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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.127(12月号)

目次

  1. 『知事と徳島大学医学部「地域枠」1年生との キックオフ・ミーティングに参加して』徳島大学医学部医学科1年 折口 ひかり
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『プライマリ・ケア、そして、住民との協働を考える』美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『知事と徳島大学医学部「地域枠」1年生との キックオフ・ミーティングに参加して』

徳島大学医学部医学科1年 折口 ひかり

 10月18日に地域枠1年生と飯泉知事とのキックオフミーティングが行われました。これまで地域枠の生徒と交流する機会は少なく、意見を聞く機会もなかったのでとても新鮮でした。

 私は将来、産婦人科医として地域医療に貢献したいと思っています。

 現在、県南や県西の地域では産婦人科医が不足しており、妊婦が安心して暮らせる状況ではありません。出産するために、家族の元を離れて徳島市内にでてくるのは、妊婦の精神的にも体力的にも負担が大きいものだと考えます。このままでは県南県西に住む若い人達が減る一方であり、さらなる高齢化は避けられないと思われます。

 また、産婦人科においては特に、男性医師より女性医師のほうが話しやすい、相談しやすいという意見が多いと思います。県南・県西地方を活気づける為にも患者の生活背景や気持ちを共感できる、女性の心に寄り添った医師として、地域で安心して出産できる環境作りに貢献したいと思っています。

 知事との対談を通して、他の地域枠の学生が疑問に思っていること、興味を持っていることについて触れることができました。同じ産婦人科医を目指している学生もいることが分かり、将来一緒に働くことを考えると、とても心強いなと思いました。知事への質問は、医療系の質問だけでなく、人前で緊張せずに話す方法や疲労回復方法など多岐にわたり、とても勉強になりました。このような機会が設けられることで、将来地域医療に貢献する上での気持ちの再確認ができるのでもっと地域枠の学生で集まれる機会があればいいなと思います。

 これから6年間を通して、地域医療を支える立派な医師になれるように日々学んでいきたいです。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し,地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し,医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは,キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので,お気軽にご相談ください。

→徳島県地域医療支援センターHP
http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し,医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し,県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

平成30年度第3回徳島県糖尿病対策推進講習会

日時:平成30年12月26日 (水) 19:30~21:00
場所:徳島県医師会館 4階
演題:「糖尿病治療総論 Q&A」
講師:徳島県立中央病院 糖尿病内科 白神 敦久 先生 

阿南学術講演会

日時:平成31年1月17日 (木) 19:00~20:30
場所:ロイヤルガーデンホテル 1階パール
講演:「脳・神経外科で行う痛みの治療について」
講師:徳島大学病院 脳神経外科 講師 牟礼 英夫 先生
 

4.みどころ・イベント情報

5.『プライマリ・ケア、そして、住民との協働を考える』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 いよいよ、「災い」の多かった2018年も師走を迎えた。11・12月の研究会をダイジェストする。

 11月17日(土)・18日(日)、徳島大学の藤井節郎記念医科学センターで、「第18回日本プライマリ・ケア連合学会四国地方会」が開催された。大会長は、山口治隆先生(同大学、総合診療医学分野)で、テーマは、「総合診療の魅力 再発見!」。初日には、山口先生のご講演、「プラスアルファの介入をしよう」というワークショップや、西野洋院長(徳島病院)の「優れた総合診療医の目指し方と育て方-We Are The Medicine-」という講演があった。2日目には、6題のポートフォリオの発表会の後、16題の一般演題。私どもは、「災害対策への総合診療の意義-ポスト高松大会のあゆみ-」と題して、受援の立場から支援を行うことができた経験を発表した。また、在宅医療で、最もやりがいのあると言われる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんの参加もあり、有意義な2日間であった。

 次に、12月1日(土)・2日(日)、東京都で、「地域医療を守り・育てる住民活動全国シンポジウム」が開催された。テーマは、「健康“わ”まちづくり、伝える伝え方-からをやぶろう-」。10月に開催された第58回全国国保地域医療学会のシンポジストにて、石本知恵子さん(牟岐町・海部郡の地域医療を守る会)が紹介されており、出席した(2回目の参加になる)。初日には、1)小山市(おやま、栃木県)の健診受診、そして、2)石本さんらが認知症対応の寸劇を披露された。2018年シンポジウムの命題は、班ごとに分かれ、テーマに沿った寸劇のシナリオを考え、実演するという内容であった。初対面の方々(市民、行政、医療者など)といっしょに、健診後の運動習慣を増やすテーマの班で、2日目にはナレーター役を演じた。有意義で楽しい2日間でした。自治医科大学が主催で、石本さんと一緒にシンポジストをされた藤原真治先生(木屋平診療所)もご参加されていた。
◇ ◇ ◇

 この2つの地方会・シンポジウムは、週末の土日曜の開催で、外来を休診にせず、両日参加できた。準備や、休日に運営にあたったスタッフの皆様に感謝する。

6.編集後記

 本格的な冬の到来を思わせる寒さになりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 11月号・12月号の巻頭言は、将来徳島の医療を担う2人の医学部生、かかりつけ医に関心のある伊丹さんと産婦人科医を志す折口さんに御寄稿いただきました。おかげさまで、皆様の御協力によりまして平成30年もドクターカモンメールを毎月無事に発信することができました。毎月執筆いただいた本田先生をはじめ、皆様に厚くお礼申し上げます。

 ところで、今年を振り返るにあたって、皆様が選ぶ漢字は何でしょうか。

 私自身が選ぶのは「慣」です。今年は就職という大きな環境の変化がありましたが、慣れ親しんでいた環境を離れ、新しい環境へ再び慣れていく1年でした。自ら選んだ選択ですら新たな環境に慣れるために心身の整理が必要でしたが、「災」によってもたらされた新たな環境への対応は想像できないほどの労力が必要になると思います。被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い被災地の復興をお祈り申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第127号を終わらせていただきます。年末に向けてご多忙な日々をお過ごしのことと存じます。くれぐれもお体を大切に、よいお年をお迎えください。

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 次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第128号は、
1月16日(第3水曜日)の発行予定です。

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