徳島県で作られている主な果樹を紹介します。
学名:Citrus Sudachi Hort.ex Sirai 英名:Citrus Sudachi
徳島県原産の香酸カンキツで,県のシンボルともいえる果樹です。徳島県での生産量は全体の95%を占め全国第一位です。
その歴史は古く,宝永6年(1706年)貝原篤信の著「大和本草」に初めて「リマン」という名称でスダチが紹介されています。県内にはスダチの古木が散在していますが,中でも徳島県名西郡神山町には推定樹齢200年あまりの古木が今もなお健在で、毎年たくさん結実しています。
「すだち」の異名として漢字では酸橘,酢橘,巣立,酢立,酢断などがあてられています。
徳島県では,スダチは料理の名脇役として様々に利用されています。
焼き魚、刺身、漬け物、 鍋物のポン酢、天ぷら、ジュース、 ぶっかけうどん、素麺のつゆ、各種おひたし、 各種酢の物、焼酎、酎ハイ
おすすめ!
・シラス干し+大根おろし+スダチ+醤油
・サンマの塩焼き+大根おろし+スダチ+醤油
姿寿司(アジ、ボウゼ(イボダイ)など)、吸い物、酢の物、 煮物、うどん、素麺のつゆ、 天つゆ、ジャム(マーマレード)
この他にも、徳島県内のお店で、スダチアイスやスダチを使ったお菓子がたくさんあります。また、徳島ラーメンにも,スダチの皮や果汁を使っている店があるそうです
下の画像は徳島県のマスコットキャラクター「スダチくん」です。まーるいにこにこ顔がチャームポイント。この「スダチくん」は平成5年東四国国体の時誕生して以来,皆さんから親しまれています。
学名:Citrus yuko hort.ex Tanaka
ユコウ(柚香)はわが国でできたユズ近縁の自然交雑種と推定され、徳島県および高知県で古くから栽培されてきた記録があります。また、徳島県内に推定樹齢150年前後の古樹が点在していましたが、昭和56年の大寒波でその多くが枯死しました。
愛媛県に伊予ユコウがあり、一見徳島のユコウと同じように見えますが、樹性、葉形および果実の性状に違いがあり別種とされています。そのほか、駿河柚香、相模柚香等ユコウと呼ばれる品種がありますが、これらとも異なります。系統には一般に栽培されている10個前後の種子を含む系統と3個~無核で果実がやや小さい系統があります。
ユコウは徳島県下、上勝町を中心にカンキツ産地に点在し、かつては145ha栽培されていましたが、昭和56年の寒波をきっかけに減少し、現在では約 65ha(平成17年)が栽培されています。スダチの代用として用いられる事が多く、そのほとんどは搾汁加工用で、ユコウ酢もしくはポン酢の原料としてスダチ酢およびユズ酢と混用し利用されています。近年は加工原料仕向需要が減少している事もあり、ユコウ栽培面積もさらに減少するものと思われます。
ユコウは温州ミカンよりも耐寒性が強いのですが、スダチやユズよりは弱いです。幼木期および裏年の枝は伸長が盛んで、特に夏秋枝は下垂します。枝は柔らかいが意外にもろく、細枝は折れやすいです。
果実は扁球形で果頂部がくぼみ、この部分に油胞がありません。果面はユズより滑らかですが、果実中央から果頂部にかけて大きなしわが多数あり、果実によってはユズに近い外観となります。
果実は10月下旬に着色が始まり黄色から濃橙色となります。11月下旬に完全着色します。完全着色しても浮皮にならず、7~8分着色したころに収穫します。
学名:Citrus junos Sieb.ex Tanaka
ユズの原生地は、中国の長江(揚子江)上流で、日本へは朝鮮半島を経て渡来したと考えられています。徳島県での生産量は、平成17年で栽培面積360ha、生産量3,020tと高知県についで2位の生産量を上げています。(平成18年度徳島の果樹)
徳島県での栽培は、那賀町(旧木頭村)で実生古木樹の果実を昭和34年ごろから販売し始め、昭和38年ころから栽培が始まったとされています。那賀町(旧木頭村)には、もっとも古いといわれている樹があり、群生跡も残っています。
昔から、冬至のユズ湯に入ると一年中カゼをひかないとか、痛風にならないとか言われています。
ポン酢、お寿司
お吸い物、ユズ味噌、酢のもの
ユズデンプン、ゆびしょ、ユズこんにゃく、 ユズのつくだ煮、ユズ漬、ユズ釜、 ユズのしょうゆ漬、柚子豆腐の野菜入り蒸しもの、ユズの重ね蒸し、 ゆむし
学名:Myrica rubra Sieb.et.Zucc 中国名:楊梅
