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【コラム】「ひとりで頑張らなくていい」地域で支えるファミリー・サポート・センターという選択肢

子育てを、ひとりで抱え込んでいませんか

そんなとき、そっと思い出してほしい制度があります。

ファミリー・サポート・センター、通称「ファミサポ」です。

地域でつなぐ、子育てのバトン

ファミサポは、地域の中で、「育児の援助を受けたい人(依頼会員)」と、「援助を行いたい人(提供会員)」が会員となり、有償で助け合う会員制の相互援助活動を行う事業です。いわば、子育てのバトンを地域でつなぐ仕組みを自治体が橋渡しする制度です。

徳島県内すべての市町村に設置されており、0歳から12歳(小学校卒業まで)のお子さんを育てている家庭が利用できます。

近年、共働き世帯の増加や核家族化、転勤による転居などにより、頼れる人が近くにいない家庭が増えています。

ファミサポは、困ったときだけ使う非常手段ではありません。日常の延長線上にある、地域の支え合いのひとつなのです。

今回は、ファミリー・サポート・センターの職員の方と、実際に制度を活用している方にお話を伺いました。

利用理由は「仕事」だけではない

事業が始まった約25年前、利用理由の中心は「仕事のため」でした。保育園の送迎に間に合わない、急な残業や出張が入ったなど、働く親を支える役割が大きかったといいます。

しかし近年、利用の幅は大きく広がっています。

通院や上の子の学校行事への参加に加え、「リフレッシュ目的」での利用も増えています。

「少しだけ一人になりたい」

「美容院に行きたい」

「ゆっくり買い物をしたい」

そんな理由で預けてもいいのだろうか、と迷う保護者は少なくありません。窓口で申し訳なさそうに相談する姿もあるといいます。

しかし、「理由は問いません。お父さんやお母さんが笑顔でいるために必要な時間なら、それは大切な理由です」とセンターの方は答えます。

また、いざという時の備えとして登録しておく家庭も多いのだとか。

急な発熱、冠婚葬祭、仕事上のトラブル。予定外の出来事は突然やってきます。日頃から顔の見える関係を築いておくことが、心の安心につながります。

安心を重ねる、利用までのステップ

「知らない人に子どもを預けるのは不安」

 そう感じるのは当然です。

そのため、ファミサポでは、丁寧なプロセスを設けています。

特に重要なのが「事前打ち合わせ」です。

お子さんの性格や好きな遊び、生活リズム、アレルギーの有無、緊急連絡先などを、実際に会って話し、正式な依頼へ進みます。

提供会員は、救命救急法や子育てに関する知識を学ぶ講習会を必ず受講しています。その後も防災や発達障がいなどの研修を重ね、万が一に備えた補償保険にも加入しています。

登録当日にすぐ預けることはできません利用予定日の2週間から1か月前には登録しておくと安心です。

地域に育つ、あたたかな縁

提供会員は40代から70代の方が中心。子育て経験を生かしたいという思いを持つ方や、かつて利用していた人が支える側に回ることもあります。

活動を通して生まれるのは、単なる「預かり」の関係ではありません。子どもの成長をともに喜ぶ、もう一人の応援団のような存在です。

職員の方が、こんなエピソードを教えてくれました。

小学生の間ずっとサポートを受けていたAちゃん。中学生になってからも年賀状のやり取りが続いていました。そして成人の日、晴れ着姿で「無事に成人式を迎えました」と報告に訪れたそうです。

成長した姿に、提供会員さんは胸がいっぱいになったといいます。数時間の積み重ねが、十数年のつながりになる。地域で子どもを見守るということの意味が、そこにあります。

【利用者の声】罪悪感から「ありがとう」へ

1人目の娘の時、はじめてファミサポを利用しました。最初はとても不安でした。知らない方に娘を預けることへの抵抗もありましたし、『リフレッシュのために預けるなんて』という罪悪感もありました。

でも、疲れが溜まって娘に優しくできない自分がつらくなり、思い切って相談しました。アドバイザーさんは私の話を丁寧に聞き、私たちに合う提供会員さんを紹介してくれました。

預かってもらっている間、趣味の時間を過ごし、リフレッシュすることができました。

迎えに行くと、娘は笑顔で遊んでいました。活動報告書にはその日の様子が細かく書かれていて、大切に見守ってもらえたことが伝わってきました。

(提供会員と利用者の子どもの様子)

今では美容院や体調がすぐれない時に利用しています。以前は「すみません」と言っていましたが、今は心から「ありがとうございます」と言えます。少し余裕が生まれるだけで、子どもたちがさらに愛おしく感じられるようになりました。

子育て中のみなさんへ、センターからのメッセージ

最近、しっかり寝て、食べて、笑えていますか。

子育てをしていると、自分の時間はどうしても後回しになります。

それはお子さんが悪いわけでも、親の頑張りが足りないわけでもありません。皆さん、本当によく頑張っています。

だから、たまにはゆっくりしてください。自分のペースで食事をして、笑っておしゃべりをして。その時間を取り戻すお手伝いを、私たちにさせてください。

預けるときは『すみません』ではなく『ありがとう』と伝えてほしい。私たちは、皆さんの味方です。

一人で抱え込まず、みんなで一緒に子育てしませんか。

ファミリー・サポート・センターは、徳島県内すべての市町村に設置されています。
 利用方法や各センターの連絡先は、県の一覧ページから確認できます。

【ファミリー・サポート・センターWEBサイト(とくしまはぐくみネット)】
https://www.pref.tokushima.lg.jp/hagukumi/purpose-search/7300615/