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とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール第113号

1.「平成29年度徳島県夏期地域医療研修参加体験記(三好)」
自治医科大学医学部4年立石聖士さん
2.「平成29年度徳島県夏期地域医療研修参加体験記(木屋平)」
自治医科大学医学部2年吉田慧司さん
3.トピックス
4.医師情報箱
5.みどころ・イベント情報
6.  全国学会で、地域包括ケア・総合内科を学ぶ
美波町国民健康保険美波病院 院長本田壮一先生
7.編集後記
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1「平成29年度徳島県夏期地域医療研修参加体験記(三好)」
自治医科大学医学部4年立石聖士さん
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自治医科大学医学部4年の立石聖士と申します。
私はこの度、県西部に位置する三好地域にて夏期地域医療研修に参加させて
いただきました。

研修初日は西祖谷山村診療所にて外来診察、地域住民の健診と健康教室、二
日目はグループホームもみじ・デイサービスの見学と訪問入浴に同行させてい
ただきました。山道は軽自動車が一台通るのも険しい場所もあり、訪問入浴の
バスタブ組み立てだけでなく訪問までがいかに困難かを体験できました。高齢
化率が高まり訪問住宅も多いため、看護師やヘルパーの方々との連携を取り情
報を共有することで住民の健康状態をしっかりと把握することが大切だと思い
ました。グループホームでは職員の方々からホームは常に満室であり、医療面
での不安は大きいため深夜でも対応してくれる西祖谷山村診療所の先生方の存
在がとてもありがたいとお話しており、地域における医療の重要性を再認識しました。
また、長年三好市に住んでいるおばあさんが諸事情で三好市を離れるとみる
みる元気がなくなり3か月で亡くなってしまったというお話を聞きました。こ
の話を聞いて、私は初めてこの地域にいるからこそ維持されている健康がある
ことに気づきました。そして、地域医療で大事なことは十分な医師数や医療器
具、多職種連携など多々ありますが、まずはその地域に住む方々の生活を知る
ことだと感じました。地域住民の生活を知ることで、その地域の医療ニーズを
知り、ニーズに合った医療を模索することができると思います。この研修を通
して、自分の知識不足や徳島県の医療に対する理解の浅さを認識し、患者の生
活を知るということを学びました。この学びを今後の勉学に生かし、将来医師
として徳島県の医療に貢献していきたいと気持ちを新たにしました。

最後になりましたがご指導をして下さった木下先生をはじめ西祖谷山村診療
所・東祖谷診療所のスタッフの方々、役場の方々、県庁職員の方々、三好地域
の住民の皆様に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
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2.「平成29年度徳島県夏期地域医療研修参加体験記(木屋平)」
自治医科大学医学部2年吉田慧司さん

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自治医科大学2年の吉田慧司と申します。私は去る八月中旬に、美馬市木屋
平地区において夏期地域医療研修に参加させていただきました。初日は、訪問
看護や訪問服薬指導の見学を行い、二日目は木屋平で地域医療に携わる方々の
お話を聞き、また地域住民の方々への健康教室を通して、木屋平の住民の方々
と交流しました。この木屋平での研修で私が学んだこと、感じたことを、ご報
告させていただきます。

この研修を通して、私は医師の少ない地域においては医療従事者が互いに役
割を分担しあい、協力しあうことによって地域医療が成り立つということを学
びました。とくに、木屋平では、薬剤師が地域医療に密にかかわっていること
が大きな特色でありますが、地域住民の健康状態を把握し、また適切に治療を
行うには、医師のみが頑張るのではなく、看護師や薬剤師と協力し、それぞれ
の観点から意見を出し合うことが必要であるのだと感じました。

また、今回の研修では、薬学部、看護学部の学生と研修を行いました。例年
の研修では医学生のみが参加しますが、他学部の学生さんと一緒に研修を受
け、意見交換を行うなかで、看護師、薬剤師の観点からみた地域医療について
の意見を知ることができ、その意味で新鮮な研修となりました。

