【Q】
子どもが机のおもちゃや食器を落として喜んでいます。やめさせたほうが良いのでしょうか?
【A】
ご飯が入ったお皿を落としても、お子さんは笑うのでパパやママはさぞかしお困りのことでしょう。しかし、児童心理学者の立場から言うと、「お子さんは素晴らしく知恵付いてきましたね」と応えたいと思います。
子どもの育ちを説明する言葉に「対象永続性」というものがあります。
例えば、乳児前期の子どもは目の前で振っているガラガラを後ろに隠すと「ガラガラはなくなってしまった」と考えてしまいます。これが「対象永続性ができあがっていない」ということに当たります。しかし、乳児後期になると対象物が自分の見える範囲から消えても、ずっと存在するものだと考えられるようになるのです。
机の上のものを落とす=「机の上から物はなくなるが、床の上に移動してずっと物が存在し続ける」という一連の動きを実験しているのです。この経験を通して、箱や引き出しの中に物を入れたり、隠してあるお菓子を取り出して食べたりする事ができるようになります。どこへ隠すだろうと、鋭い観察眼も磨かれるので、パパやママは大変でしょうが、できるだけのびのびと実験させてあげたいですね。
参考文献:寒川伊佐男の育児相談―乳幼児期の育児Q&A (一部引用)
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