文字サイズ

やさしいブラウザ・クラウド版はこちらからご利用下さい

とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.135(8月号)

目次

  1. 『地域医療現場体験ツアーに自治医科大生として参加して』自治医科大学1年 三浦 隆太郎
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『災害救急・災害医療を再考する』美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『地域医療現場体験ツアーに自治医科大生として参加して』

自治医科大学1年 三浦 隆太郎

 梅雨も明けてようやく夏らしい暑さがやってきました!今年の夏は去年の浪人生活とは打って変わって、部屋にこもり冷房をつけて優雅に過ごしております。

 大学に入学して早4ヶ月経ちます。大学の生活には少しずつ慣れ、新しい友達もできました。やはり47都道府県から学生が入学してきているため、県特有の訛りや文化があり新鮮な生活を送っています。そんな自治医大の学生と一緒にご飯を食べに行ったり、勉強することを楽しく感じています。講義では主に生物と物理と化学の知識を使う生命化学を勉強しており、生物の知識が乏しい私は大いに苦戦しています(泣)。試験範囲も膨大で分からないこともありますが、みんなで教え合いながら勉強したのはとても楽しかったです。今、この4ヶ月を振り返ってみると、とても充実した大学生活を送っていることを感じました。

 忙しい大学生活を終えてのんびりした夏休みを過ごす中、私は7/29に高校生地域医療現場体験ツアーに参加させていただきました。私は以前にもそのツアーに参加したことがあり、那賀町の上那賀病院まで行って地域医療について学んだことを今でも覚えています。しかし、今回のツアーでは私が過去に参加したときよりもたくさんの学生がいて驚きました。驚くと同時に地域医療に興味がある学生がこんなにたくさんいることに感激しました。今回ツアーに参加した学生の中から将来、徳島で共に働く医師がたくさん出てくることを望みます。

 今回のツアーではまず徳島県立中央病院を訪れました。病院内では学生達が持っているスマホを使って徳島県立中央病院に関するクイズを答えてもらうなどの面白い企画が用意されていました。クイズの内容は学生達だけでなく私のためにもなるような内容でとても興味深いものでした。クイズの後は、病院内見学を行いドクターヘリやMRIを見て回りました。学生達はじっくりと医療機器を眺めていましたが、私は将来こんな機器を使うことができるか不安と期待が混じった気持ちで眺めていました。施設見学後、学生達は木屋平診療所へと向かいました。診療所では住民の方々からとれたてのおいしいスイカで歓待していただきました。田舎ならではの温かいおもてなしを受けて私は心が和みました。スイカをいただいた後、診療所に勤めていらっしゃる藤原真治先生の講義を受けました。講義では、藤原先生がただ一方的に話すのではなく学生達と住民の間で話し合うという形式で執り行われました。学生達は自分の意見を交換したり、住民から地域での医師の役割について教えてもらっていました。私も話し合いに参加させてもらい、住民の方々のお話を聞いて再度学ばせていただきました。話し合いが終了した後、学生達は木屋平診療所を見学してツアーを終了しました。

 今回ツアーに参加することで私は再度、地域医療について学ぶことができました。また、将来働くことになるであろう地域の雰囲気を肌で味わうことができ、医師としての自覚を再確認することができました。患者さんと地域の文脈を把握した医師になれるようにこれからの大学での勉強をもっと頑張ろうと思います。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し,地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し,医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは,キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので,お気軽にご相談ください。

→徳島県地域医療支援センターHP
http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し,医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し,県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

令和元年度労災保険委員会研修会

日時:令和元年8月26日(月) 19:30~21:00
場所:徳島県医師会館
演題:「医療従事者の働き方改革」
講師:玄番社会保険労務士事務所 玄番 芳江 先生

令和元年度第2回徳島県立中央病院 地域医療連携事業講演会

日時:令和元年9月6日(金) 18:00~19:00
場所:徳島県立中央病院 3階講堂
演題:「薬剤耐性菌:世界と日本の現状」
講師:藤田医科大学 微生物学講座・感染症科 教授 土井 洋平 先生

4.みどころ・イベント情報

【鳴門市・大塚国際美術館】フレンチアート第3弾!9月1日~11月30日

日程:2019年9月1日(日曜日)~11月30日(土曜日)
場所:徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内 大塚国際美術館
TEL:088-687-3737 大塚国際美術館
https://www.awanavi.jp/topics/29929.html

 フランスをテーマにした年間イベントの第3弾「2019年春夏秋冬フレンチアート・FRANCE大塚国際美術館で遊びつくす!」が開催されます。芸術国フランスは、美食の国としても有名です。本イベントは、芸術の秋・食欲の秋を同時に味わえるこの季節に”グルメ”をキーワードにした名画の楽しみ方をご提示します。今秋は大塚国際美術館で、観るだけじゃない、フレンチアートを味わいつくそう!

