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【再送】とくしま医師バンク通信ドクターカモンメールVoL.111(8月号)

1.  徳島DMAT研修会に参加して
美馬市国民健康保険木屋平診療所藤原真治先生

2.トピックス

3.医師情報箱

4.みどころ・イベント情報

5.愛媛県の地域医療の現状を知る
美波町国民健康保険美波病院 院長本田壮一

6.編集後記

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1.  徳島DMAT研修会に参加して
美馬市国民健康保険木屋平診療所藤原真治先生


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去る8月5日(土)~ 6日(日)、こやだいら薬局と当診療所のスタッフが合
同した木屋平DMAT(災害派遣医療チーム)を結成すべく、徳島DMAT研修会を受
講してきましたのでご報告申し上げます。DMATは災害現場で活動する医療チー
ムとして日本DMATが認定するものですが、今回の講習会は、徳島県主催にて県
内限定で活動するチームを養成するものでした。チームを組んだ薬局と診療所
は、普段から連携して業務を行っています。本年4月には旧木屋平中学校校舎
を改修して設置された木屋平複合施設へ廊下を挟んで向かい合わせに入居し、
ますます緊密に連携していこうとしているところでした。

当地、美馬市木屋平は剣山の北側にある山間へき地で、夏は台風による土砂
崩れ、冬は雪による被害が起こる可能性が高いところです。災害への備えに対
する意識は比較的高く、平成26年には県による戦略的災害医療プロジェクトの
モデル地域にも選定されました。今回も、台風接近にて風雨が強まってくるな
かでの研修会で、終了後は急いで木屋平に帰ることになりました。DMAT講習
は、支援する側としてだけでなく、DMATによる支援を受ける側としても効果的
なプログラムになっており、この点においても我々にとって有意義なものでし
た。

東日本大震災の際には発災直後で現場の状況がよく分からない時期に石巻へ
支援に入るなど、診療所スタッフ、薬局スタッフとも、もともと被災地支援に
は積極的でした。ただ、DMATとして正式に認定を受けることを考えた場合、医
師1名、看護師3名、薬剤師1~2名など小所帯の我々にはメンバーを選抜する余
裕はありません。かといって、2つの施設のスタッフが総出で県外での研修を
何日も受けることは困難でした。今回のように、1回の週末で、県内で受けら
れるコースは、スタッフ全員で研修を受けやすく本当にありがたかったです。

研修会は、とても練られた効果的なプログラムでした。ただ、高齢化が進む
スタッフにとって、新しいことを覚えて体を動かしたり、騒がしい環境で情報
交換を行い意思決定したりしていくことなどはややハードでした。今後、せっ
かく学んできたことはDMATの活動としてのみ実践するのではなく、山間部で多
い転落事故、スリップ事故など、特に多発外傷が疑われる患者さんが来られた
時に活用するなど普段から意識して工夫していきたいと考えています。

受講生よりもずっと多くの人数で粘り強く指導して下さった運営スタッフの
皆さまには大変感謝しております。本当にありがとうございました。
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2.トピックス

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■医師のキャリア形成に関する相談窓口
徳島県では徳島大学と連携し、地域医療を担う医師のキャリア形成支援と
本県の医師不足の状況等を把握・分析し、医師の地域偏在の解消や医師確保
の支援等を行うことを目的として「徳島県地域医療支援センター」を設置し
ております。

当センターでは、キャリア形成支援に係る相談窓口を設置していますの
で、お気軽にご相談ください。

■医師求人情報
8月16日(水)現在、「とくしま医師バンク」における徳島県内の公的医
療機関等からの医師求人情報は、常勤43件、非常勤16件です。


■医療勤務環境改善支援センター
県では、「徳島県医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療労務管
理アドバイザーや医業経営アドバイザーと連携し、県内の医療機関における
勤務環境改善の取組を総合的に支援しています。

