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労働相談Q&A

前提知識として(質問と回答)

質問

労働者を守るための法律、労働法とは?

労働者を守るための法律、労働法とは?

回答

「労働法」といっていますが、そういう名の一つの法律があるわけではありません。
人が会社などに雇われて働くとき、また、働こうとするとき、仕事を探すことから始まり、雇用されてから退職するまで、すべての場面で何らかの法律の適用をうけることになります。それら労働者の働く場面に適用されるすべての法律をまとめて「労働法」と呼んでいます。
労働法は、労働の機会の保障、労働契約の締結に関して国が介入して労働の機会を確保し、労働条件の最低基準を定めること、及び労働者が自ら使用者と対等の立場で交渉することができるようにすることを基本としています。
個々の労働者と使用者に関する法律の中心となる「労働基準法」、集団の労働者と使用者に関する「労働組合法」、労働組合法とお互いに作用しあい、労働者と使用者との間の調整を目的とする「労働関係調整法」、この三つの法律を総称して「労働三法」と呼んでいます。
その他、労働者の生活と権利を守るために「最低賃金法」「労働安全衛生法」「労働者災害補償保険法」「雇用保険法」などがあります。
「労働法」は、憲法の理念の一つである基本的人権の保障を、労働者の生活のうえに現実に生かすためにつくられたもので、最も身近で大切な法律だといえます。特に労働基準法は労働条件の最低基準ですので、忘れないようにしましょう。

質問

会社・企業とは何か?

私は、来春、学校を卒業し、当然どこかの会社に就職しようと思っていますが、いったい会社とはどのようなものですか。

回答

一言で言えば会社は、利益を追求することを目的とした組織です。そして、社会のニーズに合った商品・サービス等の提供、雇用の創造と労働者の生活向上、納税等により、社会の安定、豊かさに貢献しています。
最近では、環境問題や文化活動、地域福祉にも積極的に、会社として地域社会に貢献しています。
株式会社、有限会社、その他個人会社等があります。

質問

労働者とは何者なのか?

労働法上、労働者とはどのように定義されていますか。

回答

労働基準法上の「労働者」は、「職業の種類を問わず、使用される者で、賃金を支払われる者」と定義しています(労働基準法第9条)。すなわち使用者の指揮・監督に従って労働を提供し、賃金を受け取る者が、労基法上の労働者であるとしています。

質問

パートタイマーもアルバイトも同じ労働者なのだ!

私は来春高校を卒業しますが、残念ながら就職先が決まっていません。卒業後しばらくはパートタイマーかアルバイトとして働くこととなります。ところで、パートタイマーやアルバイトと正社員との労働契約や労働条件等の違いを教えてください。

質問

パートタイム労働者やアルバイトは、通常の労働者(正社員)よりも1週間の労働時間が短いなどの点に特徴があります。しかし、労務を提供し、使用者から賃金の支払いを受けている以上、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険法等の適用を受ける労働者であることに変わりありません。

当然使用者には、パートやアルバイトを雇用する際にも、賃金、労働時間等の労働条件を明示する義務があります。

また、パートやアルバイトとして働く場合は、期間の定めのある労働契約(有期契約)と期間の定めのない労働契約の違いに注意する必要があります。

期間の定めのある労働契約の場合は、労働者は、その期間内はやむを得ない事由がなければ解雇できない(労働契約法第17条)こととなっておりますが、期間の定めのない労働契約の場合は、使用者が労働者を解雇しようとする場合は、労働基準法上所定の手続きが必要であるほか、客観的に合理的理由がない場合は無効となります(労働契約法第16条)。