大鳴門橋うずしおウォークの参加者募集!

日程:2019年9月14日(土曜日)、9月15日(日曜日)
場所:徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園
TEL:06-6252-4009 大阪市中央区南久宝寺町3-1-8 Mpr本町ビル9階 Jtbスポーツステーション
https://www.awanavi.jp/soshiki/0/29789.html

 本四道路活用イベント実行委員会では、旅行会社と連携したインフラツーリズム、大鳴門橋うずしおウォークを次のとおり開催します。
普段は立ち入ることができない大鳴門橋の管理用通路を歩くことができるイベントです。

 壮大なうずしおを眼下に歩き、名勝鳴門の大自然が織り成す迫力を体感しませんか。

5.『災害救急・災害医療を再考する』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 2019年8月の「徳島市の阿波踊り」は、広島県に上陸した台風10号の影響を受け、3・4日目が中止となった。美波町にも暴風や大雨警報が発令されたが、停電などの被害はなく安堵した。また、関東大震災が起こった9月1日(防災の日)には、阿南市を中心に災害訓練が開催される。ちょうど7月に、災害対策の2つの催しに参加したので報告する。

 (1)7月28日(日曜)午後には、岡山市で「第6回 南海トラフ災害対応プラットフォーム調整会議」が開催され、美波町役場の磯野・近藤の両氏と参加した。この会議は、今後起こりうる可能性が高い南海トラフ地震・津波への取り組みで、認定特定非営利活動法人AMDA(アムダ)が中心に、自治体、医療機関、企業、NPOなどが一体となり、災害で起こった場合の支援活動がスムーズに行えるよう事前に連携準備を進めておくネットワークである。AMDAは、国内外における多くの大災害への支援活動の経験があり、2014年から「過去の災害を未来に生かす」、「憂いがあるからこそ備える」ことを、南海トラフ災害に対して応用している。

 今回の会議では、昨年の西日本豪雨災害で被災した村松友義先生(まび記念病院)のご講演があった。その後、一年間の活動や事前交流、新しい参加者の紹介、そして「災害医療支援チーム構想」の説明があった。災害時に、当院や美波町を支援頂く予定の倉敷中央病院・福山医療センターなどの諸先生と会話する有意義な機会となった。

 (2)徳島県の救急医療の要となっている徳島赤十字病院(小松島市)は、月1回、「臨床カンファランス」という関連医療機関との講演会を開催している。7月30日(火曜)は、胆石症とともに、災害医療が取り上げられた。講師は、当院の支援もお世話になっている鈴記好博先生(徳島大学)。AMDA兵庫にも所属し、前述のまび記念病院の支援も行い、28日の会議にも参加されていた。

 大規模災害では、災害救急だけでなく、災害医療(狭義)が重要であること。東日本や熊本、メキシコ、岡山、北海道の地震での救護所での支援経験を話され、参考になった。

 ◇ ◇ ◇

 美波病院は、高台・免震建物で開院して3年半が経過した。安全な場所、建物となり、災害医療支援病院に指定されている。今後も、行政やAMDA、徳島赤十字病院など大規模な病院と、平時から連携を図りながら、災害医療に取り組みたい。

☆AMDA
https://amda.or.jp/
☆徳島赤十字病院
http://www.tokushima-med.jrc.or.jp/

6.編集後記

 お盆が過ぎ、暑さが和らいできましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
御寄稿くださった三浦さんと本田先生のお二人をはじめ、皆様の御協力によりまして今月号も無事発信することができ、厚く御礼申し上げます。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信 ドクターカモンメール」第135号を終わらせていただきます。夏の疲れが出てくる季節ですので,お体を大切にお過ごしください。

**************************************************************************

次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第136号は、
9月18日(第3水曜日)の発行予定です。

**************************************************************************