自分はまだ2年生ということもありますが、研修を通して医学的知識や技能
においてはまだまだ未熟であることを痛感しました。しかし、地域医療の様子
を実際に自分の目で確かめることが、将来の医師像を具体的にイメージし、地
域医療を担う医師となろうという決意を再度もつきっかけとなりました。のこ
り四年半という短い期間で、徳島の地域医療を担える医師となれるよう、勉学
に励んでいきたいと思います。

最後になりましたが、木屋平診療所のスタッフの方々、また県庁の方々、木
屋平地区の住民の皆様、本当にありがとうございました。

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3.トピックス

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■医師のキャリア形成に関する相談窓口
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と
本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保
の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置し
ております。
当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますの
で、お気軽にご相談ください。


■医師求人情報
10月18日(水)現在、「とくしま医師バンク」における徳島県内の公
的医療機関等からの医師求人情報は、常勤43件、非常勤16件です。

■医療勤務環境改善支援センター
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管
理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における
勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

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4.医師情報箱

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■平成29年度かかりつけ医と精神科医の連携事業(東部圏域研修会)
主催:徳島県東部保健福祉局後援:徳島県医師会
日時:11月2日(木)19:30~
場所:東部保健福祉局(徳島保健所)
内容:「事例を通して学ぶ産業医と精神科医の連携」
講師:藍里病院副院長吉田精次先生
徳島保健所所長大木元繁先生

■平成29年度第8回徳島市医師会学術講演会
共催:一般社団法人徳島市医師会共催第一三共(株)
日時:11月10日(金)19:15~
場所:徳島市医師会館4階会議室
内容:「見誤りやすい不整脈心電図の見方と、抗不整脈薬使用のピット
フォール」
講師:徳島赤十字病院第一循環器内科部長大谷龍治先生
内容:「日常診療で遭遇する持続性心房細動の治療戦略」
講師:群馬県立心臓血管センター
循環器内科第四部長熊谷浩司先生

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5.みどころ・イベント情報

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■臓器移植普及啓発関連イベント
日時:10月24日(火)15:30~
場所:JR徳島駅前
内容:臓器移植に関するリーフレットと啓発グッズを配布します。

■阿波の狸まつり
開催期間:11月3日(金)~11月5日(日)
開催地:徳島市藍場浜公園
お問い合わせ:四国放送営業開発部TEL:088-655-7667

会場内に設けられたステージでは、タレントショーやコンサート、芸能の発
表などが繰り広げられます。他には、各市町村が自慢の特産品を販売するなど
ふるさと徳島の自然がいっぱい、人情ほのぼのをテーマに繰り広げるカーニバ
ルです。
また、阿波の狸まつり期間中、会場内特設テントにおいて臓器移植普及啓発
活動を実施します。

■子ども安全安心フェスタ
開催期間:11月12日(日)13:00~15:30
開催地:アスティとくしま3階第1・第2特別会議室
対象:乳幼児の保護者や妊産婦とそのご家族、保育士、幼稚園教諭など
定員:100名※定員に達し次第締切
参加費:無料
申込方法:はがき、FAX、メールで10月31日(火)までにお申込みください
氏名、お住まいの市町村名、年齢、電話番号、お子様同伴の有
無、同伴されるお子様の人数、託児利用の有無、託児利用の場合
は、お子様の氏名・年齢・性別を記入してください。託児は1才
以上のお子様から利用いただけます。
はがきの場合〒770-8570(住所不要)
徳島県医療政策課内「子ども安全安心フェスタ」係
F A X/088-621-2898
メール/ iryouseisakuka@pref.tokushima.jp
※FAX及びメールでお申込の場合、件名は「子ども安全安心フェ
スタ申込」と記入してください。
※お送りいただいた個人情報は、本イベントのみに使用し、第三
者に提供・開示等は一切いたしません。