中国あるいは日本原産のヤマモモ科ヤマモモ属の常緑果樹で、関東以南の沿岸地域に分布自生しています。雌雄異株で雌株に実が成り、根には根粒菌が着生するためやせ地でもよく育ちます。実は食用とされ、樹皮も薬用や染料に利用されます。ヤマモモの樹は高木性で大気汚染にも強いため、街路樹にも利用されています。また、徳島県の木にも指定され、県民に広く親しまれています。
果実を生産出荷しているのは、徳島県、高知県など一部の地域で、栽培面積は全体でも50ha程度と少なく、その7割以上を徳島県が占めています。徳島県での栽培の歴史は古く、江戸時代まで遡りますが、市場に出荷されるようになったのは明治中頃からです。主に小松島市櫛渕地区で栽培され、6~7月に阪神市場を中心に出荷されています。栽培品種は大粒系の森口、瑞光が主で、約34t生産されている。加工品として、ジュース、ジャム、果実酒などに利用されています。また、ヤマモモの機能性として、抗酸化作用やメラニン生成抑制作用があることが解っています。
ウメ 5kg
塩 1kg
シソ 500g
シソの塩 500g
| コンテナ | 新聞紙 |
| ビニル袋(穴の空いていない厚さ0.05mmのもの) | 35%アルコール(焼酎でもよい) |
| 木綿 |
愛宕、横野はあらかじめ予措する。コンテナ四面に新聞紙を3枚ずつ当て、ヘタを外側に向けて丁寧に並べる。
上面の新聞紙を合わせ閉じて3~10日間保存する。
刀根早生、平核無はそのまま脱渋
1.コンテナにビニル袋を張り、底に新聞紙を3枚敷く
2.カキを1のコンテナの中へ、ヘタを外に向けて丁寧に並べる
3.並べ終わったら新聞で上面を覆い、その上に木綿を置く
4.35%アルコールまたは焼酎(果実10kgに対して60~80ml)を木綿にかける。
5.ビニル袋をきつく締め、外気と遮断する
温度格差が少ない冷暗な場所に保存する。
刀根早生、平核無は7日後脱渋完了
愛宕、横野は25日後脱渋完了
なお、ドライアイスを併用することにより、12~14日で脱渋完了になる。
ドライアイスを併用する場合、カキを袋詰めた後、木綿の上に新聞紙で包んだドライアイス(カキ10kgに対してドライアイス60g、この場合アルコールは 70ml)をおき、密封する。
平成22年3月(通巻No.106号) (PDF:2 MB)
平成21年8月(通巻No.105号) (PDF:2 MB)
平成21年3月(通巻No.104号) (PDF:2 MB)
平成20年8月(通巻No.103号) (PDF:2 MB)
平成20年3月(通巻No.102号) (PDF:2 MB)
平成19年7月(通巻No.101号) (PDF:710 KB)
平成19年1月(通巻No.100号) (PDF:295 KB)
巻頭言 100号を迎えて<所長 十河 和男>
成果情報 ナシ園におけるヒメボクトウの被害と生態
成果情報 ハウススダチのカンキツかいよう病菌へのストレプトマイシン耐性検定とストレプトマイシン水和剤の防除効果
トピックス ユズの枝別隔年交互着果法による安定生産
トピックス 研究圃場で農家が一目惚れした「香梨」初出荷!
トピックス 傾斜地果樹園における簡易な堆肥施用技術の開発
平成18年6月(通巻No.99号) (PDF:2 MB)
成果情報 ユズ幹腐病の感染時期と防除対策
成果情報 カンキツせん定枝や果実搾りかすの堆肥化と施用効果
トピックス ナシ園でフタモンマダラメイガが発生!
トピックス スダチにおける銅水和剤の汚れとかいよう病に対する残効調査
トピックス 「あんぽ柿」簡易生産技術の実用化
平成17年9月(通巻No.98号) (PDF:231 KB)
研究情報 ハウススダチ加温前の銅剤散布が発芽・着花に及ぼす影響
研究情報 溶液を用いたナシ受粉技術の実用化
平成17年3月(通巻No.97号) (PDF:215 KB)
研究情報 三倍体無核スダチ新品種‘徳島3X1号’について
平成16年3月(通巻No.96号) (PDF:248 KB)
研究情報 本年県内において発生した疫病菌によるカンキツの被害
研究情報 せん定の強さおよび着果量がウメの樹勢に及ぼす影響
平成15年6月(通巻No.95号) (PDF:250 KB)
巻頭言 兄弟を増やして多彩なスダチ軍団をめざします<次長 黒島 忠司>
研究情報 防根シートを用いた根域制限法によるブドウ‘ピオーネ’の着色促進技術
平成15年2月(通巻No.94号) (PDF:368 KB)
研究情報 客土及び有機物施用がユズの樹勢強化に及ぼす影
研究情報 スダチの1日当たりの収穫量は?
