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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.134(7月号)

目次

  1. 『初期研修病院を選んだ理由と実際の環境』徳島県立三好病院 初期臨床研修医 阿部 司
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『青藍会の学術講演会に出席して』美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『初期研修病院を選んだ理由と実際の環境』

徳島県立三好病院 初期臨床研修医 阿部 司

 徳島県立三好病院、初期臨床研修医1年目の阿部司と申します。今は呼吸器内科で研修しています。今年の3月に徳島大学を卒業し、現在三好市池田町で公私ともお世話になっております。実家が東京であることもあり、どこで研修するか非常に迷いました。佐賀、福岡、香川、千葉、栃木と色々な病院を見学し、研修病院の基準として考えたことは、
(1)初期研修医の人数が少ないこと
(2)1~3次救急まで対応している病院であること
でした。

 (1)については手技や症例の取り合いのストレスなく、指導医や病院スタッフと過ごす時間を増やしたいと思いました。実際に今研修している呼吸器内科では、病棟で担当患者さんに問題があれば院内の様々な専門の方から教えて頂きながら、一緒に問題に取り組んでいます。例えば誤嚥性肺炎の患者さんは、嚥下機能の評価と訓練、栄養の注入の仕方や量の選択、施設への退院など、入院から退院まで多くの人と話し合いながら治療にあたっています。

 (2)については、三好病院では年間約7000人の救急外来患者さんのうち、1次が5000人、2次が1600人、3次が400人、救急車は2000台の患者さんが来ます。重症度を判断する訓練が研修医には必要になると思うのですが、研修医の定員が2人の三好病院なら十分な症例数だと思いました。少人数で3次救急まで受け付けている病院は関東でもありましたが、1次2次の患者さんはほとんど受け付けていないこともあるので、学生の皆さんは病院の救急を見るときは1次から3次までのバランスまで確認することをおすすめします。現在当直などでその現場に居合わせたときは、細心の注意を払いながら患者さんを診察させてもらっています。また医師の人数が多くない分、一人一人の先生にかかる責任は重く、そうした環境でどう判断していくのか、救急の現場ではいつも多くのことを学ばせてもらっています。

 今後も三好病院の研修医として、自分なりに工夫しながら医療現場の知識・技術・配慮を身につけ、また病院業務や地域の病院・施設との連携にも関わることで、幅広い視野をもった医師になろうと思います。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し,地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し,医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは,キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので,お気軽にご相談ください。

→徳島県地域医療支援センターHP
http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し,医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し,県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

生活習慣病と不眠セミナー

日時:令和元年7月24日(水) 19:00~21:00
場所:ロイヤルガーデンホテル 阿南

演題1:「生活習慣病と不眠(仮)」
講 師:徳島大学大学院 医歯薬学研究部 地域医療人材育成分野 特任准教授 八木 秀介 先生

演題2:「内科の視点から見た不眠症へのアプローチ(仮)」
講 師:岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 総合内科学 教授 大塚 文男 先生

令和元年度筋ジストロフィー研修会

日時:令和元年7月26日(金) 13:00~14:30
場所:独立行政法人国立病院機構徳島病院 デイケア棟

演題:「ここまで来たiPS細胞研究~筋疾患の治療を目指して~」
講師:京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 准教授 櫻井 英俊 先生

4.みどころ・イベント情報

木頭杉一本乗り大会

日程:2019年7月28日(日)9時00分~ ※雨天や増水などの場合は,8月4日(日)に延期
場所:那賀郡那賀町木頭和無田 木頭文化会館前の河原~出原橋下(木頭診療所前河川)
TEL:0884-68-2311 那賀町役場木頭支所内木頭杉一本乗り大会事務局
https://www.awanavi.jp/spot/21816.html

 年間降雨量の多い那賀町木頭がその材質を誇る木頭杉。木頭杉の搬出法として古くから伝わる伝統芸「一本乗り」を復活させたイベントです。丸太に乗りトビでバランスをとりながら清流那賀川を下る競技です。初心者の方でも参加いただけます。

当日スケジュール
09時00分~ 受付&練習
11時50分~ 剣大二郎ショー
12時30分頃~ 名人による一本乗り披露
12時30分頃~ ライセンス取得審査会
15時00分~ 水中宝探し