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3.医師情報箱

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■第6回MetS Forum 徳島~メタボリックシンドロームの克服に向けて~
日時 平成29年8月23日 (水) 19:00~22:00
場所 ホテルクレメント徳島3階 金扇の間
演題 一般講演
1.「高血糖に伴うIRE1のO-GlcNAc修飾は小胞体ストレス応答を減弱させる」
2.「糖尿病患者におけるサルコペニアのリスク因子探索」

特別講演「動脈硬化予防のための脂質管理の現状と展望」
講師 一般講演
1.徳島大学 先端酵素学研究所 生体機能学分野 特任研究員 張 君 氏
2.徳島大学 先端酵素学研究所 糖尿病臨床・研究開発センター
特任助教 森博康 先生

特別講演
千葉大学大学院 医学研究院 細胞治療内科学講座
教授 横手 幸太郎 先生
会費:1000円
■第1回徳島県地域包括ケアシステム学会
日時:平成29年8月27日(日)9:00~15:50
受付 8:30~
場所:徳島大学蔵本キャンパス大塚講堂

■第36回徳島リウマチ医の会
日時 平成29年 9年 5日 (火) 19:00~21:00
場所 ホテルクレメント徳島
演題
1.「関節リウマチと気管支病変」
2.「関節リウマチにおける骨病変の治療-分子標的薬の位置づけと新規薬剤-」
3.「RA骨粗鬆症の復習とアップデートー病気を治すから、病気で苦しむ患者を救うへのステップを考えるー」
講師
1.徳島大学大学院 医歯薬学研究部 医療教育開発学分野
准教授 吾妻 雅彦先生
2.徳島大学大学院 医歯薬学研究部 生体機能解析学分野 教授
徳島大学病院 内分泌代謝内科 科長遠藤 逸朗 先生
3.国立病院機構 大阪南医療センター 免疫疾患センター 部長 橋本 淳先生
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4.みどころ・イベント情報

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■神山アーティスト・イン・レジデンス2017オープンアトリエ
開催期間:2017/9/17(日)
開催地:徳島県名西郡神山町各地
問い合わせ:神山アーティスト・イン・レジデンス実行委員会
TEL:088-676-1177
概要
国内外の芸術家を神山町に招いて、地域住民との協働による創作活動等で交
流を深め、作品展覧会を実施します。
オープンアトリエでは、秋に展覧される作品途中経過を見学できます。作家
による作品紹介もあります。秋に完成した作品を見に来にきて、2度お楽し
みください♪
開催地の詳細情報については、公式ホームページをご覧ください。

■徳島ひょうたん島水都祭2017
開催期間:2017/9/16(土)~9/18(月)
メイン会場:藍場浜公園
問い合わせ:徳島ひょうたん島水都祭実行委員会
TEL:088-625-2110
概要
16日(土)とくしま藍サミット201714:00~21:00
新町川夜釣り大会17:00~19:00
事前申込み費用1,000円
17日(日)藍染体験10:00~21:00
事前申込み参加料2,000円
※花火は20:00~
18日(月)藍染体験10:00~19:00
事前申込み参加料2,000円
SUPマラソン10:00~14:00
事前申込み参加料4,000円

