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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.126(11月号)

目次

  1. 『知事と徳島大学医学部「地域枠」1年生との キックオフ・ミーティングに参加して』徳島大学医学部医学科1年 伊丹 遥風
  2. トピックス
  3. 医師情報箱
  4. みどころ・イベント情報
  5. 『病院長養成塾に参加して』美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一
  6. 編集後記

1.『知事と徳島大学医学部「地域枠」1年生との キックオフ・ミーティングに参加して』

徳島大学医学部医学科1年 伊丹 遥風

 こんにちは。私は徳島大学で医師になるため勉強しています。先日、私は地域枠学生として、知事と徳島県の医療について考える対談を行いました。私はそこでかかりつけ医の重要性や負担についてどう考えていらっしゃるのか伺いました。知事からは地域で働くかかりつけ医がこれから重要になることや大病院の混雑や負担を減らすことなど、詳しく答えていただきました。私はこのことから、将来私が働くこの徳島の医療についてより関心が高まりました。

 またほかの方は、医療制度について聞いていたり知事に緊張しないで話す方法を聞いていたりと様々な質問がなされ、将来にかかわる大切なことや日常生活にかかわる疲労回復法などの知恵も聞きました。普段は遠い存在である知事が身近な人のように思い、楽しい時間を過ごすことができました。

 私はまだ一年生で、医師として地域に貢献するということに対して実感がまだ足りてないように思います。今は座学などで知識を身に着けているところですが、実習などに積極的に参加して将来のイメージをふくらませていきたいです。日々の学習を大切にし、着実にステップアップしていきます。そしてそれに加え将来のため徳島の現状に興味を持ち、地域医療に最大限貢献できる医師になりたいです。

 また、現在医師の過重労働が問題になっています。それの解消のために妊娠や育児のために休職中の女性医師の存在が重要になると聞いたことがあります。私もその課題を解決するためのひとりでありたいと思います。

 今は目の前の学習に懸命に取り組みつつ、視野を広く持ち関心をむけ、良い医師を目指していきます。

2.トピックス

医師のキャリア形成に関する相談窓口

 徳島県では徳島大学と連携し,地域医療を担う医師のキャリア形成支援と本県の医師不足の状況等を把握・分析し,医師の地域偏在の解消や医師確保の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置しております。

 当センターでは,キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますので,お気軽にご相談ください。

→徳島県地域医療支援センターHP
http://www.t-cm.jp

医療勤務環境改善支援センター

 県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し,医療労務管理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し,県内の医療機関における勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

→徳島県医療勤務環境改善支援センターHP
http://anshin.pref.tokushima.jp/med/experts/docs/2015032500013/
 

3.医師情報箱

平成30年度第95回徳島産科婦人科合同学術集会

日時:平成30年11月25日 (日) 15:45~18:00
場所:徳島ワシントンホテルプラザ

1.基調講演:「当院における進行卵巣癌の治療の現状~術前化学療法は予後を改善させているのか?~」

 講師:徳島大学大学院産科婦人科学分野 講師 西村 正人 先生 

2.特別講演:「がん関連血栓症の診断と治療~最新エビデンスと埼玉医科大学国際医療センターでの取り組み~」

 講師:埼玉医科大学国際医療センター 婦人科腫瘍科 教授 長谷川 幸清 先生
 

徳島県における災害時の心のケア及びその連携を考える会

日時:平成30年12月8日 (土) 19:00~21:00
場所:徳島県医師会館

1.一般講演:「災害精神医療(DPAT)について」

 講師:医療法人桜樹会桜木病院 理事長 櫻木 章司 先生

2.一般講演:「徳島県における災害時こころのケア支援体制について」

 講師:徳島県健康増進課 課長補佐 久保 美春 氏

3.特別講演:「東日本大震災とこころのケア~うつ・不安・トラウマ~」

 講師:原クリニック 院長 原 敬造 先生

4.みどころ・イベント情報

5.『病院長養成塾に参加して』

美波町国民健康保険美波病院 院長 本田 壮一

 県南部の小病院に勤務して14年目となる。常勤医師が3名で、院長を務めている。しかし人手不足のため、管理職の業務よりも、外来・入院主治医・救急そして当直勤務と、現場勤務に追われている。

 齋藤史郎先生(元徳島大学学長、故人)は、「院長であれば医師としての業務に管理職という業務が加わるので、管理職としての勉強が必要となる。もし新しい業務について不勉強の人が院長になればビジョン、計画立案、実行力に欠けるため、その病院は円滑に機能せず衰退してしまう」と述べられていた。病院の留守番がみつかり、11月3日(土曜、祝日)、4日(日曜)、東京・浜松町で開催された「明日の中小病院を考える—病院長養成塾—」に、参加した。

 まず、厚生労働省の樋口浩久さんによる、勤務環境の改善についての講演から始まった。次に、セミナーの目玉である財務諸表や決算書の見方について、監査法人トーマツの和田頼知さんらから実戦的な説明・演習があり有益であった。さらに、中橋毅先生(石川・穴水総合病院)の医師育成の講演と続いた。そして、北海道から九州から集まった中小病院の院長や管理職の30名余りで、自己紹介や食事をし懇親を深めた。

 2日目午前には、地域包括ケア病床の活用についてのシンポジウムがあった。尾野光市先生(和歌山・有田市立病院)と結城敬先生(長野・東御市民病院)から両病院の取り組みが紹介され、参考になった。

 午後には、白石吉彦先生(島根・隠岐島前病院)の司会のもと、“総合診療医をどう呼ぶか、どう支えるか、どう育てるか”というグループ討議が行われた。夕方の閉会まで、“人手不足”という共通の深刻な課題を共有し、学ぶ貴重な機会となった。
◇ ◇ ◇

 このセミナーの主催者は全国自治体病院協議会で、その全国学会を2019年10月24日(木曜)、25日(金曜)に徳島市で開催する。私も実行委員の一人で準備にあたっている。是非、本年10月に開催した全国国保学会と同様に、盛会としたいものである。

☆齋藤史郎:「陽はのぼり、人はゆく」.徳島出版、2007年

☆全国自治体病院協議会
https://www.jmha.or.jp/jmha/

☆第58回 全国自治体病院学会 in 徳島
http://www.c-linkage.co.jp/58jmha/

6.編集後記

 秋も深まり朝夕はめっきり冷え込む様になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 先日、紅白歌合戦の出場歌手が発表され、いよいよ今年も残り40日ほどとなりました。平成30年の終わり、平成最後の冬といったいろいろな節目を迎えつつあります。先人はなぜ節目をたくさん作ったのか。1つの答えは、新たな始まりを迎えることで心機一転するためではないでしょうか。1年の始まりは心がけを見つめ直すきっかけに、新たな元号の始まりは価値観を見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。とにかく今は年末に向けて、40日あればできることも多いので、平成30年、有終の美を飾れるようにしたいものです。

 おかげさまで、皆様の御協力によりましてドクターカモンメール11月号も無事発信することができました。御寄稿いただきましたお二人をはじめ、皆様に厚くお礼申し上げます。

 それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第126号を終わらせていただきます。年末に近づき、仕事も一段と忙しくなる時期かと思いますが、お体を大切にお過ごしください。

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 次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第127号は、
12月19日(第3水曜日)の発行予定です。

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