木頭杉一本乗りの名人の手ほどきを受けられる講習会も開催されます!
お問合せ・お申込方法は公式ホームページをご覧ください。

【G20消費者政策国際会合プレイベント】消費者行政新未来創造オフィス開設2周年記念フォーラムの開催について

日程:2019年7月29日(月)13時30分~16時00分
場所:徳島グランヴィリオホテル
TEL:088-621-2499 徳島県 危機管理部 消費者くらし安全局 消費者くらし政策課 消費生活創造室
https://www.awanavi.jp/soshiki/0/29789.html

 消費者行政新未来創造オフィスが平成29年7月24日の開設から2周年を迎えたことを記念するとともに、9月5,6日のG20消費者政策国際会合の開催に向けた県民の機運醸成を図るためのプレイベントとして、次のフォーラムを開催します。

 皆さん、ぜひ御参加ください!
 

5.『青藍会の学術講演会に出席して』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 地震のため放映が1週間延びたが、6月25日(火曜)のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組で、西良(さいりょう)浩一先生(徳島大学・整形外科)が紹介された。腰痛がご専門で、プロ野球・陸上・ハンドボールなどのトップアスリートたちを、診察・手術されている。詳細な問診で、診断が難しい腰痛の原因を正確に突き止め、内視鏡を用いる自ら開発した手術法を駆使し、少ない負担で治療している。徳島県でも、高齢者の腰痛に取り組まれており感銘した。

 西良先生は、徳島大学医学部医学科の卒業生で、その同窓会(青藍会と称す)の総会が、7月15日(祝日、海の日)に徳島大学・蔵本キャンパスで開催された。午後には3名の卒業生の学術講演があり、多分野で興味深い内容だったので紹介する。

(1)堀井新先生(新潟大学)

 耳鼻咽喉科・頭頸部外科分野を主宰されている。今回は、「持続性知覚性姿勢誘発めまい」について解説された。非回転性めまいで、疾病分類のICD-11に記載されたとのこと。

(2)志馬伸朗先生(広島大学)

 救急集中治療医学講座の教授。救命救急医学・集中治療医学の、general critical care physicianの育成を目標とされている。「うちじゃない」という言葉をなくし、谷間をなくす医療の展開という目標に感銘を受けた。エントロピー減少系の構築(地域医療でのpolypharmacyに通じる)や、女性医師が勤務しやすい「美しい医療」を目指されている。

(3)内藤毅先生(徳島大学・国際センター)

 内藤先生は、国際協力部門の特任教授。眼科医で、1980年代よりネパール、モザンビーク、エジプト、モンゴルのlow visonの患者さん(白内障など)の手術を行っている。現地医師の技術指導から始め、現地の人々の自立を目指している。JICAに協力した結果、白内障による失明は減少し、現在は「網膜疾患診療サービス強化プロジェクト(RECON)」に取り組んでおられる。
◇ ◇ ◇

徳島大学は、2019年には開学70周年を迎える。今回の講演会で、四国外や海外で活躍する同窓生を知った。その成果を励みに、母校のある徳島県の地域医療を粛々と進めたい。

☆NHK:プロフェッショナル 仕事の流儀(西良浩一先生)
https://www4.nhk.or.jp/professional/x/2019-06-25/21/3650/1669540/
☆新潟大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科分野
https://www.med.niigata-u.ac.jp/oto/about/greeting/
☆広島大学 救急集中治療医学
https://home.hiroshima-u.ac.jp/kyukyu/greetings.html
☆国際医療協力(徳島大学 眼科)
http://www.tokushima-ganka.jp/?page_id=447
 

6.編集後記

 梅雨明けの待たれる今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 暑さと戦いながら、仕事に、学業にと専念されていることとお察しいたします。

 今月号の巻頭言はレジナビで御一緒した阿部先生に御執筆いただきました。自身が県外の出身であることからレジナビにおいても学生に対して徳島の魅力を客観的にお伝えしていただきました。また、本田先生の文章にもありました「プロフェッショナル 仕事の流儀」は皆様ご覧になられたでしょうか。徳島で一流を実践されている西良先生の姿勢が描かれていました。

 御寄稿くださったお二人をはじめ、皆様の御協力によりまして今月号も無事発信することができ、厚く御礼申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第134号を終わらせていただきます。水分補給にお気をつけて,お体を大切にお過ごしください。

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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第135号は、
8月21日(第3水曜日)の発行予定です。

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