お問い合わせ:徳島県保健福祉部医療政策課TEL:0883-621-2399

子どもが成長する過程において、発達段階により、かかりやすい病気や起こ
りやすい事故も変化します。
「子ども安全安心フェスタ」では、どの家庭でも起こる可能性のある急な病
気やケガに対し、その予防や対処方法について、小児科の先生からお話いただ
きます。

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6. 全国学会で、地域包括ケア・総合内科を学ぶ

美波町国民健康保険 美波病院 院長本田壮一 先生

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昨年に続き2017年の9月から10月に、東京と大阪での地域医療に関連する二
つの全国学会に参加した。どちらも有益で、エッセンスを報告する。

(1) 全国国民健康保険地域医療学会
9月20日(水)・21日(木)の二日間、東京都港区で開催された。地域で日常に
遭遇する疾病や負傷に対する初期対応、診断、治療、後療法(住み慣れた地
域・住まいで療養生活を送るための支援)を取り上げた。また、発症要因への
探求、予防、健康づくり、そして介護福祉事業までを課題としてより質の高い
地域包括ケアシステム構築を目指している。参加者・発表者は、病院や診療所
など従事者に加え、保険者である自治体の首長の諸氏、行政の関係ある部門の
方々、地域で活躍されている福祉関係者、地域住民など、多くの職種の方々
が、一堂に会した。テーマは「国保新時代へ翔びたとう、国保直診~国保制度
改革を見据えて~」であった。国民健康保険制度は発足以来、市町村単位の地
域医療保険制度であったが、平成30年度から都道府県単位に変わる。この制度
変更に合わせた地域包括ケアシステムの在り方を中心に討議した。
私どもは、徳島県での活動と、来年この学会を主催する予定で、その準備状
況を発表した。

(2) 日本臨床内科医学会
10月8日(日)・9日(月・祝日)の二日間、大阪市で開催された。「新たな
る臨床内科学の夜明け~看取りからiPSまで~」をテーマに、在宅での看取
り・高齢者医療から医療IT・iPS細胞の臨床応用まで幅広い話題があった。日
本は世界に先駆けた超高齢社会となり、地域包括ケアシステムの構築が推進さ
れている。在宅での看取り、健康寿命延伸のための生活習慣病重症化予防、そ
して医療、介護の相談もできる「かかりつけ医」機能など臨床内科医に求めら
れる役割も多岐にわたっている。総合診療医による、研修医からベテラン臨床
内科医まで対象の「診断力スキルアップ道場」も有益であった。
私どもも、関西広域圏での医療をみすえた、徳島県南部の医療を紹介した。
◇ ◇ ◇
以上、地域医療の最新知見に触れる機会を得、地域の診療に応用したいと考
えている。

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7.編集後記

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10月に入り随分と涼しくなり、とても過ごしやすくなりました。(近頃雨の
日が続きますが・・・)
「読書の秋」、「食欲の秋」、「スポーツの秋」と言われるように、一年
中で最も良い季節となりました。
さて、今月号の巻頭は、先月号に引き続き、三好地区、木屋平地区での夏期
地域医療研修に参加していただいた、自治医科大学の立石さんと吉田さんに御
寄稿いただきました。地域医療に対して感じたことを綴っていただいておりま
す。ありがとうございました。
話は変わりますが、10月から医療ドラマがまた始まります。「私、失敗し
ないので!」のセリフでおなじみの「ドクターX」と生命の誕生をテーマとし
た「コウノドリ」です。出産について、いろいろと考えさせてくれるドラマで
す。
また、来月12日に県主催の「子ども安全安心フェスタ」があります。子ど
もの事故防止の第一人者である山中龍宏先生の講演もあります。是非、ご家族
連れでお越しください。
これからも皆様からのご意見をいただきながら内容の充実を図ってまいり
たいと考えております。ご投稿を引き続きお待ちいたしております。
それでは、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメ
ール」第113号を終わらせて頂きます。今後とも御愛読よろしくお願いいたし
ます。

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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第114号は、
11 月15日(第3水曜日)の発行です。

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