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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.151(12月号)

目次

  1. 『新型コロナウイルス感染症対策における看護の力』公益社団法人徳島県看護協会 会長 稲井 芳枝
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『マスキングテープを使ったホスピタルアート(ウェブシンポジウム)』 美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『新型コロナウイルス感染症対策における看護の力』

公益社団法人徳島県看護協会 会長 稲井 芳枝

 現在、世界の新型コロナウイルス感染者はおよそ6千万人を超え、日本でも約13万人と発表されており、今なお日本を含めた全世界で感染者数が増加しています。まさに世界的緊急事態であり、国難でもあります。

 徳島県においても現在187名の感染者が確認されており(R2.12.14現在)、今後も感染拡大が予想され、引き続き気を緩めることなく感染対策に取り組まなければなりません。

 このような中、感染予防対策をとりながら、日夜最前線で働いておられる医療従事者の方々に、心から敬意を表しますとともに感謝申し上げます。

 徳島県内には、現在13,370名の看護職が医療機関や介護施設、訪問看護ステーション、保健所等あらゆる場所で看護実践を行っております。感染リスクの不安とともに、県民の感染への不安・恐れから生じる「差別・偏見」を向けられることもありながら、強い使命感と責任感を持って働き続けています。

 今般の新型コロナウイルス感染症対策における看護職の果たすべき役割とは、(1)平時からの感染対策を含めた確かな看護の実践(2)「看護職」という共通の知識・マインドに基づいた信頼関係づくり(3)目的達成に向けた看護職のチーム力の発揮(4)使命感や地域貢献等「看護の心」に裏付けされた潜在・AWAナース(退職した看護職等) の活躍(5)関係機関から「頼られる看護の実践」等、医療現場に限らずあらゆる場で生活者の視点で健康を守るということを原点とする「看護の力」だと思います。

 今年は、近代看護の礎を築いたナイチンゲール生誕200周年記念の年をコロナ禍という特別な状況で迎えましたが、看護の原点に立ち返ることができました。ナイチンゲールの「看護の覚え書き」には、先ず換気や清潔を保つことの重要性をあげています。このナイチンゲールの精神は、今なお色あせない教訓となっています。

 最後に、今後の感染拡大の状況を迎え撃つには、円滑な医療提供体制の構築が必要不可欠であり、そのためにも医療従事者の方々が力を合わせて乗り越えなければならないと思います。看護協会としましてもあらゆる対策を講じて参りますので、引き続きのご支援・ご協力をよろしくお願いします。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。

 →徳島県地域医療支援センターHP

 http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

 →徳島県医療勤務環境改善支援センターHP

 http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

 新型コロナウイルス感染症の影響により、研修会等の中止,延期またはWEB開催となっている場合があります。

 個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。

4.みどころ・イベント情報

 新型コロナウイルス感染症の影響による、観光施設の休館・短縮営業、イベントの中止・延期等があります。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/kyukan.html

Go To キャンペーンタイアップ「徳島で得するケン」【期間:8月1日(土)~1月31日(日)予定】

 「Go To Travel キャンペーン」タイアップ事業として、「徳島で得するケン」付き専用プランにて徳島県内で宿泊した旅行者に、1人5,000円分の「徳島で得するケン」を合計4万人に提供いたします。

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/tokusuruken.html

冬のとくしま応援割

 県民の皆様が期間中、県内の登録宿泊施設で宿泊をする場合に、上限額の範囲で宿泊料の割引を行います。

 実施期間:令和2年12月1日(火)から令和3年2月28日(日)まで

 ※詳細はこちら

 https://www.awanavi.jp/topics/ouenwari-fuyu.html

5.『マスキングテープを使ったホスピタルアート(ウェブシンポジウム)』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 マスキングテープ(masking tape)は、塗装箇所以外を汚さないための保護用の粘着テープ。粘着力が弱くはがしやすい。さまざまな色や柄のマスキングテープが発売され、装飾やラッピングなどに用いられ人気がある。

 徳島大学総合科学部の田中佳(けい)先生(美術研究者)は、学生と一緒に、ホスピタルアート活動に取り組んでいる(THAL)。同大学病院や徳島市民病院などで、マスキングテープを活用して、廊下などに彩りを加えている。その癒しの効果などに興味を持ち、ウェブシンポジウム(アートミーツケア学会2020年度フリンジ企画)を視聴したので、紹介する。

 「マスキンクグテープ・ミーツ・ホスピタル―医療機関でマスキングテープを活用する―」と題して、2020年11月14日(土)の午後に開催された。

 最初の登壇者は、羽鳥晃司さん(カモ井加工紙株式会社、岡山県倉敷市)の「mtって?」。同社は、蠅取り紙(カモ井のハイトリ紙、1923年)から創業。1961年より、紙粘着テープの製造を始め、2008年より、文具・雑貨向けマスキングテープ「mt」を発売し、グッドデザイン賞を受賞した。

 次に、小中大地さん(筑波大学大学院)は、「ゴブリン制作活動のなかで生まれたマスキングテープによる造形表現」。森羅万象に宿る妖精をかたちにした作品をゴブリンと呼び、病院などにマスキングテープを用いて飾っている。

 3番目に、「マスキングテープアート作業は脳機能を向上するか」。前徳島大学病院長の永廣信治先生(吉野川病院)は脳神経外科医だが、診療とともに、療養士や患者さんと老健施設や回復期リハビリ病床で、マスキングテープを用いている。

 最後に、企画者の田中先生(上述)は、「みんなで作るマスキングテープ壁画」と題して話された。徳島県でのマスキングテープを用いたホスピタルアートの歩みを解説された。

 ◇◇◇

 その後の12月4日(金)、6日(日)、田中先生やTHALの3名の学生さんが、私どもの美波病院に来られ、作品を制作された。ほぼ完成したアートは、患者さん・職員に好評で感謝している。県内の他の病院にも、この癒しの文化活動が広がることを期待している。

☆Tokudai Hospital Art Labo(THAL)

⇒https://www.facebook.com/tokudaithal

☆アートミーツケア学会

⇒http://artmeetscare.org/

6.編集後記

 今年もあとわずかとなりました。皆様におかれましても、年末に向けて何かとお忙しくお過ごしのことと存じます。

 さて、本来ならこれから忘年会・新年会シーズン本番というところですが、他県では「忘年会クラスター」と呼ばれる感染も発生しており、今年は、例年どおりとはいかなさそうです。そんな中ではございますが、先日「新型コロナウイルス感染症対策分科会」より政府に対して、忘年会・新年会・成人式等及び帰省についての提言がなされました。仲間内での小規模な飲み会や帰省等を検討されている方は、こちらの内容にご留意いただき、感染対策の徹底をお願いいたします。

 (参考:https://anshin.pref.tokushima.jp/docs/2020121200019/)

 さて、今月号は、徳島県看護協会の稲井会長と美波病院の本田先生にご寄稿いただきました。今月号も無事発行できたことについて、ご寄稿いただいたお二人と、今年、新型コロナウイルス感染症と最前線で戦っていただいた医師や看護師を始めとした医療従事者の皆様に感謝申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第151号を終わらせていただきます。皆様お健やかによいお年をお迎えください。そして、来年もドクターカモンメールをよろしくお願いいたします。

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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第152号は、
令和3年1月20日(第3水曜日)の発行予定です。

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