平成14年5月(通巻No.93号) (PDF:304 KB)
巻頭言 これからの果樹を支える技術開発への取り組み<所長 長谷部 秀明>
研究情報 ナシ園で発生しているヒメボクトウの被害
平成13年7月(通巻No.92号) (PDF:266 KB)
巻頭言 地域産業に結びつく試験研究を<所長 赤井 昭雄>
研究情報 カキ樹に対する有機物施用の効果について
研究情報 性フェロモン剤のナシ害虫防除への利用
平成13年3(通巻No.91号) (PDF:231 KB)
巻頭言 21世紀に考える<次長兼県北分場長 大浦 清治>
研究情報 ユズ栽培園地における緩効性肥料の利用について
研究情報 モモの気候適地性マップ
平成12年8月(通巻No.90号) (PDF:359 KB)
巻頭言 西暦2000年を迎えての果樹産業と試験研究<場長 赤井昭雄>
研究情報 モモのブロック・ベッド栽培
研究情報 植物防疫指針の電子化の試み
平成12年3月(通巻No.89号) (PDF:208 KB)
研究情報 3倍体スダチ(上板4号)の果実特性
研究情報 徳島県におけるカンキツ育種
果樹試験場県北分場の気象観測システム更新
平成11年7月(通巻No.88号) (PDF:206 KB)
巻頭言 果樹農業の役割と試験研究課題<場長柴田 精治>
研究情報 スダチへの鶏糞堆肥施用
研究情報 ハニーシードレスについて
平成11年3月(通巻No.87号) (PDF:312 KB)
研究情報 水噴射によるウメの省力摘果
研究情報 ハウスミカンの地中冷却栽培における花芽分化促進に関する試験
研究情報 ISSRマーカーによるカンキツ交雑実生の選抜とその可能性について
平成10年12月(通巻No.86号) (PDF:187 KB)
巻頭言本年の気象に思う<次長兼分場長長谷部秀明>
研究情報カキの加温ハウス栽培について
研究情報地中冷却ハウスミカンの被覆直前における枝内炭水化物含量と被覆後の開花量について
平成10年6月(通巻No.85号) (PDF:249 KB)
巻頭言 研究の効率化に向けて<場長 佐金信治>
研究情報 「ユズ凹陥性幹腐症」を「ユズ幹腐(みきぐされ)病」に改名
研究情報 傾斜地果樹園における運搬作業の能率向上と軽労働化
平成10年3月(通巻No.84号) (PDF:140 KB)
研究情報 スダチに対する3要素の施用量・施用割合が収量・果実品質におよぼす影響
研究情報 ナシ白紋羽病に対するフロンサイドSCの防除効果
平成9年10月(通巻No.83号) (PDF:191 KB)
巻頭言 エルニーニョ現象と寺田寅彦<次長兼分場長赤井昭雄>
研究情報 施設栽培における極早生温州の系統比較
トピックス ハウスミカンにおけるミカンハダニの実態アンケート
平成9年5月(通巻No.82号) (PDF:230 KB)
巻頭言 果実の自給率の低下に思う<場長井内忠明>
研究情報 スポットクーラーによるブドウ”赤嶺”、”ルビーオクヤマ”の着色促進
研究情報 倍数性育種による完全無核スダチの育成
平成9年度からスタートする新規事業
平成8年3月(通巻No.81号) (PDF:234 KB)
巻頭言 果物の消費減退に歯止めを!!<場長井内忠明>
研究情報 和泉砂岩地帯におけるカキ’刀根早生’のカリ減肥試験
研究情報 フローサイトメーターを用いた3倍体香酸カンキツの簡易識別法
研究情報 ユズの虎斑症に対するCaの葉面散布の影響について
平成8年10月(通巻No.80号) (PDF:222 KB)
巻頭言 果物を健康志向にいかに役立てるか?<次長兼県北分場長 赤井昭雄>
研究情報 タフベル被覆によるナシ幸水の熟期促進
研究情報 研修報告「カンキツ実生の早期結実・選抜方法の習得」
研究情報 カメムシの発生パターンについて