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5.愛媛県の地域医療の現状を知る
美波町国民健康保険美波病院 院長本田壮一
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四国内では、愛媛県は徳島から最も遠い場所になるが、地域医療への愛媛大
学の取り組みについての講演を2回拝聴する機会があった。
1 7月15日(土曜)、徳島市にて、「第20回徳島地域医療教育研究会」が開
催された。地域医療実習を選択した5年生の発表の後、特別講演。演者は、川
本龍一先生(愛媛大学・地域医療学/西予(せいよ)市地域サテライトセン
ター)。「地域志向型教育の実践」の演題で、学生・研修医などの、愛媛県で
の地域医療教育の現状を説かれた。西予市の野村病院を実践の場として、教育
を行われている。
済生丸実習(医学生が、済生丸診療船に乗り、宇和海の島の検診に同行す
る)など、地域医療の魅力を紹介し、また研究も進めている様子に感銘を受け
た。
2 翌週の22日(土曜)には、松山市にて、国保診療施設協議会(美波病院な
どの町立の病院や診療所の集まり)の四国ブロック会が開催された。地域での
医師不足についての情報共有・討議の後、特別講演があった。演者は、高田清
式先生(愛媛大学・地域医療支援センター)。題目は、「愛媛大学医学部にお
ける地域医療に係る人材育成」。地域医療支援センターは2012年に開設。スキ
ルス・ラボなどを用い、研修医教育の充実を図られている。また愛媛大学には
8つの寄付講座があり、愛媛県の地域医療を担っていることが紹介された。
◇◇◇
近年の徳島、愛媛など四国4県の地域医療は、人口減、高齢化、マンパワーの
不足など共通の課題がある。互いに県を越えての議論も重要と考える。
また、西予市は、日本初の女性産科医(楠本イネ、父はシーボルト)を育ん
だ町である。この11月26日(日曜)には、同市で“第6回おイネ賞”の表彰式
が開催される。愛媛大学、愛媛県だけでなく全国女性医師部門の顕彰されてお
り、徳島県からも地域医療で活躍する女性医師が表彰されることを期待してい
る。
結びに、2018年10月5日(金曜)・6日(土曜)、アスティーとくしまで「第
58回全国国保地域医療学会」が開催されることが決定した(学会長:つるぎ町
半田病院の沖津修先生)。テーマは、「『地域包括ケア』で日本の未来を切り
ひらこう~海・山・川の恵みの阿波の国での実践~」。実りある学会にと準備
を始めている。

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6.編集後記

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徳島の一大イベントである阿波踊りも終わりました。毎年のことですが、
我が家は阿波踊りが終わると大変で、子どもの夏休みの宿題に追われる日が
始まります。

夏休み期間中は、医学部を目指している高校生や医学部に在籍する大学生
を対象に様々なイベントを開催しました。
8月9日、8月10日には、県内の高校生を対象に、徳島大学医学部臨床A棟1
階のスキルスラボ等にて、「徳島大学医学部における体験授業」を開催しまし
た。県内13校の1~3年生66人が参加し、徳島大学赤池教授、岩田教授、
吾妻准教授、長宗特任助教及び医学生の指導のもと、心肺蘇生法や人工皮膚を
使った縫合練習、採血、聴診等の方法を学びました。
また、8月1日には、県内の高校生を対象に地域医療の最前線に触れてもら
う「地域医療現場体験ツアー」を実施しました。県内9校の1~3年生35名
が参加し、徳島県立中央病院と徳島県立海部病院を訪問しました。徳島県立中
央病院においては、ドクターヘリを見学後、病院内の各施設を見学しました。
また、徳島県立海部病院では、病院内の各施設等の見学後、坂東院長をはじめ
として海部病院との意見交換を行いました。
そして、今週末(8月17日~19日)には、医学生を対象に地域医療を
直接体感できる「夏期地域医療研修」を実施することとしています。今年度
は、美馬市(木屋平診療所等)、那賀町(上那賀病院、日野谷診療所等)、三
好市(三好病院、西祖谷山村診療所等)で研修を行います。
県としては、こうした事業を通じて、一人でも多くの高校生や医学生が本県
の地域医療に関心を持ち、将来、県内で医師として活躍していただければと切
に願っています。
これからも皆様からのご意見をいただきながら内容の充実を図ってまいり
たいと考えております。ご投稿を引き続きお待ちいたしております。それで
は、以上をもちまして「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第
111号を締めさせて頂きます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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次回の「とくしま医師バンク通信ドクターカモンメール」第112号は、
9月20日(第3水曜日)の発行です。

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徳島県 保健福祉部 医療政策課(地域医療・医師確保担当)
〒770-8570徳島県徳島市万代町1丁目1番地
TEL 088-621-2151 FAX 088-621-2898