気温が徐々に低下し、日照量や日照時間も短くなる時期であるため、こまめな温度・光線管理に努め品質向上を図る。
温度管理は、昼温は栽培全期間を通じて25℃以下を目標に換気し、最低気温は18℃を保つように保温と加温に努める。
光線管理は、定植後の10月下旬まで70~80%の遮光を行い、葉焼けや地温上昇を防止するが、
その後は軟弱徒長にならないよう生育状況と天候を見ながら遮光を除去する。
水管理は、植付け時には十分灌水するが、草丈20cm~発蕾時までは表土が乾き始めたら十分灌水する。
2~4月出荷栽培は、輸入冷蔵処理球根を用いプレルーティング後に10月中旬から定植を行ない、抑制栽培に準じて栽培管理を行う。
なお台風や長雨により圃場が冠水した場合は、速やかに排水作業を行ない、適宜葉面散布をして生育の回復を図る。
害虫は、アブラムシ類、ハスモンヨトウ、スリップス、ネダニなどが発生する。病害はウイルス病、疫病、腐敗性病害がある。
耕種的防除と併せて、発生状況に応じて適宜農薬で防除する。
生理障害として、「葉焼け症」、「まだら葉(黄化葉)」がある。
葉焼け症は、低日照下で葉が軟弱に育った時などに、急に強い光線にあたると葉の蒸散と水分の吸収が間に合わず組織が破壊され白くなる
障害である。天候の変化に注意し、遮光率を調整したり散水により湿度を高めるなどの対策を行う。
まだら葉(黄化葉)は土壌pHが高い場合に発生しやすく、発生程度に品種差もあるが、定植時には土壌pHを5.5前後に調整しておく。
採花は、つぼみが少し白くなったもの(開花数日前)で収穫する。
下葉を15cm程度かき取りその後5本を1束としてラッピングし、段ボール箱に詰めて出荷する。