報箱

 新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等は中止,延期またはWEB開催となっている場合があります。

 個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。

4.みどころ・イベント情報

 新型コロナウイルス感染症の影響による、観光施設の休館・短縮営業、イベントの中止・延期等があります。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/kyukan.html

もっと!とくしま応援割

 徳島県在住の方が徳島県内で宿泊した場合に、1人1泊最大5,000円の宿泊助成を行うとともに、県内の「利用対象施設」で利用できる最大5,000円分の「とくしま周遊クーポン」を提供するキャンペーンを実施します。

 実施期間:令和3年3月1日(月曜日)から令和3年5月31日(月曜日)まで

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/motto-ouen.html

5.『冬の徳島医学会は、ハイブリッド方式』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 3月7日(日曜)に、令和2年度冬期の徳島医学会学術集会が開催された。第262回となるが、本学会は約130年もの歴史があるという。

 COVID-19流行中のため、前回に続きウェブと会場(徳島県医師会館)のハイブリッド方式となり、午前9時から午後1時半までの短縮プログラムで開催された。徳島大学医学部の当番教室は、細胞生物学(米村重信教授)と形成外科(橋本一郎教授)の両分野であった。都合でウェブでの参加となったが、様子を紹介する。

 まず、教授就任記念講演が2題。1)篠原勉教授(地域呼吸器・総合内科学)が、肺非結核性抗酸菌症について;2)井崎ゆみ子教授(保健管理部門)は、思春期・青年期の精神疾患について解説された。

 次に、授賞式。徳島医学会賞を受賞された原加奈子さん(代謝栄養学)は、筋萎縮について;佐藤隆久先生(徳島西医師会)は、糖尿病検診について発表された。

 その後、シンポジウムが開催された。テーマは、開催の両教室の研究に関連する「きずが治るメカニズムときれいに治す治療」。安田浩先生(産業医大)が特別講演。創傷治療での創部管理(wound bed preparation)や、TIMEの概念を示した。T:tissue、I:infection/inflammation、M:moisture、 E:edge of woundの4点に注意する必要があると。続いて両教室から2名ずつ演者が登壇し、わかりやすく細胞やキズについて解説された。

 ポスター発表は、ウェブとなった。今回は発表動画の提出が義務とされ、学会終了後も2週間閲覧できる。私どもも、近年の地域医療にて問題となっている2題を発表した。すなわち、1)介護施設の高齢入所者に対する診療の問題点;2)地域での転院搬送の実際と問題点(山崎寛門研修医(徳島市民病院)が発表)。他に31題の様々な医学分野からの発表があり、興味深かった。

◇ ◇ ◇

 本学会は、大学と医師会が共同で開催している。抄録や受賞者の発表論文は、四国医学雑誌に掲載されている。次回は、COVID-19流行が終息し、会場でポスター討論をできることを祈念し結びとする。

☆徳島県医師会
⇒https://www.tokushima.med.or.jp/
☆四国医学雑誌(徳島大学 医学部) 
⇒https://www.tokushima-u.ac.jp/med/research/achievement/22935.html
☆産業医科大学病院 形成外科
⇒https://www.uoeh-u.ac.jp/hospital/gaiyo/bumon/keisei.html

6.編集後記

 日ごとに春めいてまいりましたが、皆様におかれましてはお元気でご活躍のこととお喜び申し上げます。

 先日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長より「早晩、変異株が主流となる」との見通しが語られました。全国で医療従事者を対象としたワクチン接種が始まりましたが、変異株の流行による効果減が懸念されております。一般向けの接種開始はまだ先であり、効果が表れるまではしばらくかかりそうです。

 さて今月号の巻頭言は新しく徳島県医師会の副会長に就任された森先生に御寄稿いただきました。先生には特に若手医師の皆様に向けたメッセージをいただきました。今年度もあとわずかとなりました。来月からは新しい環境での生活が始まるという方も多いかと思います。新たな1年が医師の皆様のキャリアにとって実り多きものになることを願っております。

 それでは以上を持ちまして徳島医師バンク通信ドクターカモンメール第154号を終わらせていただきます。今年度もドクターカモンメールをご愛読いただきまして、ありがとうございました。4月からも変わらぬご支援をいただけますようお願い申し上げます。

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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第155号は、
令和3年4月21日(第3水曜日)の発行予定です。

アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga

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