1) 圃場選定
・ 播種に向け、早めに圃場選定等の準備をしましょう。
・ センチュウの被害を防ぐため、同一圃場での連作は避けます。
・ 日当たりが良く、灌水可能な圃場を選びましょう。
・ オクラは、多湿を嫌う作物なので、排水性のよい圃場を選びましょう。
(排水性のよい圃場を選ぶとともに排水溝を設置するなど、排水対策を十分行っておきます)
〔 注意事項 〕
・ 播種直前の生わらや未熟堆肥施用は、立枯病の発生を助長します。
・ 施肥量は、前作物や地力により、増減させます。
(特に、生育初期の肥料(チッソ成分)が多すぎると、初期収量や品質を落とします)
・ センチュウ被害のおそれがある圃場では、薬剤を土壌混和しておきます。
1. 播 種
・ 平坦地では大型トンネルで3月上中旬、小型トンネルで3月中下旬、
露地では4月末~5月上旬が播種適期です。
・ 山間地では、平坦地より5日程度遅らせます。
・ 畦立て後、直ちにマルチを行い1週間程度置き、地温を高めてから
播種しましょう。
(地温15℃以下では、発芽・生育が悪くなります)
・ 2条・株間15cmで、一穴5粒直播きします。
・ 種子量は、10a当たり4~5リットル程度です。
・ 播種したら、1cm程度覆土し軽く鎮圧します。
・ 土壌が乾燥している場合は、灌水を行って下さい。
・ 欠株が出た場合の補植用として、ポットへも播種しておきましょう。
1. トンネル栽培
1) トンネル換気
・トンネル栽培では、4月に入り暖かくなってきたら換気を行います。
・ 換気の始めは、本葉 1.5枚の頃が目安です。
・ 外気温の上昇に伴い、徐々に換気穴を増やします。
2. 露地栽培
1) は種
・ 露地栽培では、4月下旬以降がは種の適期となります。
・ 無理な早播きは立枯を招くので控えましょう。
・ トンネル栽培と同じく、早めに畦立て・マルチ被覆を行い地温の確保に努めましょう。
1. トンネル除去(トンネル栽培の場合)
・ 最低気温が15℃以上になる5月上中旬にトンネルを取り除きます。
2. 施肥管理
・ 着果が始まると肥切れしないよう追肥を行います。
・ 早い追肥は落果の原因となるので、最初の実がとまったのを確認してから
(実が2cmになったころが目安)追肥を行いましょう。
・ 初期の追肥は根が周囲にあまり張っていないので、マルチ上部を裂いて
つまみ肥を行うようにしましょう。
3. 病害虫管理
・ アブラムシ類の発生に注意し、初期防除に努めましょう。
・ シルバーテープを使用すると、アブラムシ類等有翅虫の飛来抑制に効果が
あります。
4. 農薬の飛散防止対策
・ 近隣に他の作物が栽培されている場合は、農薬が飛散しないよう注意しましょう。
・ 防風ネットの設置やソルゴーの栽培は、農薬の飛散防止に有効です。
・ また、ソルゴーの栽培はバンカープランツとしての効果も期待できます。
※ バンカープランツ ‥‥‥ 土着天敵(クモ類、寄生蜂等)の住み家となる植物
1. 追 肥
・ 草勢をみながら、追肥を行いましょう。
・ 7~10日おきに、10 a 当たり
NK化成等を10~20 kg(チッソ成分で、10 a 当たり2~3 kg)施用します。
・ 草勢の状態により、施用量等を加減しましょう。
・ 一度草勢が弱くなると、回復しにくいので、
葉が小さくなり始めたら、早めに追肥しましょう。
2. 摘 葉
・ 葉が茂りすぎると光線不足になり、莢の着きが悪くなるので、
収穫のたびに莢の下葉をとっていきます。
草勢が正常 ‥‥‥‥‥ 着莢節位の下に、1, 2枚程度の葉を残し摘葉。
草勢が強い場合 ‥‥‥ 着莢節位までの葉を摘葉。
草勢が弱い場合 ‥‥‥ 着莢節位の下3枚程度の葉を残して摘葉。
3. 収 穫
・ 暑い時期なので、収穫は朝の涼しいうちに行いましょう。
・ 果実は大きくなりすぎると、すじも多く固くなって品質が低下するので、
取り遅れないよう注意します。
・ また果実を大きくして収穫すると着果負担がかかるため、
草勢低下を招き、その後の収穫にも大きく影響があるので、
取り遅れないよう注意しましょう。
1. 追 肥
・ 7月と同様に、草勢をみながら追肥を行いましょう。
・ 7~10日おきに、10 a 当たり、
NK化成等を10~20 kg(チッソ成分で10a当たり2~3 kg)施用します。
・ 草勢の状態により、施用量、施肥間隔を加減しましょう。
・ 一度草勢が弱くなると回復しにくいので、葉が小さくなり始めたら
早めに追肥をしましょう。
2. 灌 水
・ 高温期は、水分不足による実の肥大不良が起こりがちです。
・ 晴天が続く場合、畦間灌水を実施します。
・ ただし、長時間畦間に水を溜めたままにすると、
根腐れの原因になるので、注意しましょう。
3. 害虫対策
1) ハスモンヨトウ
・ 卵塊、若齢幼虫の発見に努めましょう。
・ 若齢幼虫は、一枚の葉に群生していますので、その一枚を取り除くようにします。
・ 幼虫は、大きくなると薬剤に対する抵抗性が増すので、 小さい幼虫の頃に
薬剤散布をしましょう。
2) オオタバコガ
・ 果実内に侵入した幼虫は、薬剤での防除は困難になります。
・ 被害果は、見つけ次第、適切に処理しましょう。
・ 被害果を処分後、薬剤散布しましょう。
3) メイガ類
・ 筒状になった葉や茎の中にいる幼虫には、薬剤での防除は困難になります。
・ 筒状になった葉は、筒を開いて中の虫を処理したり、筒を押さえて中の虫を
駆除しましょう。
・ 茎への侵入部には、糞痕があるので、ハサミ等で処理しましょう。
1. 追 肥
・ 日照量、気温が低下するにつれ、必要となる養分も少なくなるので、過剰施肥と
ならないよう注意しましょう。
2. 害虫防除
・ ヨトウムシ類の発生が、多くなる時期です。
・ 特に、ハスモンヨトウは、葉に注意し、卵塊、若齢幼虫の発見に努めましょう。
・ ハスモンヨトウの若齢幼虫は、最初1枚の葉に群生していますので、その葉を
取り除くようにしましょう。
・ 老齢幼虫になる前の初期防除に努めましょう。
・ 日照量、気温が低下するにつれ、必要となる養分も少なくなるので、収量に応じた
適正な施肥方法を心がけましょう。