レジオネラ症という病気を知っていますか?
知らないと危険です。
今すぐに、きちんとした衛生管理体制を整えましょう。
レジオネラ症は、別名「在郷軍人病」と呼ばれています。その由来は、1976年7月21日から24日にかけてにアメリカのフィラデルフィアのホテルで開催された在郷軍人の200年祭で、参加者を中心に肺炎患者の集団発生が起こって初めて発見されたことに由来するレジオネラ属菌が原因で起こる細菌感染症です。急激に重症になって、死亡する場合もあるレジオネラ肺炎と、肺炎にならずに数日で自然に治る場合が多いポンティアック熱があります。
レジオネラ症は、レジオネラ属菌に汚染された目に見えないほど細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むことで感染します。打たせ湯、シャワー、ジャグジーなどではエアロゾルが発生するので、循環式浴槽の場合は使用水を十分に管理しなければなりません。 レジオネラ症は人から人へは感染しません。
レジオネラ属菌は、世界中に広く分布するありふれた菌で、湿った土壌中や河川、湖沼など自然界に生息しています。また、私たちの身の回りでは、空調冷却水、給湯施設などで多く検出されます。アメーバなどの原生動物に寄生し、20~50度(36度前後が最も発育に適しています。)で増殖します。
肺炎の原因菌で、老人や抵抗力の低下した人に感染し、発病します。集団発生や、病院内感染例もあります。
2~10日の潜伏期の後、頭痛、せきなどの初期症状が出て急激な発熱など肺炎の症状となり、抗生物質による適切な治療をしないと致死率は15%以上になるとされています。
レジオネラ症の発生防止し、安心して入浴施設が利用できるように、管理者は衛生管理を徹底しなければなりません。
そのためには、次のような点に注意して下さい。
施設管理の責任が問われるなど、大きな問題が発生する可能がありますので注意して下さい。
入浴者に対しても汚染防止のために、入浴施設側から注意書き等で呼びかける必要があります。
きちんと衛生管理されていない循環式浴槽の水が、感染源になっています!
入浴施設においてレジオネラ症と疑われる患者が発生した場合、その施設及びその近隣の施設から、さらにレジオネラ症患者が発生することのないように対処する必要があります。施設の現状保持や使用の禁止など、原因究明に協力しなければなりません。
また、独自の判断で消毒剤投入等の処理を行うと、原因究明が進まず営業再開が遅れることもあるので特に慎重な行動が要求されます。
衛生管理を行う場合、その施設の利用状況や設備によって注意すべき点が異なります。
設備 | 問題点 | 対処方法 |
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貯湯タンク | 貯湯タンクの中や配管では、お湯の滞留時間が長いため、低い水温ではレジオネラ属菌が繁殖しやすい環境となります。 |
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循環ろ過装置 | ろ過装置内で、レジオネラ属菌はアメーバなどに寄生し増殖します。また、浴槽や配管の内壁でもぬめり(生物膜)ができやすく、レジオネラ属菌の定着につながります。 |
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気泡発生装置・ジェット噴射装置・打たせ湯・シャワー等 | 気泡発生装置(ジャグジー)やジェット噴射装置、打たせ湯、シャワーなどは、エアロゾル(水滴)を発生します。 |
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露天風呂 | 露天風呂は外界と接しているため、レジオネラ属菌に汚染される機会が多くなります。内湯よりも厳しく管理する必要があります。 |
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24時間風呂 | 24時間風呂といわれる循環型浴槽には浄化装置が付いていますが、このうち生物浄化装置と言って細菌が繁殖する場所を作って、そこで垢などの有機物を処理する方式は、レジオネラ属菌も増えます。特に泡ぶろの場合は、エアゾルが発生するので要注意です。 |
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冷却水 | 空調用の冷却水は6~9月には、35度近くまで上昇します。もし、レジオネラ属菌に汚染されると、菌を空気中に飛散させるようになります。 |
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加湿器 | 水を加熱して気化するタイプは、加熱により死滅するため比較的安全と考えられますが、超音波で水を霧状にするタイプのものは、水タンクの中でレジオネラ属菌が、繁殖し、部屋中に散布されレジオネラ症を引き起こす可能性が高くなります。 |
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