はじめまして。徳島大学医学部医学科1年の福永翼と申します。私は、昨年12月11日に大学で開催された、飯泉知事と徳島大学医学部「地域枠」1年生とのキックオフミーティングに参加させていただきました。
まず初めに、このようなご時世でお忙しい中、貴重な意見交換の場を設けていただいた飯泉知事はじめ、県の職員の方にお礼を申し上げます。キックオフミーティングでは、それぞれの自己紹介に始まり、個々が感じている疑問・問題などを知事に投げかけ、そのことに対して知事が熱心にアドバイスをくださりました。特に、このコロナ禍により、満足いく学生生活が送れていない私たちに、知事はどのように今の時代を生きていくべきかというのを話されていたのが大変印象に残っています。
この場を通して、私は徳島県の医療問題に対して行政がどのように取り組んでいるのか、これからの計画はどのように進められているのかという事について、実際に知事から聞くことができました。そのことにより、将来自分がどのように徳島県の地域医療に貢献していきたいかという事について深く考えることができましたし、今自分がしなければならないことについて再認識する良い機会となりました。
また、相手が分かりやすいようにお話をされる知事の姿から、これから社会に出て活躍するためには、コミュニケーション能力が必要不可欠であると強く感じました。様々な個性のある患者さんとその家族、他の医療従事者と信頼関係を築くには、コミュニケーション能力が求められており、常に円滑に物事が進むように考えるのも医師の重要な役目なので、言葉を介したふれあいを大切にします。
現在の難局を乗り越えた先には、必ず明るい未来が待っていると信じています。今の満足できない生活を言い訳にして、チャレンジしないことや行動を起こせていないことを正当化するのではなく、自らアクションを起こし、例えそれが失敗してもそれが成長の糧になると思うので、この大学生活という限られた時間の中で、自分のしたいことに積極的に取り組んでいこうと思います。
最後に、今回の貴重な経験を生かして、医学の勉強に励むのはもちろん、常に徳島県の医療課題について関心を持ち、人としても様々なことに挑戦して成長しようと決意しました。将来、徳島の地域医療を担う事の出来る私の理想とする医師に近づくために、より一層精進して参ります。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等は中止,延期またはWEB開催となっている場合があります。
個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。
県民の皆様が期間中、県内の登録宿泊施設で宿泊をする場合に、上限額の範囲で宿泊料の割引を行います。
実施期間:令和2年12月1日(火)から令和3年2月28日(日)まで
※詳細はこちら
https://www.awanavi.jp/topics/ouenwari-fuyu.html
毎年1月下旬には、徳島大学病院に関連する医療機関の連絡協議会が徳島市で開催されている。コロナ禍により2021年は、1月29日(金曜)午後にウェブ会議の形で開催された。徳島大学病院の歩み(香美祥二院長)や、その研修医教育、地域医療、医療情報などの取り組みに加え、“コビッド19”についての特別講演があり、拝聴したので紹介する。
演者は押谷仁先生(東北大学)で、題目は「新型コロナウイルスの現状と今後の課題」であった。押谷先生の専門は微生物学で、新型コロナウイルスの説明から始まった。同じコロナウイルスのSARSウイルスは、感染性は低いがほとんどが重症化する。そのため、感染連鎖を中国・広東省までたどることができた。一方、コビッド19は軽症者・無症候感染者が多いため、感染連鎖が見つけられず、突然にクラスター(患者の集積)あるいは孤発例(感染源のわからない例)として検出される場合が多い。封じ込めは困難で、感染拡大のスピードを抑制し、可能な限り重症者の発生と死亡数を減らすことを目標としている(厚生労働省クラスター対策班、2020年2月)。
ほとんどの諸外国が前向き(prospective)接触者調査を行っているが、日本は、さかのぼり(retrospective)調査を行った。クラスター対策により、クラスター連鎖を未然に防ぎ、多くのクラスターから対策のポイントを把握することができた。また、蔓延の3密条件(密閉、密集、密接)が分かった。
2020年3月下旬の輸入症例、4月の緊急事態宣言、2~5月、6~8月、10月下旬~1月下旬と、疫学的に振り返った。
次に、現在の関心事のワクチンについて。“Game changer”になるには、1)安全性、2)長期有効性、3)感染阻止効果、3)ワクチン接種率(特に若年層)、4)接種体制の構築、5)様々な基礎疾患を持った後期高齢者での有効性(重症化阻止効果)が、課題と考えられる。
以上、特にクラスター対策(super-spreading event)の重要性を強調された。
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東京・大阪などの都市圏に比べ、徳島県内はクラスターでのコビッド19発生がほとんどである。院内感染を防ぎ、高齢者施設の支援や、医療従事者から始まるワクチン対策に尽力しようと考える。
☆徳島大学病院
⇒https://www.tokushima-hosp.jp/
☆同 卒後臨床研修センター
⇒https://www.tokudai-sotsugo.jp/index.html
☆同 徳島県地域医療支援センター
⇒http://t-cm.jp/
☆同 病院情報センター
⇒https://medinfo.ait231.tokushima-u.ac.jp/
☆東北大学 微生物学分野
⇒http://www.virology.med.tohoku.ac.jp/ja/index.html
向春の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先月発出された緊急事態宣言は、10の都府県で解除を見送られ、新型コロナウイルスの影響はまだ続きそうです。今後国内でもワクチンの接種が開始される予定ですので、これにより感染拡大が収まることに期待したいところです。
さて、今月は徳島大学医学部1年の福永さんと美波病院の本田先生にご寄稿いただき、無事発行することができました。お二方にはこの場をお借りして感謝申し上げます。
それでは以上を持ちまして徳島医師バンク通信ドクターカモンメール第153号を終わらせていただきます。まだまだ寒い日が続きますが、皆様お元気にお過ごしください。
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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第154号は、
令和3年3月17日(第3水曜日)の発行予定です。
アドレスの変更・配信停止はこちら
https://www.pref.tokushima.lg.jp/dr-bank/mailmaga
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