避難所における子どもの病気やけがの手当や対応のめやすとなることを、うでの骨折の応急手当て等の実技を交えながら学びました。
【災害への備え】
『自助』
災害が発生したときに、まず、自分自身の身の安全を守ること。家族も含まれる。
『共助』
地域やコミュニティといった周囲の人たちが協力して助け合うこと。(参加者はこの立場の活動を学んだ。)
『公助』
市町村や消防、県や警察自衛隊といった公的機関による救助・援助。
*活動まで時間がかかるので、それまで、自助・共助で活動することが大切。
子どものサイン
☆くう・ねる・あそぶ☆が元気サイン
・食う、寝るが悪いとしんどくなるサイン→受診
*子どもによって、症状が出やすかったり出にくかったりするので、普段からよく看ることが大切。
【症状別対応と受診のめやす】
病気
「発熱」
- 熱が高くても「くう、ねる、あそぶ」が大丈夫なら解熱剤は使用しなくてよい。
- 熱の出始めは温め、熱ができきったら冷やす。
- 顔色が青白く、手足が冷たい→熱の出始め
- 顔が赤く、手足が温かい→熱が上がりきった状態
- 冷えピタなどは、口や鼻をふさぐ可能性があるため、子どもから離れる時や夜中などは使用を控えるなどの注意が必要。
- 少しずつこまめに水分を取る。(スポーツ飲料、イオン飲料、氷、ゼリーなど)
- 生後3ヶ月未満の乳児・顔色が悪く表情がとぼしい・活気がなく視線が合わない・すぐ眠りだす・排尿が8時間以上ない。→受診
「嘔吐」
- 最も多い原因は、急性胃腸炎。
- 消化管や中枢神経が原因で嘔吐する場合もある。
☆処理用パックを普段から用意しておくとよい。
- ジッパー付きビニルに
- マスク
- 手袋(ゴム・ビニル)
- 新聞紙、タオルまたはペットシート
- 処理の仕方
- 嘔吐物を新聞紙等で覆って拭き取る。
- 床は次亜塩素酸ナトリウムで拭き取る。飛び散っているので、広く拭き取る。
- 嘔吐物は、ビニルを二重にして捨てる。
- 嘔吐後に経口補水液を少しずつ(最初はキャップ1杯5ml)間隔をあけて飲ませる。
経口補水液が苦手な子どもは、薄めたリンゴジュースや味噌汁でもよい。
「下痢・腹痛」
- 食べ物やウイルスや細菌、ストレスで下痢症状を起こす。
- 半日以上経口摂取ができない・激しい腹痛や血便・脱水症状→受診
- 腹痛のほとんどは便秘、なかには心理的な要因もある。
→トイレで排便を促す。タッチングや声かけをしながらお腹のマッサージ。
- 外傷歴がある・歩けないほどの痛み・嘔吐を繰り返している。→受診
- 立っていられない・腰をまげている・歩く姿勢が痛そう・顔色が明かに悪い場合やぐったりしている場合。→救急要請
「咳・喘息」
- 咳:気管や気管支などで空気の通り道にある異物や痰を外に押し出そうとする体の仕組み。
- 喘息:気管または気管支のどこかが狭くなっていることによって起こる。
- 痰が出やすい環境を整える。
室温、湿度の調整→室温22~25度前後、湿度50~60%をめやすとする。
(工夫)濡れた洗濯物をつるす。加湿器をつける。
- 咳きこみがひどいときは、食事量を8割程度にする。
- 炭酸飲料や柑橘系のジュースは刺激により咳を誘発するのでさける。
- 呼吸(肩を上下、呼吸が速い)、顔色(くちびる、口の周り)の異変→受診
誤飲かも…
- 突然の咳きこみや長引く咳→気道異物がある。
- 普段の環境と違うところで起きる事故に注意が必要。(祖父母宅など)
- 0~2才頃までは、豆類、電池、たばこ、薬剤、おもちゃなどに注意。
- 4cm以下のものは、手の届かないところに置いておく。
- 咽頭や気管に詰まり、気道が閉塞されると窒息してしまう。
「けいれん」
- びっくりした、大泣き、発熱などの刺激でけいれんを起こす。
- 多くは、熱性けいれん、てんかん。
- 対応→
- 平らな場所に寝かせる。体の周りの危険物を遠ざける。
- 意識が回復するまで食べ物は与えない。
- 大声で呼んだり、体をゆすったりしない。
- 口には何も入れず、顔を横に向かせる。
- 起こしたときは、意識、呼吸、目の動き、持続時間などをしっかり観察する。
(観察することは、診断の手助けとなるので、すごく大切。)
