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ダニ媒介感染症について

ダニ媒介感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体を保有するダニに刺されることによって起こる感染症のことです。
主なダニ媒介感染症として、日本紅斑熱重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、つつがむし病、ライム病などがあります。

春から秋にかけては、マダニ等の活動が活発になる時期です。

野外で活動(野外作業や農作業、レジャーなど)する際は、肌の露出を少なくして感染予防を心がけましょう。

日本紅斑熱とは

病原体(リケッチア・ジャポニカ)を保有するマダニ類に刺された後、2日~8日の潜伏期を経て、突然の高熱や倦怠感、頭痛、発疹を引き起こします。

発疹は、体幹部(胸やおなか、背中)よりも腕や足の末端部に強く出ることが多いとされます。

抗菌薬による治療が有効です。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

病原体(SFTSウイルス)を保有するマダニ類に刺された後、6日~2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)を引き起こします。重症化すれば、死亡することもあります。

SFTSウイルスは、2011年(平成23年)に初めて特定された新しいウイルスです。

治療は、対症療法が中心となります。

予防について

 マダニの中でも、病原体を保有しているマダニは極めてまれですが、特にSFTSでは発症すると重症化する恐れがあるので、マダニに刺されないことが重要です。

 マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。

マダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まりますので、農作業やレジャーなどで森林や草むら、藪などに入る場合には十分注意しましょう。マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾は靴下や長靴の中に入れる、または、登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダルなどは避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には、服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。

野外活動後はすぐに入浴し、マダニに刺されていないか注意深く全身を確認してください。着用していた服もすぐに洗濯しましょう。

 ペットなどの身近な動物にも気をつけましょう。ペットに付いているマダニが、日本紅斑熱やSFTSの病原体を保有している可能性があります。また、マダニ類は犬や猫等、動物に対する感染症の病原体を持っている場合もありますので、ペットの健康を守るという観点からも、マダニの駆除を適切に行いましょう。ペット用のダニ駆除剤がありますので、かかりつけの獣医師に相談してください。

マダニに刺されたら

 マダニ類の多くは、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、数日間にわたって吸血します。

 皮膚を刺しているマダニを無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、すみやかに医療機関(皮膚科など)で処置してもらってください。また、マダニに刺された後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けてください。

徳島保健所管内の医療機関の方へ

ダニ媒介感染症が疑われる患者様を診察した場合

保健所では、日本紅斑熱及び重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が疑われる例を対象に、行政検査をご案内しています。

検査実施についてのご相談や、検査の方法・必要検体等についてのご説明をしますので、検体採取前に保健所までお問い合わせください。

また、保健所では、日本紅斑熱やSFTSが疑われる患者様に対して、必要に応じて感染源の究明及び感染拡大防止のための疫学調査を行います。ご診察の際に、あらかじめ説明をお願いいたします。

ダニ媒介感染症の診断が確定した場合

以下の疾患は感染症法に定められた四類感染症(全数把握疾患)です。

  • 日本紅斑熱
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
  • つつがむし病
  • ダニ媒介脳炎
  • 回帰熱
  • ライム病
  • オムスク出血熱
  • キャサヌル森林病
  • ロッキー山紅斑熱

診断が確定した症例については、発生届を記入し「直ちに」最寄りの保健所へ届出ください。(感染症法第12条)

※届出前に、届出基準の確認をお願いします。

※届出の際は、記入した様式をFAX(088-652-9334)感染症サーベイランスシステムへの入力、いずれかの方法でお願いします。また、あわせて保健所までお電話(088-602-8907)ください。

届出基準及び発生届様式はこちらから:厚生労働省「感染症法に基づく医師の届出のお願い」

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