初めまして。徳島県立中央病院、初期臨床研修医1年目の立石聖士と申します。私は令和2年3月に自治医科大学を卒業し、4月から徳島県立中央病院で初期臨床研修医として勤務させて頂いております。この度は、4月からの約2ヶ月間に臨床研修医として体験した事や感じた事について述べさせて頂きます。
4月に入ってから約2週間はオリエンテーションとして、病院内施設見学やコメディカルの方々の業務体験をし院内で共に働く方々の仕事内容を経験させて頂きました。その後、新研修医は臨床研修ローテートに従い各診療科に配属となります。私は救急科に配属となりました。救急科では低〜高緊急の様々な疾患の患者が来院され、研修医1年目から診療に参加することができます。はじめのうちは採血に手間取ったり検査オーダーの方法も分からず上級医や2年目の研修医に頼ることばかりでしたが、一つずつ丁寧にご指導いただき未熟ながらもPrimary surveyからSecondary surveyまで実施するようになりました。毎日診療科の異なる患者の診療にあたるため新たに学ぶことも多いですが、1日の勤務後に上級医の先生とその日の診療の疑問点の振り返りがあり、その日のうちに経験した症例の理解を深めることができました。
また現在はCOVID-19問題の渦中であり、徳島県立中央病院にもCOVID-19感染疑いの患者がたびたび搬入されます。歩行可能な患者の場合は医師・看護師が防護服を着用して陰圧室で診療しますが、急患の場合は防護服を着用した複数のスタッフが3次救急室で診療にあたります。通常の蘇生処置だけでなくスタッフや入院・来院患者にも配慮した診察・検査がなされており、院内感染防止対策の重要性を改めて実感しました。
研修中は失敗することや辛いことも多くありますが一度失敗した経験は心に深く残ります。大事なことはその日の診療を振り返り、次の成功に繋げることだと思います。徳島県立中央病院は各診療科の垣根が低く、また先生方が優しく丁寧にご指導してくださり、診療におけるご相談もしやすいためとても心強いです。最後になりますが、2年の研修期間を通して自己の臨床能力や技術を研鑽し徳島県の医療を支える一員となるべく、より一層努力して参ります。
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので、お気軽にご相談ください。
→徳島県地域医療支援センターHP
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。
→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、研修会等は多数中止または延期が決まっております。
個別の研修会等の詳細については各研修会担当者に御確認ください。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、多数イベントの開催中止や観光施設の休館等が決まっております。
※詳細はこちら
徳島県では県民の皆様に地元・徳島でゆったりと観光し、徳島の魅力を再発見していただく「徳島県民限定!とくしま観光キャンペーン『とくしま応援割』」を実施いたします。
※詳細はこちら
毎年5月25日から31日までは、“脳卒中週間”である。脳卒中の中で最も多い脳梗塞の発症が年間では春に少なく、6~8月から増加するので、この時期に、啓発されている。
「Covid-19パンデミック」の影響で、講演会や学会などが中止となっているが、新着の雑誌に関連する1)腎臓病や、2)心疾患、3)高齢者のみとりについての特集があり、紹介する。
1) 日本内科学会雑誌(2020年5月号)
腎炎診療についての特集であった。「糸球体腎炎やネフローゼ症候群の診断と治療の進歩」が解説されている。これらは、糖尿病性腎症に続いて、透析導入になる頻度の多い重要な疾患である。急速進行性糸球体腎炎や、膠原病、感染後糸球体腎炎、膜性腎症、IgA腎症、小児や成人のネフローゼ症候群などについて。腎生検の適応を考えながら、腎臓内科との連携が重要である。
2) 日本医師会雑誌(6月号)
特集は、「心不全パンデミック」。80歳代など高齢化に伴う疾患で、世界的に増加している(パンデミック、大流行と例えられる)。心不全には合併疾患が多く、健康寿命の延伸や再入院の回避、生活の質の改善が治療の目標となっている。そこで、多職種によるチーム医療や、かかりつけ医・在宅診療医を中心に、医療に加え介護・福祉との連携(地域包括ケア)が重要となっている。
2019年12月より循環器病対策基本法が施行され、心不全などの心臓病や脳卒中の予防を中心に啓発活動が活発になっている。
3) Newton (7月号)
地球物理学者の竹内均が創刊した科学雑誌(月刊)だが、医学や生命科学の特集も興味深い。7月号は、「死を科学する」がテーマ。1)死とは何か?2)死の現象や変化、3)死の心理学、4)死や寿命の研究の項目に分けて、きれいなグラフィクスを用いて解説している。
近年は、癌だけでなく、老衰や心不全の緩和・終末期医療が話題になっており、読みごたえのある特集であった。
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紙媒体の情報は、時間をかけてじっくりと読むことができる。地域医療の実践に役立つので、それぞれの雑誌の次号を期待している。
☆日本脳卒中協会 ⇒ http://www.jsa-web.org/
☆日本内科学会 ⇒ https://www.naika.or.jp/
☆日本医師会 ⇒ https://www.med.or.jp/
☆科学雑誌ニュートン ⇒ https://www.newtonpress.co.jp/newton.html
梅雨の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言が先月の後半に全国で解除され、約2週間が経ちました。東京など地域によっては再び感染者数の増加が確認されており油断はできない状況が続いておりますが、何もかもを自粛し続けるわけにもいきませんので、しっかりと自衛を続けながら日常を取り戻していきたいところです。そんな中、全国の自治体では自粛により大きな被害を受けた経済を支えるための取り組みが開始されています。徳島県でも、新型コロナウイルス感染症により大きな被害を受けた観光業を応援するため、県民限定ではありますが、観光キャンペーンを実施しておりますので、この機会に県内の観光地で自粛期間のストレスを発散してみてはいかがでしょうか。
さて、今月号も皆様の御協力により例月どおり発信することができました。御寄稿いただいた中央病院の立石先生や美波病院の本田先生を始めとして、日頃から県の医療行政を御支援いただいている皆様に感謝申し上げます。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第145号を終わらせていただきます。湿度が高く、うっとうしい毎日ですが、気持ちだけはさわやかに過ごしましょう。
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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第146号は、
7月15日(第3水曜日)の発行予定です。
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