- けいれんの原因はさまざまであり、基本受診が必要→受診
- 5分以上持続するけいれん・短いけいれんを短時間に繰り返す・6ヶ月未満の乳児→救急要請
「じんましん」
- 薬は、続いて症状がなくても、飲みきることが大事。痒みが強いときは、冷やす。
- 痒みと同時に起こる症状(呼吸器・粘膜・消化器・循環器)があればアナフィラキシーを疑う
- アナフィラキシー…アレルギーとして一番こわいこと。→救急要請
- アドレナリン筋注薬(エピペン)
治療を受けるまでの間、症状を緩和する。(常時、本人・保護者が携帯)
「熱中症」
- 冷やして体温を下げる。 冷やす場所(首の付け根、両脇、そけい部、手のひら)
- 保冷剤を置くだけでなく、水をかけたり、うちわであおいだりする。
- I度(軽度)めまい、失神、筋肉痛、気分の不快
- II度(中等度)頭痛、吐き気、嘔吐、水分を自分で飲めない、意識がおかしい→受診
- III度(重度)意識がない、けいれん、手足の運動障害→救急要請
けが
「擦り傷」
- きれいな水、流水で洗ってよごれを落とす。
- 傷口を乾燥させない方が、早くきれいに治る。
- 異物がある、深くえぐれている、赤くなって膿がたくさん出ている。→受診
「切り傷」
- 圧迫止血(感染予防としてゴム・ビニル手袋着用)
- 流水で洗浄し、清潔なハンカチを覆ってギュッと押さえる。5分以上。
- 手先や足先など、心臓より高くできる場合は高くする。
- 痛がったり怖がったりするのを声かけやタッチングで和らげる。
- 大きく開いた傷→受診
「やけど」
- 急速に患部を冷やす。早ければ早いほど、皮膚の損傷が深くならない。
15~30分程度がめやす
- 流水で十分冷やす。(氷や保冷剤よりも流水がよい。氷や保冷剤は直接でなくハンカチやタオルを巻いて使用する。)流水で冷やすと痛みもやわらぐ。
- 服を脱がさず冷やすのがよいが、冷やし忘れの部位がないように注意する。
- 傷口には何も塗らずに受診する。
- 大人の両手くらいのやけどの場合→救急要請
「捻挫」
- 捻挫か骨折か?受診前の参考めやす
ア)くるぶしの内側と外側 イ)小指側の出っ張り ウ)指の付け根から出ている骨の高いところ
→ 4点に圧痛がなく、数歩なら歩ける状態であれば捻挫。
- 上に上げて安定させて冷やす。(腫れを少なくする。)固定する。
「骨折」
- 楽な姿勢で、受傷部位を無理に動かさない。腫れや痛みのあるときは、冷やす。
- 変形、骨が出ている、強く痛がる、意識がおかしい、歩けない。→救急要請
「鼻出血」
- 小鼻の少しへこんだ部分を、5~10分連続して圧迫する。同時に冷やしタオルや氷で鼻を冷やす。
「頭部打撲」
- 頭をぶつけた後は嘔吐しやすいので、食べ物などは少し時間をおいてゆっくり与えていく。
- たんこぶができた場合は冷やす。
- けがから6時間、12時間、24時間は安静に過ごし、2~3日は注意して症状を観察する。
- 傷口がある場合は圧迫止血して6~8時間以内・痛みが激しい・吐き気や嘔吐が何回も起こる・意識がぼんやりする・手足が動かしにくい・けいれんを起こしたとき・耳や鼻からサラサラした液体が出ているとき。→受診
【グループ、ペアでのワーク】
●経口補水液つくり
(材料)
- 水…500ml
- 砂糖…15g
- 塩…1.5g
- レモン汁…大さじ1
*砂糖の代わりにハチミツでもよい
≪スポーツドリンクと味比べ≫
(感想)
おいしくない、レモン汁を入れたらおいしい、飲みやすい、スポーツ飲料と全然違う、簡単に作れる等。
●うでの骨折の応急手当
(使用するもの)バンダナ(大判のハンカチ) 2枚
2枚のバンダナを三角に折りつなげる。1枚のバンダナの三角部分にうでを包む。残りの部分を首にかけうでをつるす。
●足の捻挫の固定方法
(使用するもの)バンダナ(大判のハンカチ)2枚
2枚のバンダナの角でつなぐ。足首を直角にし、結び目を足裏にあて、両端を足の後ろから前にまわし交差して足横のバンダナにくぐらせてキュッとしめて結ぶ。
(感想)
忘れないようにしたい。実際にしてみると、曖昧なところがあり、再確認しながら行った。