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早期水稲

3月の管理

1. 種子の準備

1) 種子消毒

・ 種子消毒の方法は、温湯消毒・ 塗抹処理・浸漬処理があります。

・ なお、残液処理には十分注意してください。

2) 浸 種

・ 浸種期間中の水温は、10~15℃に保ちましょう。

・ 積算温度で、100℃程度を目安とします。

3) 催 芽

・ 温度は30℃前後に保ちましょう。

・ 鳩胸を目安に温度の調整を行いましょう。

2. 育 苗

1) 播 種

・ 播種量は、催芽籾で140~180gになるようにしましょう。

2) 出 芽

・ 出芽期の温度は昼夜30℃を目標に、1cm程度を目安に出芽確認後、

  平並べするとよいでしょう。

・ 平置き育苗の場合は、ハイマットなどを利用し温度を確保します。

  草丈3~4cm(マッチ棒の長さ)で緑化を始めます。

3. その他

1) 温湯消毒

・ 温湯消毒をする場合は、品種によって処理条件が違う場合があるので

  注意して下さい。

2) 育苗資材

・ シルバーなどを使い遮光する場合は、サイドを少しづつ開け、

  徐々に外気に慣らすようにします。

4月の管理

1. 田植え

・ 代かきは、できるだけ均一になるよう行い、

  土が落ちついてから、深植えにならないよう田植えを行います。

・ 植付本数は、1株につき 3~5本を目安にしてください。

・ 植付株数は、50株/坪を基準に、条件に応じて対応して下さい。

2. 水管理

・ 田植後 5~6日の間に、低温や強風の恐れがある場合は深水管理とします。

・ その後、活着したら浅水で管理してください。

3. 薬剤育苗箱処理

・ 薬剤処理は、薬剤が育苗箱からこぼれないように均一に散布し、

  散布後は軽く苗を払い、灌水して、薬剤を落ち着かせてから田植えを行います。

4. 除草剤散布

・ 除草剤使用の際は地面の凹凸を無くし、露出させないでください。

・ 漏水を防ぎ、7日間は落水しないようにして下さい。

5月の管理

・ 活着後は、浅水の間断灌水として、水温、地温を高め、分けつを促進します。

・ 分けつの遅れや赤枯れ症状が発生する場合は、水切りや落水してガスを抜きましょう。

6月の管理

1. 水管理

1) 間断かん水

・ 根の活力を高めるため、間断かん水を行います。

2) 中干し

・ 中庸な株で茎数が18~20本程度確保できたら、中干しを行います。

・ なお、極端な中干しは、減収につながるので注意しましょう。

3) 中干し以降

・ 間断かん水を基本とします。

・ 出穂前後は、水を切りすぎないようにしましょう。

2. 施肥

1) 基肥が一発肥料の場合

・ 穂肥を施用する必要はありません。

2) 基肥が一発肥料でない場合

・ 中間追肥として苦土、リン酸、カリの追肥を葉色に応じて施肥します。

・ また、葉色に応じて穂肥を施用します。

・ 穂肥の施用時期の目安は、コシヒカリでは出穂15~18日前頃、

  ハナエチゼン・キヌヒカリでは出穂21日前頃です。

・ 施用量については、葉色、草丈、茎数により加減してください。

3. 病害虫防除

・ 曇雨天が続くときは、葉いもち病の発生に注意してください。

・ 出穂15~20日前までに、けい畦の草刈りを行い、本田への

  カメムシの飛び込みを防止しましょう。

・ 防除にあたっては、病害虫発生予察情報等を参考にしながら、

  対象病害虫に対する適期防除を実施してください。

・ また、ほ場周辺に他の農作物が栽培されている場合は、農薬散布時に

  風向きなどを考慮し、周辺作物等へ農薬が飛散しないよう十分注意してください。

7月の管理

1. 水管理

・ 間断かん水を基本に、気温が高い場合は用水管理を考慮して、

  かけ流しや夜間のかん水を行いましょう。

・ 落水は刈り取りに支障のない限り遅らせましょう。

  早期落水は収量・品質低下の原因となります。

2. 病害虫防除

・ 出穂期前後のいもち病、カメムシ等の発生に注意しましょう。

・ 特にカメムシについては斑点米による品質低下が著しいので、

  できれば地域ぐるみで防除を行うようにしましょう。

・ 薬剤の使用に当たっては、必ず使用基準を厳守し、

  周辺作物等へ飛散しないようにしてください。

8月の管理

1. 水管理

・ 刈り取り前の落水は、刈取りに支障のない限り遅らせて下さい。

・ 高温対策として、走り水を行いましょう。

2. 適期刈取り

・ ほ場の85%程度が黄化した頃が刈取り適期です。

・ 刈遅れは、玄米の光沢が悪くなり、等級が下がるので注意して下さい。

・ ムレ米防止のため、刈取り後、すみやかに乾燥させましょう。

3. 防 除

・ 農薬は、必ずラベルの記載事項を厳守して適正に使用するとともに、

  散布にあたっては、周辺作物へ飛散しないよう十分に注意して下さい。

9月の管理

・ 稲刈り後は速やかに稲わらをすきこみ、堆肥を施用し土づくりを行いましょう。