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レジオネラ症について

レジオネラ症について

 レジオネラ症は感染症のひとつで、レジオネラ属菌が原因で起こります。レジオネラ属菌は水中や土壌中など自然界に広く存在するため、誰にでも感染のリスクがあります。この病気は健康な人も罹りますが、特に免疫機能が低い高齢者、新生児や幼児、喫煙者、透析患者、糖尿病患者が罹りやすいといわれています。

 また、レジオネラ属菌に汚染された目に見えないほど細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むことで感染し、ヒトからヒトへの感染はありません。

 レジオネラ肺炎と一過性のポンティアック熱の2つの型があります。

レジオネラ肺炎

【症状】全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳嗽、38℃以上の高熱、悪寒、胸痛、呼吸困難などの呼吸器症状や下痢、意識障害、精神症状などの症状が見られます。重症となった場合、死亡例も報告されています。レジオネラ肺炎は、臨床症状では一般の肺炎との区別は困難ですが、尿中抗原検査による診断が一般的になりました。

【潜伏期間】2~10日(平均4~5日)

一過性のポンティアック熱

【症状】突然の悪寒、発熱、咳、頭痛、筋肉痛がみられます。呼吸器症状は軽く、一過性で治ります。

【潜伏期間】1~2日(平均38時間)

レジオネラ属菌はどこにいるの

 レジオネラ属菌は、水中や土壌中など自然界に広く存在しており、私たちの周辺から完全に取り除くことは困難です。このレジオネラ属菌が、消毒されていない水や、入れ替わりの少ない水、水温20℃~50℃前後の水に混入した時、増殖する恐れがあると言われています。特に、給水・給油設備、冷却塔水、循環式浴槽、加湿器、水系施設等でレジオネラ属菌が見つかっています。

 レジオネラ症を予防するためには、感染源でのレジオネラ属菌の増殖を防ぐことが重要です。

予防方法

 免疫機能が低い高齢者、新生児や幼児喫煙者、透析患者、糖尿病のかたは悪化しやすいのでジャグジーなど水しぶきが生じる場所にはいることは避けましょう。また、一番の予防方法は感染源でのレジオネラ属菌の増殖を防ぐことです。日常生活において以下の点についてご注意ください。

お風呂(家庭では風呂 ジェットバスなどでエアロゾルが発生するため、以下の注意が必要です。)

  1. 毎日お湯を入れ替えている場合は問題ありませんが、特にお風呂を循環ろ過して長時間使用する、いわゆる24時間風呂の場合はレジオネラ属菌が増殖する可能性があります。24時間風呂は殺菌装置のある機器を選定しましょう。また、取扱説明書に従い、ろ過器の管理を行い、浴槽水も定期的に交換しましょう。気泡発生装置は使わないようにしましょう。
  2. シャワーでもエアロゾルが発生します。シャワーヘッドを定期的に洗浄・消毒するなどの管理も重要です。
  3. 風呂のお湯は適宜取り替え、浴槽の清掃を行うなど清潔に保ちましょう。
  4. 浴槽水のシャワーへの使用や、気泡ジェットなどのエアロゾルを発生する器具の使用も避けましょう。
  5. 浴槽に入る前には、体の汚れを落としてから入るようにしましょう。

加湿器

加湿器などで水滴(エアロゾル)が発生するため、加湿器の水タンクの管理が悪いとレジオネラ属菌が繁殖する場合があります。特に、非加熱型の超音波加湿器などは「ぬめり」が潜んでいることが多いので、タンクの水は水道水など衛生的な水を使用し、水の交換や洗浄をこまめに行いましょう。また定期的にノズルの清掃やタンクの洗浄を行い、加湿器を使用しない間は水を抜いてきれいにしておきましょう。

家庭菜園など

 レジオネラ属菌は、もともと土壌や水環境に広く分布しています。園芸用の土からも報告事例がありますので、粉じんの発生する腐葉土の取り扱いには、吸い込まないようマスクを着用しましょう。

その他日常生活での注意事項

  1. ホテルのロビーの噴水、洗車、高圧洗浄の利用などの際には「エアロゾル」に注意しましょう。
  2. 汚染水のエアロゾルの吸入の他、浴槽内で溺れて汚染水を気管に吸い込んだ時などの感染・発病も報告されています。
  3. 家庭内の水槽や庭の水が溜まる場所も注意が必要です。
  4. 台風の後や、大雨の後、自宅周りを掃除する際にも注意し、マスク、手袋を利用してください。

徳島保健所管内の医療機関の方へ

  • レジオネラ菌は土壌・湖・河川に広く分布しているため、ヒト生活圏と重なって日常での接触を避けることはできず、知らず知らずの間に感染し、発症してからの確定診断でも見逃しを起こす、すなわちすり抜けしやすいことから集団発生にも繋がりやすいと言われています。
  • レジオネラの診断のポイントは、レジオネラ症を強く疑うことと言われています。発病前10日間ほどの生活経過から、感染源と疑われる水利用施設でエアロゾルに暴露された可能性がないか、国内・海外旅行に参加していないか、周囲の方に同様の症状の人がいないか等にご留意ください。
  • レジオネラ症は感染症法に定められた「第4類感染症:全数把握義務」の感染症であり、できる限り早期発見が必要な感染症であるとされています。

 

 診断した医師は、直ちに保健所に発生届を提出してください

 保健所では、感染源の究明及び感染拡大防止のための健康調査を行うことがあります。御協力をお願いします。

 発生届・届出基準はこちらからダウンロードできます。

 なお、発生届・届出基準は平成28年11月21日から改訂されています。

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