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集団給食施設を設置・管理・調理従事されるみなさまへ

近年、食を取り巻く環境が大きく変化していることを受けて、平成30年6月に食品衛生法が改正されました。改正食品衛生法の施行は令和3年6月までに段階的に行われます。これに伴い、集団給食施設においても対応が必要となります。
また、近年全国的に集団給食施設における食中毒、異物混入の発生が複数報告されています。
次の内容について御理解いただき、各施設において必要な対応をお願いします。

1食品衛生法の改正について

食品衛生法改正に伴い、「HACCPに沿った衛生管理の制度化」、「営業届出制度の創設・営業許可制度の見直し」、「食品等のリコール情報報告制度の創設」、「食品用器具・容器包装にポジティブリスト制度導入」等が始まります。集団給食施設において特に留意が必要となるのは

(1)HACCPに沿った衛生管理について

(2)営業許可の見直し・届出制度の創設について

(3)食品衛生責任者の設置について

の3つです。その他改正についての詳細は厚生労働省のホームページで御確認ください。

(1)HACCPに沿った衛生管理について

HACCPの概念に基づき策定されている「大量調理施設衛生管理マニュアル」に従って衛生管理を実施している場合は、新たな対応は必要ありません。

「大量調理施設衛生管理マニュアル」に準じた運用を行っており、現在自施設のマニュアルや計画を作成していない場合は、施設の実態に応じた衛生管理計画を作成してください。

これまで「大量調理施設衛生管理マニュアル」を活用していない中小規模等の集団給食施設においては、関係業界団体等が作成し、厚生労働省が内容を確認した手引書を参考にして、HACCPに沿った衛生管理を実施してください。

(2)営業許可の見直し・届出制度の創設について

集団給食施設には、原則、許可または届出が必要になります。(届出については一部例外あり※)
集団給食施設の開設者または管理者は、自施設に必要な手続き(許可申請または届出等)をお願いします。
手続きの方法、受付開始時期は別途徳島保健所ホームページでお知らせします。

A調理業務を直営で行っている施設
施設所在地を管轄する保健所へ届出が必要。
<届出時期>
令和3年11月30日まで
(受付開始時期は徳島保健所ホームページで別途お知らせします。)
※少数特定の者を対象とする施設(1回の提供食数が20食程度未満)は届出は不要。


B調理業務を委託している施設
食数や食事提供者の区分(入院患者のみの食事提供等)に関わらず、営業許可が必要。
<許可取得時期>
B-1現在既に許可を取得している施設
現在の許可の満了後に新法の許可に移行。(更新ではなく、新規申請手続きとなります。)
B-2運用上許可不要であった施設(入院患者のみに食事提供している施設等)
令和3年6月1日まで
B-2に該当する施設は、施設所在地の管轄保健所までご相談ください。

(3)食品衛生責任者の設置について

許可施設及び届出施設には、その施設の衛生管理を中心となって行う食品衛生責任者の設置が必要です。

許可申請者、届出者が自ら食品衛生責任者となる場合を除き、食品衛生責任者を選任してください。

なお、食品衛生責任者は次の資格等を有している者を選任するよう努めてください。
選任時に該当する者がいない場合は、食品衛生責任者選任後、速やかに講習会を受講するようお願いします。

食品衛生責任者の資格要件

  • 食品衛生監視員・食品衛生管理者の資格要件を満たす者
  • 調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律に規定する食鳥処理衛生管理者
  • 都道府県知事等が行う養成講習会等を受講した者

 食品衛生責任者養成講習会は、一般社団法人徳島県食品衛生協会が開催しています。詳しくは、同協会ホームページを御覧ください。

(4)少数特定の者を対象とする給食施設について

1回の提供食数が20食程度未満の給食施設については、HACCPに沿った衛生管理、食品衛生責任者の設置及び営業の届出の規定は適応されません(※)。

ただし、手引書や「中小規模調理施設における衛生管理の徹底について」等を参考に、自主的な衛生管理の徹底及び向上に努めてください。

※調理業務を委託する場合は、食数にかかわらず、受託事業者に飲食店営業の許可が必要です。

2食中毒対策について

近年は全国の給食施設で、大規模食中毒が発生しています。

給食施設は、一度に提供する食数が多く、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児等への食事の提供も多いことから、食中毒が発生した際に規模が大きく、症状が重篤化する可能性があります。

食中毒対策として、次のことに特に注意しましょう。

・献立作成時には、調理工程等に無理がないよう配慮する。

調理工程や作業量が膨大であると、思わぬミスや事故につながります。調理場の人員や設備を踏まえ、無理のない献立作成に努めましょう。

・調理は提供当日に行う。

他自治体で令和2年に発生した事例(海藻サラダから病原大腸菌が検出)では、乾燥した海藻の水戻しを前日に行い、加熱工程のないままサラダとして提供されたことが、原因として推察されました。調理は提供当日に行いましょう。

・調理器具・シンクは用途別に用意し、食品の二次汚染を防ぐ。

食肉・魚介類・卵・土付き野菜等の汚染が調理器具等を介して他の食品に付着する可能性があります。調理器具を複数用意することが難しい場合は、作業が変わるごとに確実に洗浄・消毒し、二次汚染を防止しましょう。

・手洗いを徹底する。

手洗いは衛生管理の基本となります。作業開始前・トイレ使用後・工程が変わる時には手洗いを実施し、手指を介した二次汚染防止に努めましょう。

・嘔吐物等で汚染された食器類は、調理場外で消毒してから調理場に返却する。

嘔吐物中にはノロウイルス等が存在している可能性があります。ウイルスが調理場内に持ち込まれると、食品を介して施設全体にウイルスが広がってしまう恐れがあるため、汚染物が付着した食器類は調理場外で消毒し、汚染を持ち込まないようにしましょう。

また、施設利用者が嘔吐した場合の対応マニュアルを作成し、施設全体で対応方法を共有しておきましょう。

3硬質異物対策について

徳島県内の給食施設では、令和2年度に複数件の硬質異物混入事例が発生しています。

金属片、ガラス片、樹脂片、木片等の硬質異物が食品に混入すると、健康被害を引き起こす恐れが高いため、特に注意が必要です。

給食施設での硬質異物混入事例の共通点として、調理器具の一部が食品に混入したことが挙げられます。

防止対策として、包丁、フードカッター、フードプロセッサー、ミキサー等に破損がないか、使用前後で確認・記録することが有効です。食器についても破損がないか確認し、劣化したものは必要に応じて廃棄しましょう。記録は施設で保存しておきましょう。

また、異変に気付いた場合の対応方法を事前に決めておくことも重要です。