近年、イネカメムシの発生が拡大傾向にあります。イネカメムシは斑点米カメムシ類という害虫類に分類され、イネの穂を吸汁加害することで玄米が変色し、斑点米となる被害や、不稔となり実がつかないといった被害が発生します。これらの影響で、イネカメムシが発生したほ場では、大幅な減収となったり、等級が下がるなどの被害が起こる可能性が高くなります。
また、徳島県では、8月2日に県西部及び県東部、普通期水稲の斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ、クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ等)について注意報を発令しています。今後、出穂期を迎えるほ場においては、水田内での発生状況を注視するとともに、適切な防除をお願いします。
上記の注意報等の発生予察については、以下のリンクにて確認することができます。
美馬農業支援センターでは今年、管内の発生状況について調査するため、イネカメムシ発生状況のモニタリング調査を行っています。発生状況は以下の通りです。
地点1および4について、今回の調査で初めてイネカメムシが捕獲されました。出穂期が近づき、イネカメムシがほ場に入り始めたのではないかと予想されます。
また、前回同様、ほかのカメムシが捕獲されている調査地点もありました。
調査地点やその周辺では、防除の成果もあり発生が比較的抑えられているように見えますが、管内ではJAへの問合せも増えており、イネカメムシの被害が出ている地点も多いのではないかと予想されます。
現地を見ても、一部ほ場ではカメムシ類をよく見かけます。生産者の皆様には、今後出穂期を迎えるほ場だけでなく、防除から時間がたったほ場でも再発生していないか、引き続きカメムシ類への警戒と適期防除をお願いいたします。
また、モニタリング調査は9月中旬まで継続する予定となっています。
管内の水稲農家向けに、イネカメムシについての注意喚起パンフレットを作成しました。