橋の主要部分を形作る使用材料は、古くは自然材料である木や石が使用されていましたが、近代に入って鉄やコンクリートが使用されるようになり、橋の長大化が急速に進みました。
最近では、材料を組み合わせたものや、アルミニウムやFRPなど新素材も使われ始めています。
みどり橋
木材を主要材料とする橋。
現在でも歩道橋など荷重が小さな橋に採用される場合がある。
最近では無垢材の他、集成材などが用いられている。
ドイツ橋
石材で作った橋の総称。
古代から石造けた橋や石造アーチ橋として広く利用されている材料。
現在でも庭園などに設置されている。
西条大橋
鋼材を主要材料とする橋。
鋼は重量の割に高い強度を有し、弾力性に富む特徴がある。
鋼材の性能の向上と共に、大鳴門橋、瀬戸大橋、明石海峡大橋と長大化している。
錆びるという弱点があるため、塗装等が必要。
(耐候性鋼材など無塗装のものもある。)
高瀬橋
コンクリートを主要材料とする橋。
コンクリートは、圧縮力の強い反面、引張力に弱い特徴があるため、引張力に強い鉄筋で補強した構造。
小規模な橋梁に用いられる。
美馬中央橋
コンクリート橋で、PC鋼材を用いて圧縮力を加えてコンクリートに引張力が生じないようにしたもの。
橋に荷重がかかり、伸びようとしても事前に圧縮力が加わった分、鉄筋コンクリート構造よりも大きな荷重に耐えることができる。
青雲橋
複数の主要材料を組み合わせた橋。
この橋は、鋼橋とコンクリート橋の良さを併せ持つ。
近年の設計や施工技術の向上により建設が可能となった。
橋の形式はその橋の立地条件や経済性などによって決定されている。
現在は様々な形式の橋が開発され、下表の形式を組合わせたり、改良したりした橋も見られる。
下部構造の上に桁を架け渡したシンプルな形式。
桁の断面形状は様々であり、T形、I形、箱型などがある。
最も採用される機会が多い形式。
トラストは、まっすぐな部材を三角形に組み合わせた構造。
その優れた構造からタワーや鉄塔、ドームの骨組みのように大きい建築物にも用いられる。
トラス橋には、形状によりワーレントラス、ハウトラス、Kトラスなどの種類がある。
弓なりの形状(アーチ)によって構成される構造。
アーチの歴史は大変古く、古代までさかのぼることができる。
アーチ橋には、形状によりローゼ、ニールセンローゼ、ランガー、トラスドランガーなどの種類がある。
下部構造と桁をがっちりと固定(剛結)した構造。
ラーメン橋には、形状によりT形、門形、パイ(π)形などの種類がある。
塔から斜めに引張ケーブルで桁を吊る構造。
第二次世界大戦後、急速に発展した形式。
塔の数や形、ケーブルの張り方などが多様で、デザイン性に富むことが特徴。
斜張橋形式とケーブルトラスト形式を組み合わせた構造。
阿波しらさぎ大橋で、世界で初めて採用された。
塔を両側に設置し、主ケーブルを架け渡し、桁やトラスをハンガーでつり下げた構造。
長大橋に適した形式。